やっぱブログだべさ。

 こんなブログタイトルでも…まぁイイんでないかい? 
 まずは「初めに・お約束」をお読み下さい。

日本とアメリカの音楽教育のお話。

2007年10月17日 | 小さく比較文化もどき
 予告致しましたとーり、日本とアメリカの義務教育上の音楽教育について、まとまりのない比較文化。

 先週、うちのオケは、Day of Musicっていうイベントに出演。一日中色んなグループがコンサートする日。普通Chewieは、オケのコンサートは楽しい~♪って思うんだけど、今回はそうでもなかった いつもの指揮者じゃなかったので、リハがつまらなかった。3時間リハやって、たった一つの事だけ学びました。いつもの指揮者を出せー! 

 コンサートは何曲かはお客さんも一緒に歌うため、プログラムに楽譜が入っていて、更に地元の高校のコーラスが2つ入り、皆で歌いましょう~っていう趣旨。

 それがねぇ…お客さん、歌えないんです。コーラスが歌ってるから一緒に歌えばいいのに。それに「喜びの歌」(歌い易い様に、G majorにアレンジ... by カラヤン)は歌えてもいいよね? でも聞こえな~い。最後のハレルヤだけは、大きな声で歌ってたから聞こえたんだけど…pathetic! 耳を疑った。

 そして思った。日本の音楽教育(小学校・中学校)を受けていれば、こういうのは歌えるんじゃないか…?

 私の小学校は、大体の子がピアノやエレクトーンを習っていて(ばよりんなんてやってたのはChewieだけ)、楽譜も読めた。だけど、音楽のレッスンをとってない子も、合奏に参加したり、皆で歌ったりしてた訳です。音楽の教科書には、歌・リコーダーの楽譜が載ってて、楽譜が読めなきゃどうしょうもない状態。だから、きっとレッスンをとってない子も読めてたの。覚えてないけど、授業で習った筈。

 中学校からはカトリックの女子校で、ここの音楽のレベルは高かった。お仕事で大学のコーラスを伴奏しますが、悪いけどChewieの学校の方がコーラス上手いヨ。御ミサがあるので、ミサ曲も習いマス。授業で使うのは、聖歌集2冊と文部省指定の教科書。授業では、譜読みで先生のピアノに合わせてラララで歌ってみて、3回目くらいからは歌詞も付けて、皆歌えちゃうんだよね。ここでの音楽レッスンの経験者は、99%かな。皆何かしらレッスンを取っていた事がある・レッスンを取っている、という状態。
 
 そういう環境だったので、小学校も中学校も、音楽の先生方はadvance levelの授業を出来たのかもしれませんが、でも、しつこい様だけど、皆楽譜は読める様になる訳です…よね?  


 対してアメリカにおけるgeneral音楽教育。楽譜は読めないのか?! 歌わないのか?! 
 本日、Captain Soloに色々お話を聞かせて貰いました。何せChewieは日本育ちの大和撫子(え?)。アメリカの小学校、中学校のgeneral musicの授業で何をするのか知らないのだ。只今Captain Soloは小学校・中学校で音楽の教育実習中。小学校の授業は難しい、と言ってましたが、アメリカの音楽教育とは…

 まず、学校のfundingは州から来ます。なので、国全体で「文部省・教育ヒッシュウ課程」みたいな物は設定されてません。州で予算を組んで、授業形態も決めてくれ、と。

 1957年にソビエトに宇宙旅行を先取りされた時、アメリカは「科学・数学に力を入れて、エンジニアを育てなくてはソビエトに遣られる!」と焦る。そして今、全国的な学力テストみたいのは、英語と数学、そして最近は+科学なので、まずその3つにお金と授業時間を使う訳ですよね。

 で、時間を削って、そしてお金を使って芸術系のクラスを作れる余裕がある、と見込んだ州は少しお金を使ってみる。つまり、全国的に必修じゃないのです。なんと、アメリカでたった14%の学校or14%の子供が学校で音楽教育を受けられる立場に居るそうです!   たったの14%! 興味がないから教養として身に付けない、んじゃないのです。音楽や美術に触れるチャンスも与えられてないんだなぁ。

  general musicの授業があり、更に余裕のある地域には、バンド・オーケストラ・コーラスがあります。部活じゃなくて授業。オケ・バンドは3、4年生から出来ます。これは日本より凄い。

 general musicでは、9つのジャンルをカバーするそうです。その中には楽譜の読み方、歌も含まれているそうな。じゃぁ…一応学校に音楽の授業があったら楽譜は読めて、歌も歌える…と。
 でもね、3年生でオケを始める子供(少なくとも、コネチカットで私が教えた子供達)はまだ楽譜が読めず、3年生の終わりでオケの授業の一環で読み方を習うのです。一体いくつまでmusic literacyを遅らせるのだろうか

