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ヤマグワ・1~葉痕

 浅川の河川敷に生育している「ヤマグワ(山桑)」。北海道~九州の低山に生育する落葉低木で、かつては養蚕のためにマグワとともに広く栽培されていた。その昔、八王子市は桑都(そうと)と呼ばれておりこの一帯は絹の一大集積地だった。一昨年には文化庁が認定する”日本遺産”に八王子市が申請していた『霊気満山 高尾山~人々の祈りが紡ぐ桑都物語~』が選ばれた。鑓水地区には”絹の道”と呼ばれる道が残っており、江戸末期に横浜港が開港されると輸出のためにこの“絹の道”を通って横浜方面へも出荷された。これを扱う鑓水商人が繫栄したが、明治22年の甲武鉄道(現:中央線)や明治41年の横浜鉄道(現:横浜線)の開通により、鑓水商人は坂道を転げ落ちるように終焉を迎えた。写真の葉痕には悲しそうな顔が見える。
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ホシザクラ・1~冬芽

 八王子市、町田市、多摩市の一部に生育している「ホシザクラ(星桜)」。萼片が直線で描いたような星型に見えることから名付けられている。マメザクラとエドヒガンとの自然交雑種と考えられており個体数は約180本しか確認されていない絶滅危惧種。3倍体のために種子が出来ないが挿し木等で増やそうとしているようだ。写真は冬芽で芽鱗にはエドヒガンのような毛は見られず、マメザクラの形を受け継いでいる。ホシザクラには同名の栽培品種があり混同を避けるために今は「タマノホシザクラ(多摩の星桜)」と呼ばれている。
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