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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

はたらく魔王さま! 第9巻 感想

2013-08-12 18:34:15 | はたらく魔王さま!
『はたらく魔王さま!』は、春アニメのダークホースで、最初は色物だとばかり思っていたら、思いの外、物語としてしっかり構成されていて、面白かった。

なので、放送終了後、原作を読み始めて、8巻がいいところで終わったので、9巻でまとめて感想を書けばいいかなと思っていたのだけど、何と!9巻でも話は終わらずw

で、作者自身、後書きでどうも今の話が、『はたらく魔王さま!』の物語が次のステップに進むために必要な話しなのだ、というので・・・

だから、もの凄く10巻が楽しみ!

とはいえ、思いっきり単純化して考えると、多分、ここまで『はたらく魔王さま!』が人気を得ると思っていなかったので、1巻や2巻(つまりアニメで描いていた部分)で物語を進めるために、あれこれ書き足してきた、エンテ・イスラの、いわば設定に係る話、つまり、魔王やエミリアの背景にまつわる話を一旦整理しなくちゃ、読者の期待に応えるような次の展開に進めないな、ということなのだろう。

つまり、魔王やエミリアの因縁について一旦ご破算にして、その上で、本格的に「新生魔王軍」や「新悪魔大元帥四天王(←実は五人だけどw)」が活躍する物語に進む、ってことなのだと思う。

で、そう考えると、今回の物語で生じた、いつもの真奥組の面々が、エンテ・イスラと日本に綺麗に別れてしまったのも仕方ないし、納得行くものになるのだろう。

で、物語の次の要は、どう考えても、天使とイェソドの欠片の話だよね。
セフィロトの樹の話、ってことで。

それを通じて、エンテ・イスラにおける、天使、人間、悪魔、の世界が、多分、実は同根だった、みたいなことになって、天使が暗躍している陰謀を、エミリアの母で天使であるライラがなんとか、魔王とエミリアを通じて何とかしようとする話なのだろうな。
まぁ、ライラが実は中ボスでした!ってことにありそうだけどね。

ともかく、エンテ・イスラに戻った面々がどうやって天使(ガブリエル)の描いたシナリオを上手くハックして出来損ないの結末にして、その過程で、天使全体の陰謀(「新魔王の復活」)の目的を明らかにするのか。

そして、その裏側で、千穂ちゃんが天祢さんから、エンテ・イスラの「赤」に対して、地球の「黒」の話をどこまで聞き出すのか。

そのあたりの、思いっきり、この物語の「ホントの設定」に関わる情報の開示が、次の10巻の展開なのだろうな。

まぁ、千穂ちゃんが聞いた話は11巻以降なのかもしれないけれど。

ただ、今回、魔王や鈴乃もゲートを使ってエンテ・イスラと地球との間の行き来をしてしまったので、エンテ・イスラが実際にどこにあるかはさておくとして、今後は、この二つの世界を行き来するような話になるのかどうか、・・・、は気になるかな。

というのも、そうなると、結構物語の進め方が難しくなるよね。つまり、一面で魔法ファンタジーのような話があり、その横で「笹塚を守る」みたいな話があるのだから、下手を打つと、少し前の「セカイ系」みたいな話になりかねないわけで。

実は、『はたらく魔王さま!』が面白いと思ったのは、なんていうか、エンテ・イスラという背景を抱えた上で、しかし、実際には、笹塚で繰り広げられる人情モノ、っていうところだったわけで。だから、あまりマジメにファンタジーされても困るんだよね。

実際、今回の9巻は、中盤、かなり読みにくかったので。
もちろん、それは作者もわかった上のことだから、ホント、次のステップに行く以上、仕方がないものだけど。

(しかし、この手のガチでマジな展開が挟まれると、どうしても『ハヤテのごとく!』のアテネ編を思い出してしまって・・・。しばしば作者の一人よがりで物語的には黒歴史化しかねないとも思う)。

ともあれ、10巻が早く出てくれないかな。
といっても、早くても12月。あるいは、1月くらいかね。
今回の終わり方で間を開けられるのは結構酷なので、できれば年内には出して欲しいかなぁ。

とにかく、順当に行けば、今まで仕込んできた伏線のうちのかなり多くが次巻では回収されて、それを踏まえた上で、新章開始、新生魔王軍活動開始、ってことになるのだろから。

一点、9巻の細部について。

実は、エンテ・イスラに帰ったのにも拘わらず、魔王が悪魔形態に戻っていないのには、最初から疑問に思っていて、それが9巻の最後の最後まで引き伸ばされるとは思わなかった。アルシエルはちゃんと悪魔形態に戻っているのにね。

それが、イェソドの欠片のせいなのか、それとも、そもそも実は魔王が、人間と悪魔とのハーフだった!みたいな設定によって説明されるのかは、気になるところ。エミリアが天使と人間のハーフというのだから、あながちない話でもないと思っているのだけど。

このあたりのことは次回、明らかにして欲しいところ。

あとは、いつの間にか、魔王組の一員として背景に溶け込んでる梨香と天祢に笑った。

正直なところ、アシエスの登場や魔王との融合、天祢の再登場、など、8巻の内容は、相当ご都合主義だなと感じて、6巻ぐらいまでにあった面白さがこれじゃ台無しじゃないか、と思っていたのは確かで、その疑念がこの9巻で完全に払拭されたわけではないんだよね。

なので、10巻では、ああ、こういうことなら、展開上、8巻や9巻の内容は仕方がなかったよなー、といえるような内容になってくれることに期待。

物語として無理のある延命策だけはヤメて欲しいなぁ。

まぁ、魔王と勇者、働くこと、経済、・・・、とか、わりと設定上は「まおゆう」の役割を裏返しにしたものに見えないこともないから、それもあって、あまり、エンテ・イスラの話を引っ張らないようにして欲しいとは思っている。

それにしても、エンテ・イスラと笹塚の、舞台としての共存は、結構、難しそうだけどな。

あと、誰が見ても、物語終盤のカギを握るのは堕天使であるルシフェルだと思うので、彼も、次巻でどこまで頑張るかは楽しみかも(8巻で頑張りすぎて、今回、ほとんど活躍する場がなかったので)。

まぁ、魔王たちがいなくなった笹塚に何も起こらない、とは思えないので、魔王が留守中の笹塚を、千穂ちゃんと天祢、ルシフェルとサリエルで頑張って守りぬく、・・・、という話があってもいいと思うのだけど。あー、でも、それは11巻かなー。

10巻でエンテ・イスラの問題は一定の収束を得るのだけど、最後の最後で、笹塚に危機が迫っている!、ってところで「続く」が記されるように思える。

もっとも、実はホントに何もなくて、その、平和な笹塚が過ぎていった、というのを後日、短編にするのかもしれないけれど。

とにもかくにも、10巻は物語の節目になるはずなので、早く出てほしいと思う。

うん。9巻も面白かった!
魔王と鈴乃のやり取りは楽しかったし、心温まった気がする。
ホント、次巻が楽しみだ!
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