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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

彼女、お借りします 第151話 『嘘と彼女④』 感想2:なぜ『かのかり(彼女、お借りします)』は、いまいち人気がないのか?話題にならないのか?

2020-08-07 06:56:17 | かのかり
こう問いたいのは、多分に同じマガジンに掲載されているのに『五等分の花嫁』があそこまでブレイクしたのに、『彼女、お借りします』はどうして?、ってことなんだけど。

といいながら、人気が出ない理由は、いくつかすぐに思いつくのだけどね。

まず、和也がキモい、クズい。

で、千鶴が、度を越して「デレ」が来ない「ツン」すぎる。

にもかかわらず、物語の構成としては、千鶴の一択、が99%決定していること。

つまり、この物語は、和也と千鶴がどう結ばれるのか、その過程を描く、ということが、ほぼ確定しているようにしか見えないこと。

あからさまな出来レース。

なので、千鶴以外のヒロインがすべて千鶴の引き立て役にしかなっていない。

まず、瑠夏ちゃんは「彼女(仮)」として猛烈アタックを和也にしかけるものの、和也からはあくまでも「仮免」扱いしかされない。

しかも「彼女(仮)」という位置づけ自体、千鶴が和也に求めたものでもあるところが難儀で、もはや千鶴が和也に対する「恋心」を意識する上での障害にしかなっていない。

次に、墨ちゃんは、和也への好意を全く伝えれられていない。彼女が不幸なのは、出会いが「レンカノ」の練習だったこともあり、和也から見たとき、墨ちゃんの好意は「レンカノ」の延長としか理解されていないこと。

といっても、この墨ちゃんに対する和也の理解は、正直、朴念仁と言われてもおかしくはないくらい。ほとんど、「難聴主人公」と言ってもいいレベル。

で、最後に麻美だけど、彼女の場合、小悪魔を通り越してただのビッチに堕ちてしまっていて、単に千鶴に対してネガティブな茶々を入れる人物にしか見えない。

といっても、和也の「元カノ」であることは事実であり、一ヶ月とはいえ、彼女がどうして和也と付き合う気になったのかは、(まだ)作中では明らかにされてはいないのがどうにも気になる。

なので、麻美の場合は、最後にワイルドカードとなる可能性もあるのだけど、今のところ、というか、映画製作編に入ってから、まったく音沙汰が無いので、このままフェードアウトでもいいかな、と。

ただ、原作の方では、この映画製作の最大にして唯一の理由であった「小百合おばあさんに千鶴が女優となった姿を見せる」ことが、小百合の急死(ほぼ確定)で非情に慌ただしく終わってしまったため、気分的には、凧の糸が切れてしまった状態に近い。

なので、小百合の死を迎えて困惑する和也と千鶴の前に、空気を読まない麻美が再び現れる可能性も高い。

というか、映画製作は夏休みの出来事だったので、休みが明けて大学が始まったところで、麻美がなにか仕掛けてくる可能性は高いかも。

とまれ、和也を巡るヒロインたちの位置づけはこんな感じ。

ちなみに、八重森については、和也のヒロインというよりも、マジで「面倒見のいい後輩」のポジションで、役割的には、思わぬ膠着状態に陥ってしまった、つまり「こじらせてしまった」和也と千鶴の関係に、作中で公然とツッコミを入れ、なんとか打開させようとする人物なので、和也とのあいだで恋愛感情が発生することは多分ない。

むしろ、いよいよ和也と千鶴が結ばれる、という段階になったときに、瑠夏ちゃんをなだめる役を任せるんだろうな、と思っている。


と、まぁ、こんな具合に、千鶴一択の磁場が強すぎる。

面倒なのは、和也の本命が千鶴であることは、もうイタイくらい、和也自身の口から何度も語られていることなので、となると、もう、ひたすら千鶴がデレるしか、物語に決着がつくことはないわけで、その予定調和ぶりが、多分、「推し」主体でラブコメをゲームのように解釈する人たちにとっては、魅力が減ってしまうのだろうな、と思う。


ただ、超展開としては、千鶴が本気で女優業に邁進することになり、和也への想いを断ち切ってしまい、その決断を和也自身が受け止めてしまう、という展開もありえなくはなくて。

この展開は、恋した相手が女優である場合は、なくもない展開だから。


そういう意味では、海くんがどう動くのか。

ただ、彼もまた、瑠夏ちゃんポジションのようにも思えて。


というわけで、多分、

和也からみて千鶴一択であること。

だが、その和也があまりにもクズであること。

この2つのせいであまり人気に火がつかないのだろうね。


個人的には、和也のクズなところは、大学生男子としてのリアルの現れであるように思うのだけど、多くの読者はそうは思わないのかな、と感じている。

そういう意味では、少年誌よりも青年誌で連載していればよかったのかもしれないけれど、ただ、その場合は、逆にちゃんとセックスシーンも描かなくちゃいけなくなって、作者の手に余ったのかもしれない。

てか、青年誌なら、すでに瑠夏ちゃんとはヤッてるはずだしね。

そのあたりをストイックにしてしまっているのが、読者的に半端に感じるのかもしれない。

麻美のビッチ設定が活かされないのもそのせいだし。

だから失敗があったとすれば、それは、レンカノという設定を物語の根幹においてしまったことなのかもしれない。

そのあたり、八重森を登場させて、無理やり「推しへの課金」という比喩で突破しようとしているけれど。

でも、それでは、きっとリアルの恋愛を描くには半端なんだろうな、という気がしている。

そういう意味では、小百合の死は、和也と千鶴の間でレンカノを方便にした「彼氏・彼女」関係を崩壊させてしまうことは間違いなくて、その意味では、これからが本番とイエなくもないのだけれど。

にしても、千鶴はどうやったらデレるのだろう?

八重森でなくても疑問に思ってしまうよねぇ。
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