BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

ソードアート・オンライン アリシゼーション編 + アクセル・ワールドとSAOプログレッシブについて

2013-01-10 16:14:28 | SAO/AW
積読だったソードアート・オンライン9巻からのアリシゼーション編、年末にようやく読み始めることができたのだけど、そしたら、あっという間に11巻まで読破。
ありえないくらいイイところで終わってしまったので、そのまま封印してたウェブ編に突入して、一気に最後まで読んでしまった。

いやー、面白かった。
それにしても、長かったけどね。

ということで、文庫版を楽しみに待ちたい!って人は、以下では、一応ネタバレっぽいものも多少はあるので、その点は、わかった上でどうぞ。

もっとも、とにかく長いので、今の出版のペースで行くと、多分、単行本でも、下手をするとあと、7-10冊ぐらいは必要になるはずで、それをアクセル・ワールドと新たに始まったSAOプログレシブと並行して刊行されるペースを考えると、多分アリシゼーション編の完結には3-4年ぐらいは掛かりそうな気がする。なので、今見てしまっても、あまり関係ないかもしれないけれどw























で、全体としては、

アドミニストレータ編

ダークテリトリー編

の二部構成、といっていいと思う。なので、前者を第一部、後者を第二部としておく。

あと、舞台は、既刊本の9-11巻でも既に出てきてるけど、アンダーグランドとリアルワールドの二箇所で展開する。
特に、第二部のダークテリトリー編については、ほとんどアンダーグランドとリアルワールドが並行して危機を乗り越えてく形になって、これはわくわくの展開。

もっとも、第二部は、いろいろな意味で怪獣大戦争的な、大掛かりな集団戦闘が中心の話になっていくので、とにかく登場人物が多い上に、状況が複雑化する。感覚的には、『シャナ』の終盤の戦争状況のようで、悪役側の内情を記すだけでも相当数の頁を使ってるので、もしかしたら、このあたりは文庫化の際には、編集判断からばっさり切ってくるかもしれない。実際、そのあたりの描写は、かなりすっ飛ばしながら読んだし。とにかく、キリトとかアリスとかアスナとかが出てくるまでが恐ろしいくらい長い。

とはいえ、第一部の最後の方は、ええええ!、ってぐらいの超展開でアンダーワールドの世界の秘密に肉薄し、それが今度は、第二部でリアル・ワールドとの絡みでより複雑だけどリアルなものになっていって。。。

とにかく、いろいろな意味で、それまでのSAO世界の総決算的展開になる。
それまでの物語で残してしまった因縁も含めて、実は解決されていく感じで、これはホントにすごい。SAOに出てきたキャラのほとんどが終盤登場するし。アスナやシノン、リーファはもちろんのこと、リズやシリカやエギルやクラインにも出番がある。もちろん、他の面々も。

で、意外なほど、リアルワールドの、菊岡や比嘉のチームも頑張るし。

とにかく、凄い。

で、そんな総決算的な展開であるにも拘わらず、予想以上に存在感を示していくのがアリス。

ある意味で、アスナとツートップのポジションを得るからね。
シノンやリーファが霞んでしまうくらい。
それはそれでちょっと寂しい部分もあるのだけど。
どちらかというと、策士アスナに対抗できるだけの剣士がアリスって感じかな。
もちろん、キリトを巡ってのことも含めてだけど。
そういう意味で、アリシゼーション編が終わってからの物語こそが読みたくなるのだけど、それが描かれるのは、今のペースだと、多分、5年後とかになるのだろうね。

このままだと、川原礫にとって、SAOはライフワークになるだろうね。ワンピのように。

というのも、大方の人たちが想像する通り、アンダーワールドの基本仕様は、ブレイン・バーストの世界の雛形であることはほぼ間違いがないから。

なので、SAOとAWは、その間を繋げる物語は多少は必要だろうけど、基本的には同じ世界観の話。

SAOの設定は2022年、AWは2046年。
SAOの世界で、キリトが試験させられた、バカでかい設備のソウルトランスレーターを、民生用にダウンサイズするのに20年強かかった、と考えれば大体計算はあう。

