マメ科のヤハズノエンドウです。
本州から四国、九州に分布するつる性の1年草、または越年草です。
日当たりの良い草地や空き地で見られます。
茎は分岐して近くの草や物にからみ立ち上がります。
近くに何もなくとも自分で30センチか50センチに立ち上がり、密生します。
葉は互生、3から7対の小葉を持つ羽状複葉、葉の先端は巻きひげになります。
小葉は細長い卵形、周りはなめらかで先端がへこみます。茎や葉には細かい毛が生えています。
小葉の先が弓矢の矢筈(やはず、弓のつるを受ける部分)ににているエンドウ豆なので「ヤハズノエンドウ」とよばれるそうです。
葉の付け根から花が数個さきます。マメ科の蝶形花です、花の付け根側は細長い筒形で萼に覆われています。
花弁の先は5枚に開きます、上側に大きな旗弁が立ち上がります、白色からうすい紅色で紅色の線が入ります。
花の前側は、紅色の側弁が2枚あり左右から竜骨弁をはさみます。
雄しべ5本と雌しべは竜骨弁の中にあります、長い花糸で入り口付近までのびます。
花の蜜は筒状になった花弁の奥にあるので、頭を入れると入り口付近で花粉が体に付く仕掛けです。
種子はサヤの中につくられます、サヤが真っ黒なので「カラスノエンドウ」とよばれる説もあります。
種子や未熟なサヤは、古代には食用にしていたそうです。