97年にヤマハはREASと呼ばれるシステムを発表した。なぜヤマハ、と思われるかも知れないが、ここには、車体剛性も含め、車のサスペンション技術、及びシトロエンのハイドロサス/ハイドラクティブを理解する上で、改めて参考になる情報が含まれている。
以下、関連情報をまとめておく。
開発者の弁
ヤマハ発動機のプレスリリース ※発表当時(97年)
技術発表論文 ※REAS及び発展形のXーREASについて
→「自動車シャシー技術の開発 X-REAS/パフォーマンスダンパー … 沢井誠二/坂井浩二 (印刷用:1100KB)」をダウンロードしてご覧下さい。
このシステムはコンベンショナルなバネサス車に特殊なダンピング機構を付加することで、車両姿勢を安定させ、走行安定性、操縦性、乗り心地などにおいて、必ずしも数値に現れない走行の「質」の向上を狙ったものである。実際にはトヨタ車(スープラやハイラックス・サーフ)において一部に採用されている。
この技術のポイントは、ダンピングにおける左右の相互作用であり、それを極めてシンプルに実現していることである。実際の作動図と解説を見てみると、ダンピング機能に的を絞ってはいるものの、構成としてはシトロエンのハイドラクティブサスに驚くほど似ている。
以前もC6の走りについて考察したことがあるが、その後も結局、ハイドロ・シトロエン独特のフラットなフィールは、何によって実現されているのか?という疑問が頭から離れなかった。そこで改めてDSやCXのハイドロや、XM以降のハイドラクティブに遡って調べてみた。すると、他の油気圧サスペンションシステムやアクティブサスにはないシトロエン独特の機構上の特徴をひとつ見つけることができた。それは、「関連懸架」である。
「関連懸架」というと2CVが有名である。2CVでは前後のサスが関連していて、小さな軽い車体でもピッチングを抑えることで極めてフラットな乗り心地を得ている。(乗ったことがないので受け売りですが)
(つづく)
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