久しぶりに現代小説の話を拝聴できました。
前に書いてあるように、オランダの作家ノーテボームということで、どんな作家か、興味津津でした。
そもそもMilton研究家の笹川渉さんは、
Cees Nooteboom のLost Paradiseという作品がミルトンと関係がありそうな所から、
丁寧に、オランダ語の原書まで読まれ、
ミルトンの受容という観点から(ベンヤミンへの言及も含め)
様々なことについて語ってくださいました。
セース・ノーテボムは、日本語訳も出ているようです。
『これから話す物語』 (新潮・現代世界の文学)、1996年刊。
勉強不足でした… 。
<発表内容>は次のとおりです(シラバスより)。
1.序論:作家紹介
2.『ロスト・パラダイス』の粗筋と『パラダイス・ロスト』との平行関係
a.プロローグ b.第一部 c.第二部 d.エピローグ
3.『ロスト・パラダイス』の歴史と時間
4.結論
この作品は、2000年にオーストラリアで行われたThe Angel Projectという
演劇のプロジェクトから刺激を受けたもののようで、
アボリジニの神話世界と西洋の対比などから時間論にまで至る話で、
ノーベル賞候補の作家が書いた現代小説を読む
愉しさを教えられた気がしました。
それにしても、ミルトン研究家がここまでやっているとは、またも脱帽せざるをえませんでした。
その夜は、いい話を聞かせていただいたせいか、
ついついお酒がすすみ、梯子酒となって、
最後はホヤのおいしいお店で仕上げました。