雑記帳(新居)

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バレーボールワールドカップ男子開幕

2007-11-21 00:34:49 | バレーボール
男子バレーワールドカップが開幕。

各試合の結果を見ると、男子バレーの世界は奇々怪々、と思わせる結果がいくつかある。
しかし、長丁場の世界大会となれば、最終結果はだいたい実力通りになる。特に、ワールドカップは12チーム1回戦総当たりだけに、なおさら最終結果の波乱は起きにくい。
今回も、ブラジル・ロシア・ブルガリアでの優勝争いに順当に収束しそうだ。初日にブラジルがアメリカにストレート負けしたときはどうなることかと思ったが。
(落ち着いて考えてみるに、本当の番狂わせは今のところこの1試合のみ。プエルトリコが予想したよりよいバレーをしている)

個人的な印象としての、男子バレーの勢力図
男子バレーは波乱が起きやすいものの、下の図で「壁」で区切られたチームの力の差は、女子以上に大きいと感じられる。

S... ブラジル(リカルドがいるとき)
★★★ 神の壁 ★★★

A... ロシア・ブルガリア・ポーランド・イタリア・セルビア・フランス・ブラジル(リカルドなし)
★★★ 強豪の壁 ★★★
B+.. スペイン・アメリカ・プエルトリコ 世界選手権出場ぎりぎりの欧州勢
B... アルゼンチン・オーストラリア・チュニジア・日本・韓国・エジプト

(無題)

2007-11-17 00:30:50 | バレーボール
今回ワールドカップは、イタリアの歴史的な圧勝で幕を閉じた。11試合でセットを失ったのもセルビア戦(フルセット突入)のみ、10試合にストレート勝ち。最後の2試合は正セッターのロビアンコを出さず、それでさえ、上位のキューバ・アメリカをストレートで下した。いかにロシア・中国がいなかったとはいえ驚くしかない。現行の12チーム総当たりになってから、失セット2は最少、2位に2勝の差が付いたのも初めてである。三大大会としても94年のキューバの全試合ストレート全勝優勝以来の完全に近い勝利となる。
MVPには出産を経て今シーズン復帰したジョーリが選出された。現在のイタリアはアゲロの印象がきわめて強いので、いささか意外に思えた。しかし、ジョーリはベストブロッカーも獲得しており、総得点もアゲロに迫っている。イタリアのバレーはまずブロックありき。そしてレシーブがきっちりセッターに返り、そこから多彩な攻めを展開する。そのイタリアバレーの象徴は、むしろセンターのジョーリかもしれない。

これを受けて、現状の各国の力はざっとこんなところか。

S...イタリア・ロシア・ブラジル
A+..アメリカ・中国
A...キューバ・セルビア・オランダ・ポーランド
A-..日本・ドイツ・トルコ
B+..韓国・ドミニカ
B...タイ・カザフ

日本は今回ワールドカップ7位で終了。見せ場といえばポーランド戦だけ、上位チームには厚い壁で跳ね返される場面ばかりだった。(二段トスになるととにかくシャットされる場面が極端に多い。まさに厚い壁)ロシア・中国・オランダが不参加だったことを考慮すれば、10番目になる。そして、日本より実力下位のドミニカ・ペルー・ケニアのうち2チームが大陸代表で五輪出場が決まることを考えると、日本のポジションは12番目、まさに五輪出場のボーダーライン上だ。

事実上、全ては終わった

2007-11-16 00:39:39 | バレーボール
11/14
BRA - ITA 0-3 (20-25, 23-25, 19-25)
SRB - USA 3-1 (28-26, 23-25, 25-20, 25-23)
JPN - CUB 1-3 (25-22, 29-31, 23-25, 20-25)

11/15
ITA - CUB 3-0 (27-25, 25-19, 25-16)
BRA - SRB 3-0 (25-13, 25-14, 25-21)
JPN - USA 0-3 (17-25, 14-25, 20-25)

事実上、全ては終わった。

メダル獲得はイタリア・アメリカ・ブラジルで確定、優勝もイタリアにほぼ確定している。全勝のイタリアを1敗でアメリカが追っているものの、得失点率でイタリアが圧倒的に有利のため、アメリカがイタリアを逆転することは事実上あり得ない。
前半から中盤にイタリアを何試合か見て、守備の安定感と攻撃の精度の高さが以前と比べても飛び抜けていると感じたが、ここまで独走するとは想像以上である。

