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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

翠星のガルガンティア 第9話 『深海の秘密』

2013-06-03 19:17:23 | ガルガンティア
ヒディアーズの正体は、DNA改造されたイカ人間だった・・・ってことのバレ回。

でね、うーん、ちょっとねー、
ガルガンティア、期待外れだったかなー。

要するに、人間同士の場所を宇宙に変えた争いでしかなった、ってことで。

いや、ヒディアーズの母星がこの地球だ、というのは既に前に書いたように、番組初期に既に予測されたことなので、その予想の斜め上を行く展開という点では、地球がヒディアーズの母星だっただけでなく、ヒディアーズ自体が人間が作り出した改造人間だった、というのはわかるといえばわかる。

問題は、そうした、いわば同族の間での諍いを描くことに一体物語的に意味があるのか、ということ。

いや、まぁ、アニメなんかにそもそも意味なんてねぇのよ、レートとれて円盤が売れればいいのよ、ってのもわかるんだけどさ。

うーん。

まず、人間同士の形/姿を変えた争いである、というのは、結局のところ、物凄い内向きだよね。人間の業、この場合は、宇宙で生息できないと滅びてしまうという将来が予測された時点で何とか種を残したいという業、が要するにクリーチャーとしての改造人間=ヒディアーズを生み出した。そして、そこまでして生き残ることに疑問を帯びた人間が別の手段で宇宙に出ることを選び、一部には地球に残ることを選択した。

ガルガンティアの面々は、この地球残存組の末裔で、同族であったものも含むかもしれないイカとの争いをタブーにすることで地球上での共存を貫いた。

前々回までレドが目にしてきたガルガンティアの牧歌的世界は、この「共存」が可能となるような世界として運営されていた。

対して、レドとチェインバーが元いた世界は、舞台を宇宙に移して、ヒディアーズ化したイカ人間と、チェインバーのようなロボとのペアで対処する人間たちとが争っていたことになる。

ただ、レドたちのような人類の外見を残したまま宇宙に出た人たちが、イカ人間研究の成果を全く無視していたとも容易には信じがたいので、となると、例のアヴァロンの中で、レドたちがどのようにして「誕生」させられたのか、というのが、次の焦点かな。

いや、まぁ、物語の最初から、やたらと「生殖」に力点を置いていたから、そもそも「人のあり方」を突いてくるのかな、とは思っていたけど。。。。

うーん。

不満なのは、まず、今回明らかにされた設定そのものがもの凄く使い古されたチープな感じがすることね。宇宙進出をするにあたって、生物学的改造を行うか、機械による強化を行うか、というのはそれこそSFやら何やらで使い古されてきたテーマなので、あれれ、これもそうなのー?、というのが残念なところの一つ。

もう一つは、前々回までのいわゆる日常回数話と今回との繋がりが、あまりも唐突であるところ。もう少し緩やかな繋がりを持たすことはできなかったのか、という部分。

なので、こちらは、物語の構成、というかシリーズ構成に対する不満。

あ、あともう一つ、今回に限って不満、というか、さすがにそれはご都合主義的だな―、と思ったのは、以上のヒディアーズの正体のバレをもたらしたディスクが、たまたま浮遊していたディスクを解析してわかってしまった、という展開の部分。

いや、いくらチェインバーに「敵による情報撹乱の意図もありえる」と言わせてもね・・・

ここは、もうちょっと必然でも偶然でもいいからアクセントを付けて欲しかった。
それだけ、重要なバレなのだから。
一応は隠し扉の向こうにあって・・・云々、ような形式というか。

だから、始めの数回のエピソード構成とくらべて、この数回の構成が非常に雑で大雑把なものになってしまっていること。これは単純に残念。で、期待はずれ。

なんだろうなー、鬱展開が挿入されること自体は全く気にしない方だけど、しかし、同じ鬱でも、内輪もめのような、出口のない話はやっぱりちょっとね。。。

オチが、争わないで皆で仲良く支えあっていこうよ、みたいな説教臭いものにならないことを切望する。

というか、これでエイミー達ガルガンティア残り組が、奇襲されて、挙句の果てにイカ人間に改造されてしまったりしたら、もう、いろいろな意味で(中の人的にもw)もう目も当てられないよな。

あー、そういう意味では、序盤に出てきた、女海賊の「エビ」ロボットというのも、「イカ」人間という意味で、いろいろと意味深なものでもあったわけね。。。

てか、そういう意味でも、アヴァロンの実態、というか秘密はもの凄く気になる。

なんとなくだけど、第1話で退場したレドの上官が、イカ人間になって再登場しそうな気がしていやだなぁ。。。
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