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QT Lab.品質・技術研究室

技術者のための品質工学、品質管理、統計学、機械設計、信号処理を
解説します。

基本統計量をイメージする

2016-02-06 14:33:35 | 技術・エンジニア

 会社の新人が品質管理検定を受験したいということで、業務中に1日あたり
30分、統計学を指導しています。

 平均は小学校からみっちり教育されているので、計算することはできるのですが
平均を計算する目的が理解できていませんでした。

 また、標準偏差、まして、分散はその目的はもちろん、計算方法もよく知りませんでした。

 ばらつきを分散という2乗の情報で活用する目的はふたつで、2乗情報に展開する
ことで、平均の情報とばらつきの情報に分解できること、そして、分散の加法性です。

 統計学の目的は、調査や研究の対象である母集団からサンプルを取りだし、
基本統計量などを計算することで、母集団の姿をイメージすることです。

 そこで、下の図をつくりました。

 右の立体がイメージするべき母集団の姿です。この姿を作りだすために
底面の円を作図する必要があります。
 平均とは、コンパスの針を刺す位置です。
 標準偏差とは、コンパスの開き、つまり、円の半径です。
 そして、分散は描かれた円の面積になります。
 その円形底面を基準にして粘土をねりあげ、右のような立体を作りだします。

 このコンパスで円を描くイメージで基本統計量を説明でき、さらに、
分散の加法性や中心極限定理も解説できそうです。

 

 

 

 


品質問題にたいする企業の対応

2015-12-05 15:28:31 | 技術・エンジニア

3週間ほど前、私も妻も毎日かかさず使っている電気製品が壊れました。
これがないと日々の生活ができない、というものではないのですが、
偶然ネット上でその後継機種をタイムサービス販売していたので
すぐに購入しました。

故障したモノは購入後2年半たっているので、無償修理も無理だろうと思い
あきらめることにしましたが、その故障が事故につながる可能性があるため
メーカーに知らせなければ、と連絡をいれました。

すぐに、引き取りにきてくれました。そのとき、故障に至った状況などを
文章にまとめたものも一緒に渡しました。

昨日、メーカーから無償修理が完了したとの連絡がありました。
こちらとしては、そのようなことをしてくれるとは、全く予期していなかったので
おどろきです。

当方がその製品の使い方に間違いがなく、故障の原因はメーカー側の
問題であることを確認、理解してくれたのでしょう。

以前よりこのメーカーのファンでしたが、より一層親しみが強くなりました。

さて、先日誕生日をむかえ57歳になりました。
昨日は誕生日を近所の馬刺し屋さんで妻が祝ってくれました。
いつものように、いろいろな部位を刺身でいただきました。

そして、以前の大好物、ご禁制となって3年たち、もう永久に味わうことは
できないとあきらめていたレバーの刺身をいただけたことです。

牛、豚はもう食べることはできないのですが、馬のレバーは全く問題がなく
今でも食べることができるのです。
多少値段ははりましたが、2皿ぺろりでした。

さて、本日もウォーキング、57歳になっての初ウォーキングということで
山下公園からさらにさきにある 『港のみえる丘公園』 まで足を延ばしました。

のぼりの階段がきつく、57歳という年齢を実感しました。


日の出20分まえのベイブリッジです。



建築モデルのようにみえる夜明け5分前のみなとみらい地区


特設スケートリンクと赤レンガ倉庫


『港の見える丘公園』 から望むベイブリッジ


『港の見える丘公園』 から山下公園方面をながめる



 


最高の一日

2015-10-30 21:26:00 | 技術・エンジニア

本日、有給休暇を取得して日本ナショナルインスツルメンツ社様主催の

NIDays2015に参加してきました。

なんと、Dブースのセッションのトリを務めさせていただきました。

発表内容は「品質工学のMT法を応用した信号監視の検証」です。

セッションD会場では100名近い聴講者方々に私のお話を聞いていただけました。

さらに、10名以上の方と名刺交換をさせていただきました。

私の発表に多くの方がご興味をもっていただけたようです。

このような機会をあたえてくださいました日本ナショナルインスツルメンツ(株)様

特に、懇意にさせていただいておりますO様には、ほんとうに感謝申し上げます。

私の発表がすこしでも皆様のお役にたてればと思います。

O様のお話では、講演後名刺交換の列がこれほど多かったのは初めて
とのことでした。来月は攻守ところをかえて、O様のパシフィコのご講演を拝聴する
予約をしてありますからね。

また、会場には、何人かお見知りおきしていただいている方々もお越し

いただきました。とてもうれしく、はげみになりました。

今後ともよろしくお願いいたします。

実のところ、私の会社では全く関連しない業種の方ともお知り合いになれたこと

とてもうれしかったです。

来年講演させていただけるように、日々の精進を決意した今日でありました。

なにか、とても高揚した気分なので、妻を先日の馬刺し屋さんにさそったのですが
都合がつかず帰り道にひとりで寄ってきました。

馬刺し、いつ、何度食べても、チョーオイシイ!

