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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

虚構推理 第5話 『想像力の怪物』 感想

2020-02-09 16:09:06 | 虚構推理
いや、まぁ、そりゃ、そうだよね。

それ、一度はデモンストレートしておかなくちゃだめだよねw

頭を潰された九郎くんが、ヴァンパイアよろしく、頭を再生するところw


いや、わかってはいるのだけど、確かに、紗季さんじゃないけど、グロい。

このどうしようもないくらいの本質的なグロさがあるから、全体のトーンを、のんきな妖怪ものの雰囲気にしたのかもしれない、・・・、とちょっと思った。

とはいえ、件(くだん)の未来予知、というか、未来の決定能力は、やっぱりすごいし、面白いな。


桜川家の当主が、この件の力を取り込むために必要と考えて、あわせて不死の力を人魚の肉から得ることにした、という設定は、原作を読んだときには読み流していたので、今回の説明を聞いて、いまさらながら納得。

となると、問うべきは、桜川家の当主は、この「未来の確定能力」でなにをしたかったのだろう?と気になってくる。

いや、もちろん、当面の敵は「鋼人七瀬」なわけだけど、この物語は、もっと大きな物語、というか、桜川家の陰謀の序章にすぎないだろうから。

そのことを思い出させてくれたのはよかった。

あくまでも、人魚の不死性は、件の未来確定能力の行使のための必要条件でしかないこと。

この順番を取り違えてはいけないということだよね。

未来のなにを確定させたかったのか?

それは、今代になって、九郎の祖母が、九郎ら孫たちに、件の肉と人魚の肉を食らわせた目的だったのだから。

桜川家の悲願は何だったのか?

これは、頭の片隅においておいていいのだろうな。

ていうか、こういう本家の意向による呪縛、という点では、確かに物語も城平京の作品なんだな、と思った。

だって、『絶園のテンペスト』でも、葉風の実家である鎖部家の目的が、物語の柱になっていたから。


とまれ、当面の標的は「鋼人七瀬」。

にしても、みんなの願望やイメージが「鋼人七瀬」を生み出した、というのは、原作が書かれた2010年代初頭なら、ちょっとは目新しいところはあったかもしれないけれど。

でも、いまやバズは当たり前の時代で、そこら中にYouTuberもいるわけだから、この物語の根幹をなす「想像力の怪物」という設定自体が、すでに陳腐なものになっているのは否めない。

さすがに、今更そんなこと、得意げに解説する?琴子さん?、って感じだな。

映像にするには、さすがに遅かったかも、と思った。

むしろ、やっぱり、原作を文字で追いかけながら、まさに「想像力」でイメージを補っていると実感しながら、物語を楽しむほうがあっている。

その意味では、やっぱりこの作品は、映像よりも原作のほうが楽しめるな。

だって、自分が今、目の前の文字を読みながら「想像している怪物」が、他の読者の間でも似たような形で想像されているのだろうな、とまさに「想像」できるからこそ、この「鋼人七瀬」の話は信憑性が増すわけだから。

それをすでにアニメの形でお仕着せの形で映像イメージを与えた上で、それを琴子に解説させてしまって、元も子もない。

鋼人七瀬、確かにあり得るかも?と思えるようなリアリティのための手順、つまり、自分で読んで想像する機会が、予め奪われてしまっているのだから。

ということで、なんかやっぱり、中途半端な作品になってしまったなぁ。

この物語の醍醐味、面白さの源泉が、アニメにした時点で全部奪われてしまうのだから。

今回、それを痛感させられたね。
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