 例えば、シカゴではたった25校(だったかな?)に、オーケストラのプログラムがあるそうです。それでもgeneral musicはあるのです。イリノイ州は割りと教育に関する財政に余裕がある様です。

 Captain Soloの出身のミシガンでは音楽教育があり、リッチな地域では、親達がどんどんお金を寄付して、学校の音楽部門を続行させるんだって。お陰で、学校のバンド、オケ、コーラスのboard member(委員会?みたいの?)は半分以上が親達。もし学校が「少し音楽の予算を削って…」なんて言おうものなら、この親達が食って掛かる…そうな。怖い。

 Chewieが前に住んでいたコネチカット。これが当たり前だと思ってたけど、ハイスクールにはオケ・バンド(しかも何種類も)・コーラス・ミュージカルがあり、地元小学校・中学校にも、いくつもオケがあり、jazz orchestraまであったり。個人レッスンを取る子も多いので、Chewieもかわいい生徒さんがた~くさんだった…のですがシカゴでは…


 日本よりもクラシック・ジャズ共に音楽が一般的に愛されてる(とChewieは思う)アメリカなんだけど、実はcultivateされてるのは一部の人間・・・の様ですね。うちのオケのoutreach programも、
音楽にあまり触れる機会の無い子供・大人に色々紹介
 ↓
一緒に楽しんで貰う
 ↓
コンサートに来てもらう
 ↓
将来のクラシック音楽も安泰
 …って路線でやってるんだけど、これはイリノイ州だけじゃなくて、もっと遠くの、本当に音楽教育の無い州に行ってやるべきだと思いマス。そんな時間とお金がないのが実情だけどさ。

 と言う訳でした。速い話が、音楽教育が殆ど行き渡っていない、と。出身地によって、音楽の教養の有無が変わってくるし、出身地の違い=貧富の差→やっぱアメリカ。っていう図になるんだなぁ。

 14%って数字を聞いて考え込んじゃったけど、じゃぁ英語・数学・科学に比べて音楽の教育ってどの位、どの様に大切&必要なのかしらん? 一般の人(non-musicians)にとっての音楽の授業は、Chewieの(大の苦手だった)「美術の授業」っていうスタンスでいいのかな? 楽譜が読める、歌える、ってNon-musicianにとって、別に必要な事じゃないし、生活して行く上でとっても必要って訳でもありませんね? 私は美術の授業は苦手で大嫌いだったけど、今、美術館で絵やサクヒンを観るのは好きデス。要は興味の問題…? 

 クラシック音楽の将来は危ぶまれてます。コンサートの大体のお客さんはお年寄り。この世代が無くなったら、コンサートは成り立たないんじゃないか? 若い人にもっと来てもらわないと! 
 別にその為に音楽教育を必修にしろ、とは言わないけど、少しでもクラシック音楽に気軽に触れる機会が皆にあったら、多分もっとたくさんの人が興味を持ってくれる筈デス。堅苦しい、退屈だ、って先入観があるんだろうけど、そうでもナイですよ?w

 まとめが良く分からなくなりましたが、一応「比較文化」、比較するだけ比較しました。

 Captain Soloに日本の音楽教育についてオハナシしましたが、それより「私立のカトリックの学校に行った」って言う事実に驚かれた。クリスチャンじゃないのに! 「ここが変だよ、ニッポン」の典型的なパターンでした 多分理解されてないと思いマス。ははは。

 
 



 

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10 コメント

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そういえば (ねおこ)
2007-10-18 14:07:34
日本の(小学校だけど;)では図工も音楽も必須だったね!
リバーサイドでは放課後のバンドは4年生からだったけど、その他の「音楽」の時間はなかったかも。
うーん面白い。。。
でも基本的に日本の方が裕福なんだろうね。
親のおかげでアメリカでもばっちりアートも音楽もやらせてもらったけど
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Unknown (Chewie)
2007-10-18 23:02:43
ねおこちゃん
 あぁやっぱり。普通の音楽の授業は無いみたいだね、リバーサイド及びその周辺。自分の生徒さんと音楽の授業について話す度に混乱していたChewieでした。

 多分日本の方が、平均的に何でも教育するんだろうなぁ。その代わり、アメリカはやたら専門的なクラスがあるよね。例えばmarine bioとかw 取った??

 
 
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教育は人間性!? (ちいちゃん)
2007-10-19 19:39:05
お国の事情で 随分違うんですね。
びっくりしました!大変だあ!

