Presented by グレープス.com and スズキ美容室.com
and スズキ美容室・訪問サービス.com (長野県飯田市)
今日は、まず、
「そもそも訪問美容って、なんですか?」
という、いまさらながらのテーマにあえて立ち返って、 ※1
◆ 訪問美容を、美容師の業務内容という視点から、
お客様方にも、少し深堀りしたところまでお付き合いいただきながら、
理解を深めていきたいとおもいます。
さて、
「外出が困難なシニアのお客様に対しての訪問美容」と、ひとくくりに言っても、
美容室側から見ると、「その業務の幅は、たいへん広い」と言えます。
その広い幅の一端が、
①「一時的に外出が困難な状態でも、回復の見込みがあって、自立的な生活を前提として、ヘアスタイルをデザインされたいというお客様」
へのサービスてす。
そして、その逆の端は、
⑩「寝たきりの生活をずっと続けなくてはいけない、重度の要介護状態での生活を前提としたヘアスタイルが必要とされるお客様」
へのサービスということになります。
美容師さんが、「わたし、訪問美容担当しています」といっても、
それが①なのか⑩なのか、それともその中間くらいの位置、⑤にいらっしゃるお客様を担当しているかによって、
求められるスキルが大きく異なります。
①のお客様のケースでは、言うまでもなく、サロンと同様の美容の能力が求められます。
一方、
⑩のお客様のケースでは、サロンでの美容の能力に加えて、全く別の対応能力が求められることになります。
なお、
この⑩に該当するお客様の割合は、 訪問美容を必要とされるシニア層全体のおよそ2割と言われています。 ※2
そしてそこに、
「寝たきりではないけれど、重度の介護状態で、通常の着席でのカットなどが難しいお客様(上記の数字に当てはめると⑦⑧⑨くらいの位置のお客様)の割合が加算されます。(プラス1から2割ぐらいでしょうか?)
訪問美容を必要とされるシニアのお客様の3割から4割にあたる、この重度の要介護状態のお客様への美容サービスには、
「介助と接遇の知識」と特殊カット(仮にバリカン ※5 を使ったとしても、美容師らしい「似合わせ」デザインを造る)のノウハウが必要不可欠となります。
「スズキ美容室訪問サービスの特設サイト」でご案内させていただいています、
LLP全国訪問理美容協会での技能講習や
同協会理事長の経営される会社が美容の業務委託を受託されている医療・介護施設様での実地研修へ
当店スタッフが参加させていただいている目的は、
この部分についての最新の知識・情報の習得とスキルアップを図るためのものなのです。
◆では、本題のリクルートさん主催の「訪問美容セミナー」に話題を戻します◆
今回のセミナーで講師を務められたのは、
NPO法人全国福祉理美容師養成協会(ふくりび) 理事長 赤木勝幸先生と同協会事務局長 岩岡ひとみ先生でした。 ※3
「ふくりび」のお名前の通り、訪問美容の中でも、とくに福祉という視点でサービスの設計、人材育成を進められています。
グッドルッキングでファッショナブルな第一印象の理事長の赤木先生ですが、この道で豊富なキャリアをお持ちで、
そのお仕事ぶりは地道です。ハンディキャップをお持ちの女性を美しくしたいという信念に貫かれた真摯な姿勢が印象的でした。
「ふくりび」さんを、 前述の、訪問美容分野のチャートに配置させていただくとすると、そのポジションは⑩に近いポジションに位置するものと思われます。
間違いなく、重いハンディキャップをおもちのお客様に対してのサービスのエキスパートとお見受けしました。
◆「明日から始める訪問美容」◆ と名づけられたこのセミナーで、
参加者の多くが、ファッションや最先端のデザインを売り物にする都心のトップスタイリストさんという構図で、
その参加者の多くが狙う訪問美容のポジション (たぶん①~⑤くらいの位置) とは、
チャート的に真逆に位置すると思われる、福祉に特化したこの先生を講師に配置した主催者のキャスティングは、
当日は、ミスマッチではないか、と思うほど大胆なものに感じたので゛すが、
今思えば、
のちのち、これがきっかけで、「新しい訪問美容の潮流が発生した」
などと回顧されるような「化学変化」が、起こっていたような気がするのは、私だけ?でしょうか…
つづく。
※1 「訪問美容とは?」⇒ お客様へ、通常のご案内をさせていただく場合は、 こちら になります。
※2 「シニアのお客様への訪問美容のなかに占めるベッドカットのお客様の割合は2割」
~ 全国訪問理美容協会の研修会での訪問美容業最大手さんからのレクチャーより。
※3 NPO法人全国福祉理美容師養成協会(ふくりび)
「ふくりび」さんが、もうひとつの看板事業とされているのが、「がん患者へのアピアランスサポート」です。 ※4
現在、定説が定まっているとは言い切れない、まだまだ未知の要素が多いこの分野で、美容の立場からできることを、独自に研究・提案・提供され、
業界をリードされています。
愛知県に本拠地を置かれる「ふくりび」さんは、
名古屋市の「愛知がんセンター」前に、ウイッグとネイルを中心にしたコンセプトサロン (「アピアランスセンターあいち」)を開設されています。
◆「ふくりび」赤木先生、岩岡先生の共著
※4 「アピアランスサポート」
外見的なハンディキャップを克服するためのサポート。
美容業界、医療業界によって研究、提言がなされています。
当美容室 (スズキ美容室/美容室グレープス/ヘアサロン丘の上ゆず花) のアピアランスサポートへの考え方、
「これまでの実績」、「ご提供可能なサービス内容」につきましては、あらためてご案内させていただきます。
※5 バリカンを使用したカット
お客様のコンディションから、カットのための体位変更とその維持に困難が伴う場合は、バリカンを使用させていただいています。