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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

はたらく魔王さま! 第11巻 感想

2014-05-13 15:31:29 | はたらく魔王さま!
前巻で一応終結した「魔王vs勇者のエンテ・イスラ因縁編」の落穂ひろい的な後日譚と、次巻以降の新章開始に向けた助走が示された、って感じ。

一言で言えば、「精算」回。

というわけで、部分的には本文の内容にも触れるので、スペース空けときます。













































いやー、ホントに「精算」回。

それにしても、マグロナルド幡ヶ谷駅前店が出ると、和むね~。

8-10巻のエンテ・イスラ編が、マジでファンタジー、しかも、ラブコメファンタジーになってしまっていまいちだな~と感じていた理由がよくわかった。

やっぱり、この物語は、世知辛い京王線沿線が舞台だからこそ生きてくる、長屋住まいの人情ものなのだ、と実感。

ホント、ベタなファンタジーは勘弁して欲しい。

そういう意味では、本巻の最後の、セフィロトの秘密周りの話は、ちょっと嫌な雲行きだな、と思い始めている。

なんていうか、真面目にファンタジー始めちゃったのかー、と。

いや、異世界は異世界でどこにあってもいいんだよ、そんな細かい設定はどうでもいい。だって、セフィロトという言葉が出てきた時点でもう十分オカルトだしファンタジーなんだから

それを他の「惑星」・・・、なんて無理矢理、サイエンスで説明しなくていいんだよ。

長屋の人情モノが本質であるこの物語からすれば、エンテ・イスラはどこかにある異世界ぐらいで構わない。単なる背景、設定でしかない。それをマジメに語り始めると、その方向でディテールを重ねることを止められなくなるから、ただ、ドツボにはまるだけだと思うんだよね。

いや、だってさー、エンテ・イスラはある惑星で、人間界はその惑星にあって、魔界は赤の月、天界は青の月、って、そんなこと言われたら、その時点でもう夢やぶれちゃうじゃない。

てか、みんな、オルバになっちゃうじゃん、それじゃ。

だって、要するに、悪魔は青の月世界人で、天使は赤の月世界人。

しかも、例の宇宙飛行士とか思い出せば、その昔、エンテ・イスラにいた古代人?が何かのタイミングで月に移住して、その環境に適応するために、それこそ遺伝子操作とか人体改造で生まれたのが、悪魔であり、天使である、・・・、とかの説明がなされるような流れだと思うのだよね。

悪魔や天使が長寿であることも、そうした人体改造の結果。

となると、たとえば、今回、真奥がちーちゃんの気持ちを受けとめることはできない、といっていた寿命問題も、悪魔と天使の由来の話にまで戻せば実は解決可能である、てことになりそうだし。

てか、ちーちゃんが聖法気とか使えるところからみれば、実は地球人とエンテ・イスラ人のベースとなる身体スペックは大して変わらない・・・、というか多分互換性がある、という話になるのだろうし。

そうした惑星は違えど「人間」としてのスペックはほぼ同水準、ってことを保証する役割が、多分、ミキティおばさんたち、セフィロトに連なる人?たちだよね。

てか、ミキティたちは創造神に連なるもの、ってことで神様ってことでしょ、この物語世界の。だから、ミキティの志波という姓だって、要するに、シヴァ神のことでしょ。(しかし、最近、インド神を扱う話多いな-)。

なので、どうもねー。

そういう設定、というか、どこぞの神話とSFのちゃんぽんみたいな話を設定として聞かされるのは辛い。実際、今回の内容の多くは、そういう設定の説明に費やされていたわけで。

大体、世界の秘密、とかにマジメに肉薄しようとすると、物語の内容が無駄にインフレを起こして、かつ、進行が遅くなるんだよね。そりゃそうだよ、話が無駄にでかくなるんだから。

そういう意味では、エミリアの新バイト先をマグロナルドにしたのは、残念。てっきり、センタッキーにいって、真奥と売上を競う、なんてことを頑張るのかと思っていた。

まぁ、急遽デリヴァリーサービスを始める、という話が出たきたあたりから、ああ、コールセンターの経験者なら歓迎されるな、と思っていたのだけど、まさかホントにそうなるとは・・・。

この作者は、よくも悪くも、予想を裏切らないところがねー。
はっきり言って、イマイチ。

裏返すと、予想を裏切らずに人情モノを扱って、ホロリとさせるのが得意な人だと思うのだよね。なので、余計に、設定掘り下げの方向に行くのが心配でならない。

ともあれ、ずっと狂言回しの役割をしてきたライラの登場と、漆原の天使化の件で、次巻は、一気に次の目標が定められそう。

もう、いっそのこと、その勢いで、あと2-3巻ぐらいで完結するほうがいいんじゃないかな、と思えてきた。

だって、日常で、真奥と恵美がギャーギャー喧嘩する理由がなければ、ラブコメにならないじゃんw

なんにせよ、今のままでいくと、とっても中途半端な終わり方しか待っていないように思えてくる。

ちゃんと軌道修正してくれないかな。。。
日常回が面白いだけに、切実にそう思うな。
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