そして、そのあと、ラーメン屋さん(末廣家さん)によって贅沢をしました。

こちらもチョーおいしい!

 


株式会社 井口一世とは・・・

2015-10-10 07:49:17 | 技術・エンジニア

昨日は、QEF埼玉と埼玉県が主催した『QEF埼玉20周年記念講演会』に参加しました。

講演をしてくださったのは「株式会社 井口一世」の井口一世社長です。

その内容が、私の技術哲学ととても近く感じられ、さらに、明確なことばで
表現されていて、とても感動しました。私がことばにできず、もやもやと
いだいていた意識でした。

「ものづくりは技術・技能ではない。sience (科学)である。」 まさに自分が常々
思っているとおりのことば、特に強く響きました。

また、「株式会社 井口一世」が生産している商品の機能・品質のすごさ、おどろきです。

その源泉が社員にあること、当然、社員になられた方のもともとの素質のたかさが
あるからこそですが、その素質を見抜く社長の目と選抜方法にもおどろきです。

また、最高のもの(機能・品質)は最高の設備がなければ手に入れられないことも
再認識しました。

ご講演後に同行された社員の方々とお話しさせていただいたのですが、とても
「きらきら」されていました。働き甲斐ということを再認識しました。

捕鯨でつかう『尖頭もり』も話題にでて、このことばを口にしたのは、数十年ぶりです。

実に充実した時間を過ごすことができました。

さて、帰りに地元駅の裏路地にひさびさに足を踏み入れると「馬刺し」なる文字が
したためられたお店が・・・吸い寄せられるように入店、馬刺しを堪能しながら
これまたひさびさに豪快に飲みました。

このお店、また、行こう。


視点を変える その2

2015-08-17 08:21:52 | 技術・エンジニア

視点を変える その1』 では、バーコードリーダの読み取り不良を、自分の目をバーコードリーダの受光センサに置き換えることで問題を解決できたことを書きました。

今回は、もうひとつ、視点を変えたことで解決できた問題について書きます。

20年以上前ですが、スクラバー(床面洗浄機)の設計をしていました。スクラバーとは、
洗剤液をまき、パッドというナイロン製の不織繊維の円盤を回転させて床を洗いながら、
汚れた水を回収することで、床をきれいにする機械です。ときどき、駅のコンコースなどで
みかけることがあると思います。

このスクラバーの床を洗うモーター動力を下げる研究をすることになったのですが、
そのためには、床に接触させた円盤の回転による洗浄理論を追及する必要がありました。

スクラバーを手押しする人の移動速度で直進運動させるのが基本です。この直進運動と
円盤の回転、そして、押しつけ力を合成したものが物理的な洗浄力になります。
当然、洗剤による化学的洗浄力も洗浄に寄与しますが、まず、物理的な理論式をつくることを
考えました。

どのように物理洗浄メカニズムをモデル化するか?かなり悩みました。結果として、押しつけ力と
パッドが移動した長さの積が洗浄力という仮説をたてて、理論式を導くことにしました。

では、どのようにパッドの移動した長さを求めるか?ここで、自分が床についた一点の汚れに
なればよい。そして、自分のうえを通過するパッドをながめると、どのように見えるか?という
ように視点を変えてみました。

その結果、ある螺旋の方程式を導くことができ、この方程式をみちのり積分することでパッドの
移動長さを計算することができるようになりました。

そして、スクラバーの移動方向と直角方向のパッド半径の各位置でパッドの移動長さを、
パッドの「回転数」 と スクラバーの 「移動速度」 をパラメータとして計算できます。

さらに、その計算結果と実験の結果がほぼ一致することも確認できました。

理論式を手に入れたことによって、今までよりも20%程度、モータの動力を低減することが
できました。

なつかしい思い出です。