ブリキ屋

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安倍政権のレガシー(1)

2020年07月19日 | 政治

こんな恐ろしい事を進める政権だと知っていたらあなたの1票は違っていたかもしれません。
今からでも遅くはありません。
正しいご決断を。

2022年、教科書から高校の道徳がなくなります。
代わりに登場するのが公共。
基本的人権の尊重、平和主義、国民主権は軽んじられ国家による基本的人権の侵害を容認します。

規則の尊重と遵法精神喚起 
 安倍内閣のもとで小中学校の「道徳の時間」が「特別の教科 道徳」に変わり、「評価」の対象となり2018年度から小学校、2019年度には中学校で授業が始まります。
 高校では新学習指導要領が2022年から学年進行で実施されます。日本史と世界史を統合した「歴史総合」、高校版「道徳」とも言えそうな「公共」など新しい科目が設置されます。
 日本のアジア諸国への侵略戦争を、「外国の植民地支配を日本が解放した」と歴史を改竄されてもあなたは気づきません。
 子及び孫にはそれが真実と映ります。

 「道徳」でいえば小学校1年から中学3年まで「集団や社会との関わり」で、最初に出てくるのは規則の尊重と遵法精神です。
 内容を吟味しないで、ただ従えというのでは、子どもの判断力は育たず、ましてやその上に愛国心を置かれては、政府の言うことには逆らえません。

 元文科省事務次官の前川喜平さんは、第一次安倍内閣の06年の教育基本法「改正」は憲法改正の前段、露払いという位置づけがされたと指摘し、4月から始まる道徳の教科化について「これを契機に子どもたちの心の中に権力が入っていく危険性が高い」とも述べています。

 道徳の教科書や新学習指導要領を見ると、個人の尊厳の軽視や国家を超えた「世界」「人類」「地球市民」といった広がりのある視野の欠如という欠陥を挙げています。
 さらに自民党が国会提出を目指す「家庭教育支援法」についても、「子どもにこう接しなさいと命令するような法律」と重大な懸念を述べています。

 児童の内面にまで入り込む
 戦後、教育基本法が発効したのは憲法よりも早く、教育が憲法を支えるばかりでなくお互いに補完し合う関係にある旧教育基本法を安倍内閣は潰したかったのです。

 日本国憲法の三大原則は、基本的人権の尊重、平和主義、国民主権です。自民党の「日本国憲法改正草案」では、憲法13条の「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由、及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」を自民党案は「個人」を「人」とぼやかし、「公益及び公の秩序」つまり国家や社会の秩序を優先し、国家による基本的人権の侵害を容認します。

 道徳の教科化に対して、高校現場ではやや遅れて始まるので危機感が薄いです。
 今年の4月から導入される小学校では、ほぼクラス担任が道徳も担当。
 高学年では英語の授業もスタートするので相当な負担となります。
 そのため中学校から英語の先生が小学校へ異動するケースも多く見られます。  
 道徳教科の評価は児童生徒一人ひとりについての記述式となっています。
 当然、発表や文書を書かせたりする場面が増え、担当者も大変なだけでなく、児童生徒の内面にまで入り込んできます。

 道徳をなぜ教科として取り扱うかの新学習指導要領の解説書では「グローバル化が急速に進んでいて、広い視野から物事を多面的・多角的に考え主体的に判断し実行していく力や、国際社会の中で調和的に対応できる高い倫理観を有するため」と同時に「いじめ問題」の解決のためと、うたっています。

 「物事を多面的・多角的に考え、主体的に判断し実行していく」など納得できそうな文章もちりばめられていますが、「多角的」とはなにかと文章を読んでいくと「例えば多角的とは歴史的事象を異なった立場から見ることである」となっていて、安倍首相の戦後70年談話での日本のアジア諸国への侵略戦争を、「外国の植民地支配を日本が解放した」と述べていることに繋がってきます。

 さらに「いじめ問題」をどう解決するかといえば、千葉県教育委員会発行の手引きによれば「子どもたちの道徳性や道徳的実践力を高めていくためには、家庭、学校、地域、行政が、それぞれの役割を果たすとともに、互いに連携協力していくことが大切です。

 特に家庭教育は、すべての教育の出発点であり、親は自らの行動を通して、基本的な生活習慣をはじめ豊かな情操、基本的な倫理観、自立心など、子どもの基礎的能力を育てていくための重要な役割を担っています」とあるように、社会的・経済的な背景を無視し、「多様な価値観」や「個」を捨てさせ、家族・地域から「異端者?」を出さない組織作りで対応しようとしています。

 とても憂慮すべき改定です。安倍教育策動を許してはなりません。(木村二郎さん著)



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