ダージリンは、世界三大銘茶の一つで、“紅茶のシャンパン”と称せられています。
ダージリン地方はインド西ベンガル州の最北端、東ヒマラヤ連邦の高地に有り、
高原の奥には、イギリス領時代に避暑地として開発された市街もあるそうです。
この地方で作られる紅茶をダージリンといいます。
昼夜の寒暖の差が大きく、そのために発生する霧ときれいな空気が
ダージリン独特の味と香りを醸し出します。
ダージリンは、春夏秋と年に3回のクオリティーシーズンがありますが、
なかでも5月から6月に収穫されるセカンドフラッシュは、味コク香りともに最も充実していて、
世界中に愛飲家も多く、上質なものにはマスカットフレーバーと呼ばれる芳香と果物のような美味しさが有ります。
生産量が少ないため高値で取引されています。
尊敬する飯田深雪先生1903~2007 (料理研究家、アートフラワー、テーブルセッティング・・・、著書多数、イギリス大使夫人)は
ケーキやteaの授業の後、いつも自ら紅茶を丁寧に淹れてくださっていました。
第二次大戦が勃発したころ、ヒマラヤ中腹の別荘地で飲んだダージリンの味と香りが抜群であったこと、
なんとも魅力的でゾクゾクする程楽しまれたことなどを、よくお話されていました。
素晴らしいお茶でしたことでしょう。
その頃は、地球温暖化、自然破壊、異常気象・・・この様な言葉さえ無かったに違いありません。
先生が別荘地で飲まれたヒマラヤの、自然の恵みに満ちた香り高い紅茶は、今では“まぼろしの紅茶”となりつつあります。
この夏の猛暑!昨今の環境汚染は深刻ですね。
自然が正常なバランスを取り戻すようにするには、どうしたら良いでしょうか・・・
せめて環境破綻に加担しないよう心がけたいと思います。 BLACKTEA 藤川