アメリカも、ここ2年の低迷とは全く違うことは予想できても、ブラジルから金星を挙げるまでとはとても想像できなかった。トムの復帰は想像以上に大きなインパクトがある。ロシアのソコロワと並ぶとは言えなくても、攻守にわたる安定感、そして大切な場面で必ず得点する勝負強さなど、いろいろな意味でリューバに近い。つまり、それくらい一人でチームを変えることができる選手だ。
ことあるごとに思うけれども、アメリカを過小評価している人がとても多い気がする。日本しか見ていないのならともかく、欧州女子バレーのファンの観点からすれば、シドニー五輪からアテネ五輪にかけて、痛い場面で何度もアメリカに行く手を阻まれている。そのアメリカへの評価が高くないのは、不思議で仕方がないのだが…

セルビアはアメリカから金星、メダル獲得の夢に向かって最後の望みを残していたものの、ブラジルに完膚無きまでにたたきのめされ、それも消えた。
とはいえ、ここまでアメリカと日本に勝ったのはよくやったと言えるだろう。メンバー一覧を見たときは、上位との対戦は全敗を予想、逆に下位予想のチームに足下をすくわれる方を心配していた。
セルビアは勝敗あるいは得失セットの割に得失点率が極端に悪い。裏を返せば、接戦のセットはだいたいものにしていて、セットを失うときはどうしようもない大差のことが多い。終盤の逆転で試合をものにしたことも何度かある。
対タイ第4セット 19-23→26-24
対日本第4セット 16-22→26-24
対ドミニカ第3セット 11-17→25-23
つまり、チャンスがある試合はものにしてきたと言えるのではないか。

(以下、謝罪と反省があります)

しばらく前にアゲロはキューバ戦には出場しないと書いたのですが、これは大嘘でした。
15日のイタリア対キューバ戦で、アゲロは普通に出場しています。
大変申し訳ありませんでした。

当たり前のことなのだが、一次ソースを確認しないで記事を書いてはいけない。最近でも、例えばVリーグの外国人選手の記事はソースを確認して確定と判断できたものだけを書いたのに、なぜ今回それを怠ったのか。


ツアー選手権決勝とか(追記あり)

2007-11-12 04:09:19 | テニス
とんでもない時間になってしまったけれども、今試合が終わった。

Henin 5-7, 7-5, 6-3 Sharapova

Break Point won: Henin 6/18, Sharapova 4/18
Total Point: Henin 127, Sharapova 118
Duration: 3 h. 24 min (!!!!!)

途中からとぎれとぎれに見ていただけだったけれども、とにかく壮絶。1ポイント1ポイントももちろんレベルが高いし、デュースがものすごく多くお互いにピンチのしのぎあい。歴史に残る、死闘というしかない試合である。
最後の第9ゲーム、シャラポワのサービスゲームで、シャラポワが流れを取り戻しそうなチャンスボールは何度かあったのに、シャラポワがことごとくミスをした。足がまともに動かず追いつくはずのボールに追いつかなかったからだ。一方のエナンも足首が痛そうな様子を繰り返し見せた。現在の女子テニス最高レベルの試合で、これだけもつれれば、それも当然。そこまで死力を尽くした試合である。

この試合、シャラポワは開始直後から絶好調だった。2006年全米決勝でエナンを破って優勝したときと同じか、ひょっとしたらそれ以上の内容だったかもしれない。とにかくサーブは走っているしフットワークも最上級だ。今シーズンは肩の故障に苦しめられ、全米でよもやの3回戦敗退、それ以降ほとんど試合に出ていなかった。しかしそれは全く感じられなかった。ラリー中エナンがしばしばネットに出てプレッシャーをかけたものの、そのエナンの足下に落とすかパスするショットも切れ味抜群で、エナンはこのパターンでほとんどポイントを取れなかった。
一方のエナンは、この試合の間だけでサーブの好不調の波がかなりあった。調子よいときは、威力のあるサーブが続けて入ってあっという間にゲームをものにするけれども、入らないときは1stサーブが全く入らない。1ゲームでダブルフォルトを繰り返す場面さえあった。それで試合が壊れない、それも格下相手ならともかくシャラポワ相手で、というのは、エナンの圧倒的な強さの裏返しなのだが。1stサーブ入らない→ダブルフォルト連続→ストロークも狂いまくり→試合壊れた、誰かさんのファンを7年もやっていれば、こんな試合は何度となく見ている(苦笑)
シャラポワはエナンのサーブが不安定なのを利して第1セットを先取し、第2セット以降エナンが押し気味の展開になってきてもブレークバックして粘った。しかし、シャラポワも、サーブの絶好調がこの長い長い試合の最後まで続かなかった。第2セットの終盤から1stサーブの確率が極端に落ち、時折入ってもエナンに厳しいリターンを返されるようになった。また、エナンはネットに出るのが効果を上げていないことに気づいたらしく、ベースラインのストロークで押し切る場面が増えた。

