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女性建築士・ふるとちかこの徒然なるままに

初心に帰る

2014-02-28 19:19:49 | 日記・エッセイ・コラム

大安吉日の本日。

協力事務所として動いてきた、障害者ケアホームの引き渡しでした。

計画がスタートしたのは、一昨年のことになりますから、

とっても長い期間だったはずなのですが、

終わってしまうと、あっという間に出来上がった感があります。

使い勝手重視でシンプルな作りで、すっきりと清潔感のある仕上がりになったと思います。

今日の引き渡し・取扱い説明の途中、細かいところを見て歩いて、

戸当たりが不足している所、可動棚の動きが悪いところ、

室名札の取り付け位置など最終確認。

こういう場面でいつも思い出すのが、かつて勤めた設計事務所の所長の言葉。

「現場は生きている」

着工から完成まで、毎日少しずつ成長していく過程を目を離しちゃいけないと。

適切な工事が行われているか、監理を怠るな・・・なんて当たり前のことですが、

「生きている」と例えたところが、今も心に刻まれてるわけです。

長くこの仕事に携わっていると、建物は生き物だと思うことがしばしばあります。

手をかけて作った建物は長持ちするし、大事に使ってもらえてる。

工事中にイザコザがあると、

引き渡し後に不具合やトラブルが発生することが多い 。(・・・ような気がします。)

物にも心があるということでしょうか・・・。

どの建物も建築主にとってはオンリーワンのものだから、

設計監理者も施工者も、工事をすることに慣れてはいけません。

(経験値は大事ですけどね)

細かいところも、クライアントの気持ちになって、しっかり納める。

優しい気持ちで丁寧に造られた建物は、穏やかに過ごせる建物になると信じています。

@ふると

コメント (6)
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