第56回「銀行再生に魔法の杖はあるか」(その2)
銀行経営は、戦術的には色々有るかもしれないけれど戦略
的に決め手が無いのですかね。ある商品を売り出したら
10年とはいわなくても5~6年位は営業に専念すれば業
績が付いてくるような時代は終わったような気もする。い
や、有るかもしれないときちんと考えることも必要だが。
ペースの速いマラソンをしているというか、ゆとりは無い
ですね。体力は削がれていくし。
筆者もまったく同感だ。特に日本の金融マーケットは、
次のとおりアメリカとは大きく異なることを認識すべき
である。
(1)日本では圧倒的に間接金融市場が大きいため、日本
の銀行が90年代の米銀復活のように証券市場進出で活路
を見出すことは困難。
(2)(1)に関連し、米銀はヘッジファンドなど多様
な金融商品に自己投資しているが、わが国の銀行が貸し
出しと国債以外に有力な資金運用対象を見出すことは困難。
(3)郵貯や政府系金融機関などが国内の金利体系を大
きくゆがめており、収益の柱である貸出市場で適正利ざ
やを確保することは困難。
(4)米銀の収益の柱である消費者金融の分野は、日本で
はすでにクレジットカード会社や消費者金融会社にノウハ
ウを握られており、銀行が独自に進出することは困難。
(5)しかも、わが国の国民が消費や借り入れについてき
わめて保守的なため、消費者金融市場自体の規模がアメリ
カに比べて圧倒的に小さく、新規開拓の分野を見出すこと
も困難。
特に(3)の政府系金融機関の存在は問題だ。この歪ん
だ金利体系が存続する限り、日本の大手銀行がどんなにリ
ストラや合併を進めても、欧米の銀行のような高い収益率
を達成することは困難だろう。
出典(部分引用)http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/colCh.cfm?i=t_yanai56a
銀行経営は、戦術的には色々有るかもしれないけれど戦略
的に決め手が無いのですかね。ある商品を売り出したら
10年とはいわなくても5~6年位は営業に専念すれば業
績が付いてくるような時代は終わったような気もする。い
や、有るかもしれないときちんと考えることも必要だが。
ペースの速いマラソンをしているというか、ゆとりは無い
ですね。体力は削がれていくし。