筆者としてはもちろんシャラポワに勝ってほしいとは思っていた。しかし、この試合については、とにかく
両選手に拍手!
そして、
スポーツの感動とは本来かくあるべき

これに比べるとバレーボールは悲しいほどみみっちい話題しかない。

スポーツは筋書きのないドラマとよく言われるけれども、考えてみると、バレーボールの世界はそれが決められてしまっている。もっと言えば、競技団体も放送局も「筋書きのないドラマ」を嫌い、あらかじめ決めた筋書き通りに進むように仕組んでいるわけだ。だから、我々もその筋書きに沿った話しかできない。それで面白いはずがないのだ。
日本だけ異常に優遇して上位国(特に欧州の)をなかなか出させようとしないこともそうだ。そして最大の諸悪の根源は全セットラリーポイント制だ。最後の1点が入るまで勝負がわからない、競技の最大の魅力をスポイルするルール改変はあってはならないしあり得ないのだ。今までさんざん言ってきたことの繰り返しだが。

11/9-11の問題の試合結果

2007-11-12 01:03:59 | バレーボール
ITA 3-0 POL (25-15, 25-15, 25-18)
JPN 3-2 POL (19-25, 25-23, 18-25, 25-22, 15-12)
POL 3-2 SRB (24-26, 25-23, 25-12, 19-25, 15-10)

筆者の気持ちとしては、これで今回ワールドカップはほとんど終わった。上位3チームはアメリカ・イタリア・ブラジルでほとんど確定だろう。優勝争いはこれから先だがあまり気持ちは乗らない。

ゾルジ氏は、自身のブログの中で、大会前半のグループ分けに疑問を呈する記事を書いており、その中で、(ブラジル・アメリカは当然として)キューバやポーランドもセルビアよりたぶん強いと書いている。
ゾルジ氏のブログは→http://worldleague2007.splinder.com/
認めたくはなかったが、事実はその通りである。さすがにプロだ。残念ながら、セルビアの実力はまだその程度ということだ。ポーランドに勝てないのにキューバとか、ましてアメリカ・ブラジルと勝負できるはずはない。
昨年の世界選手権の3位は、まだセルビアの本当の実力でなかった。その世界選手権と比べて、スパソエビッチやジェリジロという主力が抜けたこともあるし、それ以上に、対戦相手に恵まれた大会だった。去年はイタリアにアゲロはいなくてマンネリ感濃厚のチームだったし、ポーランドはチームが全くまとまっていなかった。

ポーランド…星取りとしてはこちらの読みが狂ったわけではないけれども、感情的に最もやってほしくないことをやってくれた。(日本戦で勝てず、セルビアを潰して星勘定を合わせる)筆者として、この先の大会でポーランドはやはり応援できない。
日本戦グリンカは今ひとつだった。どうしてポドレツをピンチブロッカー以外で全く使わなかったのか。セルビア戦で試したグリンカを下げてポドレツ先発を試さなかったのか。あるいは、これまで負けたアメリカ戦とかキューバ戦でも、グリンカ・ポドレツ・スコブロニスカ先発の攻撃的シフト自体は成功のように見えた。なぜそれを変えたのか。
(後日追記)後から振り返ってみて、ベルチクをけがで欠いたことは予想以上に大打撃だったと思われる。トスの質そのもの、特にサイドへのトスはサドレクのほうが上手い。しかし、センターの速攻でリズムを作ることに関しては、ベルチクが上手である。(オランダのフレデルスとキム・スターレンスにも同じことが言えると思う)ワールドカップでは、シュリワが久しぶりに現役復帰し、交代で入る場面も何度かあったものの、アタッカーとタイミングが全く合っていなかった。結果、サイドのどこか1枚がつかまるとあっという間に連続失点という場面を何度か見た。そこでベルチクがいればと思われたのだ。グランプリの日本戦でも、先発はサドレクだったが第2セット途中でベルチクに交代し流れを取り戻した。