ブレインバーストの適性に必要な、幼少時からのバーストリンク利用というのは、誕生からできるだけ早い時点からの、フラクトライトの記録が必要になるからなのだろう、とか。

災禍の鎧が伝播してくのも、フラクトライトを侵食していく、ってことで。

大体、「心意」ワザについては、キリトさんがもう、アリシゼーション編の中で、それこそチートに発動させているのでw

SAOでのアリシゼーション計画を、リアル人wに対してゲームと称して子供たちに自発的に関わらせてるのが、ブレインバーストなんだろうね。
リアル人のフラクトライト確保のために。
だから、やってることは、茅場晶彦のアインクラッドとあまり変わらない。

で、目的は、戦闘利用用のフラクトライト育成というか醸成なんだろうね。
最初から格ゲーなわけだしw

ということで、アリシゼーション編は、できればハイペースで最後まで文庫で出して欲しいなー、と思うのだけど、上にも書いたとおり、AWとの関わりがあまりにも多いので、AWの完結とほぼ同調させるタイミングでアリシゼーション編も終えるのだろうな、と思うと、やっぱりあと、2-3年くらいかかるかな、と思ってきてる。

というのも、新たに始まったSAOPの記述の中で、よくよく読むと後のアリシゼーション編と絡んできそうな不可解なSAO世界の現象が描かれているように思える時が実は結構あるように思えて。それは、文庫版のアリシゼーション編の方向にも微妙に関わっているようにも思えるので。

SAOPって、基本的には、何でアスナがキリトの一番なの?という疑問に対する返答のように最初は思っていた。アリシゼーション編でも思い切りアスナがフィーチャーされるし、実際、作者も思い切りアスナ派なわけだけどw、アインクラッド編を読んだだけでは、なんでキリトとアスナの絆がそれほどまでに強いのか、実はよくわからない。

で、それ、単純に説明の量が圧倒的に少ないからだと思ってた。

アインクラッド編の長いエピローグと言われたフェアリィ・ダンス編を読むと、あれ、リーファ=直葉でいいんじゃない、実妹ではなくいとこなわけだし、と思うし、ファントム・バレット編を読むと、メガネっ娘のシノンでいいんじゃない、クールだし、って思うわけで。これ、端的に、キリトと彼女らが過ごした時間が長いことと、彼女らの心情が縷縷述べられてるからだと思って。

対して、アスナって実は、そういう場面が少ない。
それは、SAOのアニメを見てても思ったわけで。
アスナがキリトを慕うようになるのと、リズやシリカがキリトを好きになるのと、大して条件は変わらないのに。。。と思ってた。

だから、アスナがキリトを(他のヒロイン同様)独占したくなるのはわかるのだけど、キリトが他の子を差し置いてまでアスナ一筋っぽくなるところが、よくわからない。なんというか、SAO自体が巨大な吊り橋効果をキリトに及ぼしただけのように思えて。

まぁ、キリトにとっては初恋だったんだろうけどねw

で、そのキリトがなぜアスナなのか?という疑問に応えるのがSAOP。

実際、第一層からずっと、基本的にはキリトとアスナは、実質的なパートナーのような感じでアインクラッドの攻略を進めているし、そうして一緒にいる時間で共有したエピソードを通じて、二人の仲が、ちょっとやそっとでは代替できない関係になっていくことが表現されている。

・・・なのだけど、その話の傍らで以外とSOAPってアインクラッド世界の隠れた側面にも触れているんだよね、それとなく。

で、そちらのほうが、キリトのもう一人の終生のパートナーである茅場晶彦の「思考」を読むためのヒントとなるような素材が埋め込まれているように思えてくる。

実際、アンダーワールドの世界でソードスキルが発動できるのは、視覚化インターフェースの部分で、茅場のザ・シードのエンジンを使っているからだと思うのだけど、どうも、アンダーワールドという世界の形成に茅場(のソウルコピー体)が関わっているように思えるところがあって、で、その茅場の考えが最もナチュラルに投影されていたのがSAOのシステムのはずなんだよね。

