気まぐれ徒然かすみ草ex

京都に生きて短歌と遊ぶ  近藤かすみの短歌日記
あけぼのの鮭缶ひとつある家に帰らむ鮭の顔ひだり向く 

短歌人8月号 8月の扉

2015-07-28 11:08:44 | 歌集
海へ海へ自転車を漕ぐ貝殻のかけらの光る海べりの道

スズガモの去りし干潟の三番瀬潮満ちくれば水脈しめす浮標(ブイ)

(大森浄子 三番瀬の海)

白砂に小さき歩行の跡のこし鷗とびゆく海面に近く

島ひとつ持たざる海は淡淡とながき渚に波を送り来

(池田弓子 サーファーの影)

素潜りにて漁夫の獲りたる岩牡蠣をひと呑みすれば喉(のみど)はすずし

リヤカーを曳きて媼の出入りする小さな漁港の小さな市場

(荘司竹彦 影鳥海)

観音の見下ろす辺りに浮かびつつ竿先見いるおとこ八人

海にいて海見ずひたすら竿先を見いる一日大貫の沖

(井上洋 大貫の沖)

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短歌人8月号、8月の扉より。題詠*海を見ながら詠む歌

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