海へ海へ自転車を漕ぐ貝殻のかけらの光る海べりの道
スズガモの去りし干潟の三番瀬潮満ちくれば水脈しめす浮標(ブイ)
(大森浄子 三番瀬の海)
白砂に小さき歩行の跡のこし鷗とびゆく海面に近く
島ひとつ持たざる海は淡淡とながき渚に波を送り来
(池田弓子 サーファーの影)
素潜りにて漁夫の獲りたる岩牡蠣をひと呑みすれば喉(のみど)はすずし
リヤカーを曳きて媼の出入りする小さな漁港の小さな市場
(荘司竹彦 影鳥海)
観音の見下ろす辺りに浮かびつつ竿先見いるおとこ八人
海にいて海見ずひたすら竿先を見いる一日大貫の沖
(井上洋 大貫の沖)
****************************************
短歌人8月号、8月の扉より。題詠*海を見ながら詠む歌
スズガモの去りし干潟の三番瀬潮満ちくれば水脈しめす浮標(ブイ)
(大森浄子 三番瀬の海)
白砂に小さき歩行の跡のこし鷗とびゆく海面に近く
島ひとつ持たざる海は淡淡とながき渚に波を送り来
(池田弓子 サーファーの影)
素潜りにて漁夫の獲りたる岩牡蠣をひと呑みすれば喉(のみど)はすずし
リヤカーを曳きて媼の出入りする小さな漁港の小さな市場
(荘司竹彦 影鳥海)
観音の見下ろす辺りに浮かびつつ竿先見いるおとこ八人
海にいて海見ずひたすら竿先を見いる一日大貫の沖
(井上洋 大貫の沖)
****************************************
短歌人8月号、8月の扉より。題詠*海を見ながら詠む歌