イネ科オオカニツリ属「チョロギガヤ(丁呂木茅)」。 オオカニツリ(大蟹釣)の変種で茎の根元の節間が小球状に肥大し“チョロギ”のような形状になる。オオカニツリはヨーロッパ原産の牧草で明治時代初期に“トールオートグラス(tall oatgrass)”の名で移入したものが逸出して各地で帰化している。草丈は60~120センチで5~6月に長さ20センチほどの円錐形の穂を出して2小花からなる長さ2センチほどの小穂をまばらに付ける。これは下柚木地区の路傍のもので当地の専門家のU氏にこの存在を教えてもらった。そのユニークな根の姿は明日に。
高尾山“6号路”で見られる「セッコク(石斛)」。ラン科セッコク属の多年草で東北地方以南の暖温帯の樹木や岩の上に着生し5~6月に直径3センチほどの白~淡紅色の花を咲かせる。高尾山系では各所で見られ、高尾山ケーブルの清滝駅や高尾山駅ではホームの樹に着生しているのが見られる。写真は“6号路”の谷の高木のスギの枝に着生しているもので、下を向いて歩いていると気付かない。“6号路”ではこの辺りに『見上げてごらん』の案内板がある。
『見上げてごらん夜の星を』
作詞:永六輔 作曲:いずみたく 歌:坂本九 昭和35年
(JASRAC許諾期間終了のため歌詞省略)
鑓水小山緑地の野原に生えている「オランダミミナグサ(阿蘭陀耳菜草)」。ナデシコ科ミミナグサ属の越年草でヨーロッパ原産。日本には明治時代末期に渡来したとされている。全国各地に拡がっており、秋に発生し翌年の3~5月に開花する。在来種のミミナグサは茎が暗紫色掛かり花柄は萼片よりも長くなる。
高尾山”6号路”で見掛けた白い物体。これは「ギンリョウソウ(銀竜草)」が出始めたところでいわゆる赤ちゃんの姿。おそらく2〜3日後には立派な竜になっているのだろう。ギンリョウソウはツツジ科(←ギンリョウソウ科・イチヤクソウ科)ギンリョウソウ属の多年性菌従属栄養植物で葉緑素を持たず外生菌根菌(他の植物の根と共生するカビの一種)を分解して栄養供給を受けている。