★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

あの下宿から

2021年11月22日 09時40分48秒 | 徒然(つれづれ)
 八幡前の学生下宿は、駅から3、4分の二階建てで、一階と二階に、四畳半の部屋がそれぞれ4つずつあった。
 それぞれの部屋には、京都のいろんな大学の学生が入っていたが、挨拶程度でほとんど付き合いはなかった。

 風呂、トイレ、台所、冷蔵庫、洗濯機、電話は共同で、風呂は月水金で、土日や火曜、木曜に入りたければ、京福電車で2駅の修学院の銭湯へ行っていた。
 トイレはもちろんポットン便所だった。

 私の部屋は玄関のすぐそばで、電話番も兼ねていた。
 部屋の中央にはコタツが陣取り、その上に14型の白黒テレビが載っていた。
 寝る時は部屋の隅にずらし、布団を敷いていた。

 学習机は小物置きと化していた。
 その横には、大学の生協で買った、パイオニアのコンポーネント・ステレオがあった。
 衣類はファンシーケースで事足りた。

 そんな狭い部屋だったが、徹マンをして男4人が寝ることもできた。
 下宿の近くには、飲食店や地元スーパー、本屋、床屋、歯医者などもあり、それなりの生活が送れた。

 一応、4回生まではそこを拠点に、河原町や大学周辺、友達の下宿などを足繫く行き来していた。
 留年の5回生になると、友達はほとんど卒業していなくなり、下宿の四畳半に引きこもる、昼夜逆転の、青春の浪費の日々が続いた。
 

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