なので、その茅場の意図やトライアルが垣間見えるようなSAO世界の描写が、時々SAOPの中に含まれているように思えることがある。

もちろん、時系列的にはキリトはまだ茅場と出会ってはいないので、彼の印象は、そんな茅場の意図を読み取ろうなんてことまではいかない。むしろ、茅場の意図をさぐろうとする目線は、ネトゲージャンキーではなかったアスナの方が強くて、時々、キリトに素朴だがシステム設計の基盤に関わるような質問を、SAOPの中では投げかけている。

なので、SAOPってシリーズは、実は、SAO本編、特にアリシゼーション編と、AWが完結するために必要な伏線的情報をも実は小出しにするための物語なんじゃないかな、と思えてきている。

・・・にしても、まだ文庫本では二層しか突破してないから、これはこれで先は長いのだけどw

で、どうして、こんなことをグダグダ考えてしまうかというと、これは思い切りアンダーワールド編のネタバレになるわけだけど、最後にアンダーワールドで200年を生きてしまったキリトが、生体で高校生のキリトとは別に、ソウルコピー体として残ってしまって、そこで、茅場、というかヒースクリフのコピー体との会合と、場合によると、アンダーワールドの保全のために共闘しようとするところで物語は終わりを迎える。

なので、そのキリトコピーと茅場コピーとが手を結ぶところで、SOAPの中での、茅場の思考の欠片の描写が生きてくるのではないか、と思っている。

あと、AW的に言うと、最初にブレインバーストを始めたオリジネーターを巡る問題はあって、確か、ニコが、グリーンとブルーの覇気とかオーラに相当するものは半端ないっていう表現があったり、あと、グリーンがずっと無制限フィールドでモンスター狩りをして、ポイントを下々のバーストリンカーに分け与えて、いわばポイントの生態系を維持している、という説明があって。

このあたりのオリジネーターの話を聞くと、グリーンとブルーって、もしかしたらコピー体のキリトと茅場なんじゃないの?って思うわけで。実際、アバターの向こうに生体脳があるか、フラクトライトがあるか、は関係ないのが、アンダーワールドの世界で描かれたことなわけで。ハルユキたちは当然、アバターの向こうに自分たちのようなリアルの人間を想定しているはずだけど、人工フラクトライトが存在可能なアンダーワールドの世界のあとでは、アバターの向こうに本物の人間がいる必要はないんだよね。

たとえば、アッシュさんの、イレギュラーな存在も、彼のフラクトライトだけがブレインバーストのサーバーに保持されていれば、それだけで説明できてしまうんだよね。

あと、これもアンダーワールド編のネタバレになるけど、そのコピー体キリトは、アンダーワールドを守るためにだけに戦う、って言ってるんだよね。

で、ブレインバーストの設定から考えるに、もしかしたら、アンダーワールド世界の戦闘要員(用のフラクトライト)として、たとえば、シルバー・クロウのようなアバターが産み出されているんじゃないかな、と思えてくるわけで。

全損したプレイヤーがブレインバーストの世界のことを全て忘れるってのは、どう考えてもその部分の記憶だけ、外付けのサーバー内(のフラクトライト)に保持してるって思うしかないし、逆に、アンダーワールドを読んだ後だと、そのコピーされたフラクトライトはそのままアバターというイメージを持ったままの存在として、アンダーワールド住人になれるはずだから。

たとえば、ブルーの側近の、マンガンやコバルトなんかは、もしかしたら、一人の人が二つのフラクトライトを得てしまったから、だとかね。鏡像というか分身というか、二重人格みたいなことも、サーバーの向こうにフラクトライトがあると思えば何でもあるわけで。。。。


・・・と何か長くなってしまったけど、アンダーワールドとアクセル・ワールドの連続性はもはや疑いようがないから、両方とも同じタイミングで終わるかな、その間を繋ぐのが、多分、コピーキリトとコピー茅場で、そのための伏線が、キリトとアスナの馴れ初め的冒険エピソードを描くSOAPの傍らで、実は示されていくのではないか?、というのがいいたいことだった。

とにかく、川原礫ワールドは奥が深い、ということで。
ホライゾンとはまた違った意味で、とても分厚い物語がこの先待ってる気がするんだよねw
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