英語学習

日本を発つ前、バイトしながら、海外生活の白昼夢にふけっていたころやっていた英語学習は主にNHKの英会話ラジオとテレビだ。英会話入門、英会話、ビジネス英語を聞いては必死に丸覚えしていた。英会話はストーリー型で進んでいくのでストーリー丸ごと覚えていたし、原付に乗りながらぶつぶつ覚えたことをつぶやいたり、バイト先でカセットに録音したものを聞いたりしていた。

ビジネス英語は正直とてもついていけなかった。何度聞いても分からなかったし、一度の講座の量が多すぎてとても覚えきれるものではなかったが、今、思い返せば全く分からなかったものの大変内容の濃いものだったと思える。ボランティア的にやっている英会話教室なるものにはすべて通ったし、教会でもアメリカ人牧師の説教を聴いていたが、全くいってることは分からなかった(幸い説教は逐次通訳された。)。英会話学校も申込書にサイン寸前まで行ったが結局金がないのが理由で断念。貯金は海外に行くためにとっておく必要があったからだ。

教材はよく買ったし、写真で図説のある発音の本、また英語学習法なるもの、語彙力を伸ばすものなど。英会話入門は毎日、5，6行の会話でさまざまな場面を想定していたのでとてもよかった。ラジオ英会話の教材は安かったし、最後のほうにある読み物も好きだった。英語を試す機会があるときに丸覚えしたことを場面から引き出して言い、通じたときはとてもうれしかったし、はじめの一歩の実感があった。

そのころはそれが限界で丸覚えしたことでなく自分の考えを伝えようとすると文を構成できずに何もいえなかった。洋書を買っては見たものの、分からない単語だらけでとても読みきれなかった。英語が話せる、意思が伝えられるレベルではとてもなかったが、あの頃のひたむきな学習なくして今はないと確信している。特にあの丸覚えで機械的な文章が、英語圏に住む中で頭の中で自然なものとなり、時折、微調整を加えては自分の表現力へと変わっていったにちがいない。

英語勉強法なる本はたくさんあるし、何も目新しくないけど自分が思う独学法を紹介します。

NHK英会話講座を聞き、丸覚えする。
丸覚えも暗唱するのではなく、最低でもぶつぶつ程度は声にだす。もちろん、発音にも気をつける。誰か発音を正してくれる人がいれば最高だけど、無理な場合は発音の本に頼るしかない。間違っていても図説どおりにやればそこまでひどくはないはずである。でも、お金を払ってでも発音だけは変な癖がつく前に基本を習ったほうがいい。

英語にさらされる。
当たり前すぎることだけども、とにかく努力して少しでも英語にさらされる時間を増やすことによって、たとえちんぷんかんぷんでも脳を英語の音、構成にならす。音(音楽)、目(読書)、感覚、ゲームなど違う媒体による刺激によってより脳神経が踏み固められるのは何度もいわれていることだ。さらされる中で上記の丸覚えも少しずつ骨にしみこむと思う。

読む
分からなくても読むしかない。好きな本を見つけて5回、でも10回でも読む。村上春樹氏の本など、日本語で読んだことあるものであれば内容はつかめているし、単語をいちいち調べなくても読み進められるのでいいのではないでしょうか。

英語で伝える
話す機会があればどんどん試す。ちゃんと話そうと思い過ぎないで話すことに重点をおく。でたらめに話さないよう注意はする。メールなら考える時間があるし、自分の言いたいことをまとめられる。それに、メールは主に口語なので気楽な文体でいいし、そのほうがよりいい。今はソーシャルネットワークのサイトはいくらでもあるのでメール交換ぐらいしてくれる日本に興味がある人はいくらでも見つかると思う。僕はコンピュータどころかメールアドレスさえもってなかった。メール交換する人がいれば励みにもなるはず。受信だけでなく英語で発信する意識的努力はさらに英語のための脳神経を踏み固めてくれると信じている。

語彙力は気にしない。
トイフルなどのテストを視野に入れているなら別だけど、コミュニケーションが目的なら単語力に躍起になることはない。日常会話で使われる単語の大部分が基本的なものだし、新しく覚えた単語が頭にしっくりなじむのには時間がかかるので長い目で見ればいい。

前置詞
日本で買った教材に前置詞の大切さを説くものがあったのを覚えている。図説でうまく書いてあるにもかかわらずその頃どうしてもピンとこず趣旨がつかめなかったが、こっちにきてしばらくした後その著者が伝えたかったことが分かった。それぞれの前置詞の体質が分かれば基本的な動詞で勝手に新しい英語を作ってもいいほどである。もちろん、動詞と前置詞の愛称はある。本屋で前置詞の本はあるはずなのでお勧めします。

継続
ぜんぜん上達しないと感じても続けること。成果が見えないと楽しくもなく飽きることもあるかも知れないけど、上達する直前まで来ているかもしれないし、上達はしていながら感覚できないほど微々たるものかもしれないし、感覚できるときに上達を感じるかもしれない。上達のカーブは緩やかでもその曲線を虫眼鏡でみると階段状になっていると思う。平らなところにいるときに投げ出さずふんばれば次のステップアップが待っています。