そういえば 車椅子の乙武くんが 小学校の
先生になったみたいです。
乙武くんの恩師が先生になった乙武くんに
「教育はね 最後は人柄 人間性だから・・・」
って 言ったそうです。
色々なバージョン潜り抜けて
頑張っているChewie先生。
音楽の種 いっぱいまいてね!!
応援しています!!
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Unknown (Pyon)
2007-10-20 00:12:13
I totally agree!教えていてよくそれは思う.どうしてみんな読めないしRhythmがわかないの!?
どうしてそんなに音痴で音が取れないの(Pianoでひいても同じPitchでうたえない)?これはString Instrument を弾くのに 
Serious Problem.音程が半音以上ずれていてもわからない子が多い.

よく日本の教育はいいなーと思う.私もよく覚えてないけど学校で歌集科のクラスがあったの覚えてる.みんな一応ちゃんとしたPitchで歌えてた.やっぱり意識していなくても日ごろからの教育だね.

もうすぐHalloweenConcertでしょう?OrchでDressUPしないといけないんじゃない?今年はなにになるの?
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Unknown (Chewie)
2007-10-20 00:25:02
ちいちゃんさま

 おぉ~乙武さんが先生に!「五体不満足」は読んだんですけど、小学校の先生ってとっても彼に向いてる気がします。

 そうそう、教育は人間性…って、どうしよう、Chewie!  
 明日、outreach programの一環として(初仕事)、子供のオーケストラのコーチに行きます。Chewieは生徒にはとっても厳しいのですが、こういう、一発勝負で教える時は優しく、自分でも気持ち悪くなるような「猫なで声」になります。後でこのギャップに、自己嫌悪

 関係ないけど、うちの父は「Chewie」を全然違う読み方をしていて、この前電話で言われてビックリこのブログを始めた1月からずっとそう読んでいたのか~~~?!詳しくはうちの母に聞いて下さい。
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Unknown (Chewie)
2007-10-20 00:32:45
Pyonちゃん

 なんと今年のHalloweenコンサートは、コスチュームなし! 何か着たかったのにぃ!今年のHallow Huntsは、曲に合わせて、all blackだよ来年に期待しましょう・・・

 そうそう、私がCTで教えてた子達は、リズムとか殆ど感覚でやってたなぁ。他の音符の長さとのrelationを分かってない子も居たし。つまりが「テキトー」。ま、アメリカでは何でもテキトーなんだけどね。オーストラリアはどうなのかしらん??是非聞きたいデス。 
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なるほど☆彡 (tocotoco)
2007-10-20 09:03:28
教育って今まで空気と同じくらい、こういうものだと呑気に思っていましたけれど国によってずいぶん違うみたいね~
chewieちゃんのブログ読んで "だから日本でカラオケが流行るんだ!!!"って 納得!!
みんなキッチリ基礎音楽教育うけているから
どんな人でもけっこうみんな歌うまいよ!
へーーーって思う人がけっこうバッチリ歌ってくれたり、やっぱり小学校の時に音楽で歌習った賜物かも!!

chewieちゃんのレベルの高い話の感想がカラオケじゃあ、ちょっと申し訳ない......
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Unknown (Chewie)
2007-10-20 13:13:57
tocotocoさま

 そうそう、「カラオキ」は日本の文化! 皆ちゃんと歌えるみたいですね。そういう所で音楽教育がちゃんと役に立ってるって分かって良かった

 他のコメントにも書いたけど、日本では平均的に全部教える感じで、アメリカだと専門的な分野も選択授業でやります。だからオーケストラやバンドがあるんだけど。
 で、教え方が違って、日本では中学以降はテストの為に詰め込み勉強するけど、アメリカの学校は割りと経験に結び付けた学習…と言ったらいいかしらん。問題を提起されて、自分で考えてみるっていう学習が多いデス。
 音楽のレッスンも、日本人の先生とアメリカ人の先生では教え方が違います。
 なんか段々長くなってきたから、これは新しいブログエントリーにしようっと。
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あるね!(あったね? (ねおこ)
2007-10-20 17:16:06
やたらと専門的なクラスw
でもMarine Bioは取りませんでした。Astronomyは取ったけどBiggest Mistakeでした、あのクラス専門的すぎて唯一のフェール間際。。
うーん、懐かしい思い出だけどEnglishもBibleのクラスとか取ったなぁ。。
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Unknown (Chewie)
2007-10-20 23:06:16
ねおこちゃん
 おーAstronomyは私も取ろうかと思ったんだけど、色々観測assignmentがあるんだよね? 大変そう~。

 Bibleのクラスがあったのは知らなかった!

 でわ、outreach program#1、mentoring リハーサルへ行って来まーす
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