風が私の体を
もうこれ以上進んではだめと
足止めするほど
いくつもの腕から
押されているように
髪は乱され
行こうとしても
もうこれ以上は行けない
ここからは
私の行く道ではないように
やっとのことで
風に押されて立っているというのに
あの複雑な形の雲間から
光は見えているというのに
近づくことは許されないのね
手を伸ばそうとしても
寒さでかじかんだ指は空をきる
そう
眺めているだけね
そう
見ているだけね
掴んじゃいけないものがある
願うだけしかできないことがある
きっとそれが
一番の美しいカタチ
西の空に
夕陽がやってきて
ぶどう色の雲を作っても
昔からのように
願いをかけるのが
一番の美しいカタチ
それが
きっと私のカタチ

