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ガス化溶融炉の今後①

2024-06-16 07:10:29 | 理系オタク
ガス化溶融とは、一般廃棄物を熱分解し、生成された揮発性ガスと炭化物チャーをさらに高温で燃焼させて溶融する技術。
ダイオキシン類の発生を抑制し、廃棄物を減容化するとともに溶融固化物であるスラグも回収・リサイクルできるといった利点があるでつ。

ストーカ式の焼却施設で焼却灰を溶融・資源化する場合は、溶融施設等を併設する必要があるでつ。
そのため、ガス化溶融施設としてリニューアルする施設が増えてるでつ。
1980年代のダイオキシン問題や最終処分場の逼迫に伴う減容化・再資源化促進の潮流を受けて、2000年代に相当数の施設が稼動を開始。

キルン式、流動式、シャフト式などのガス化溶融方式があるでつ。
多くの施設で廃熱の回収・利用が進められており、溶融スラグは路盤材等として活用されているでつ。

1980年代以降、廃棄物焼却施設から排出されるダイオキシン類が社会問題となったでつ。
また、地域によっては最終処分場の逼迫が問題視されるるでつ。

このような中、焼却残さ中のダイオキシン類の低減、重金属類の溶出の抑制、減容化・有効利用が達成できる技術として、
溶融処理が注目されるようになったでつ。

これは、溶融処理を行うと、重金属を含む焼却灰や不燃物をスラグと呼ばれるガラス状の固化体に成型できるために、
焼却残さの減容化や有害物質の溶出防止につながるとともに、溶融によって生じたスラグを路盤材等にリサイクルできるからでつ。

さらに、1990年代後半、高温処理によりダイオキシン類を分解でき、ごみの保有するエネルギーを利用して溶融が行うことが
できるガス化溶融が注目され、メーカ各社の実証施設建設による技術開発・実証が進み、2000年代に入り本格的な導入が進みつつあるでつ。

1997年のダイオキシン類発生防止等ガイドラインの改訂において,焼却灰に含まれるダイオキシン類を分解できる溶融処理技術に注目が集まり、
同年のごみ処理広域化計画によって溶融炉建設に国庫補助がなされることとなったことから,一般廃棄物の溶融スラグ化が急速に広がったでつ。

1998年以降、焼却や溶融のみを行う施設は減少し、ガス化溶融施設の数が増加し続けているでつ。
2014年には全国で約100施設に達し、その後も伸び率は若干鈍化しているものの、2019年時点で100施設超を推移しているでつ。

ガス化溶融施設の種類を表1に示す。ガス化溶融施設は、ガス化と溶融を1つの炉で行う一体方式と別々に行う分離方式に大別されるでつ。
加熱方式には、廃棄物を熱分解する際に、高温のガスで直接加熱する直接式と間接的に加熱する間接方式とがあるでつ。
ガス化溶融設備は、この基本的な方式の中で、プロセスの内容によってさらに多くの種類があるでつ。

例えば、ガス化炉と溶融炉の加熱熱源として投入廃棄物のみを用いるもの、コークスや酸素または電力プラズマトーチを用いるものがあるでつ。
また、ガス化した燃料ガスを改質後に精製して再利用するガス化改質方式もあるでつ。

一方、通常の焼却炉で主流となっているストーカ炉では、廃棄物を傾斜した火格子の上に投入し、階段状の火格子に沿って流下させながら直接焼却。
廃棄物の前処理は必要ないものの、灰の溶融を行う場合には溶融設備を追加設置する必要があるでつ。

近代的なストーカ式焼却炉の運転は、欧州では1954年から、日本国内では1968年からの歴史を持ち、数多くの問題点の改善を通じて公害対策、
省エネ、安定運転を達成してきたでつ。

その経験に基づいて発展してきたガス化溶融炉は、日本国内の運転が中心で2000年頃から本格的に稼働するようになったものであり、
一層の公害対策、省エネ、安定運転が期待されるでつ。

ガス化溶融炉の技術的課題としては、溶融スラグ収率の向上、飛灰が配管に付着することによるボイラー閉塞問題、回収した飛灰処理費用の低減、
これらを踏まえた経済性の向上等の課題があるでつ。

国立環境研究所では、ダイオキシン類が排ガスの冷却過程において再合成される機構と生成上の特性を明らかにするために、
焼却およびガス化溶融炉施設で発生した灰を用いた加熱実験を行っているでつ。

この結果によると、灰中の炭素含有量が非常に低い範囲においても、炭素含有量とダイオキシン類の生成量との間に
ほぼ比例する関係が成立することが見出されており、炭素含有量から加熱下におかれた灰試料に起因するダイオキシン類の生成量を推定することが
可能となること、また、焼却炉の運転にあたっては、排ガス中の未燃炭素を抑制することが重要であることが示されているでつ。

溶融飛灰はこれまで重金属の溶出防止のための無害化処理が施された後に、埋立処分されることが多かったでつ。
溶融飛灰は有用な金属成分の含有量が高く、資源としての価値も高いことがわかってきたでつ。

国立環境研究所では、各種溶融施設から発生する溶融飛灰と貴金属やレアメタルの含有量が高い溶融メタルについて、
発生量や金属含有量、処理処分・資源化状況などの実態を早稲田大学環境総合研究センターに設置されている「溶融飛灰資源化研究会」と
共同で調査した結果を公表しているでつ。

その結果から、溶融飛灰や溶融メタルが今後の「都市鉱山」としての可能性をもっていることが明らかにされているでつ。
なお「溶融飛灰資源化研究会」は、ガス化溶融炉などから発生する溶融飛灰の有効利用を目的として、その資源化に関する研究を行っており、
ここで発信されている図7のような情報から、溶融飛灰の受入量や再資源化プロセスなどを知ることができるでつ。
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