Full-Tone

女性建築士・ふるとちかこの徒然なるままに

ドライブ・マイ・カー

2022-03-29 11:49:12 | 映画

ドライブ・マイ・カーの話題でもちきりですね。

昨年、公開後間もなく観ました。

盛んに報道されているから、

見ていない方もあらすじはなんとなく…と、思いますが、

長いけれどご覧になって!

村上春樹氏原作の【女のいない男たち】に納められている短編が、

3時間の長編となった作品。

その3時間が長く感じない不思議な魅力ありました。

原作から、どのように思いを膨らませるとこうなるものか、

その演出、脚本は見事としか言いようがない作品と思います。

俳優さん達が秀逸なのは、言うまでもありませんが、

とにかく映像が美しいし、陰影効果も巧みだなぁと、素人でも感じました。

中でも、話の展開や背景に道路、トンネル、橋梁などの構造物や

御手洗の湊町、国際会議場など、建造物が巧みに使われていることが印象深い。

特筆したいのは、主人公の専属ドライバーになった女性が、

その生い立ちを語る場面で背景に使われているのが、

広島市のゴミ処理場・環境局中工場、設計は谷口吉生氏。

苛酷な幼少期から少女時代を語る時、収集車がピットにゴミを投げ入れ。

再生の日々を語る時、排ガスや灰を処理するラインが背景となり。

更に現在を語る時には、瀬戸内の海が陽光に照らされる。

口調は淡々と進むのですが、

無機質な構造物、有機的な空間、そして自然の景観へと、

説得力のある場面だと思います。

と言うか、この映画のこのシーンに、この建物を採用しようって、

そういう引出があるって、すごいなぁ。

再々上映されているので、もう一度観に行こうかしら。

@ふると


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スタ★レビ 八戸公園 | トップ | プラゴミ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事