雑記帳(新居)

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全米オープン組み合わせ

2009-08-30 03:12:00 | テニス
まず最初に書いてしまうけれども、3回戦でほぼ確実にディメンティエワ対シャラポワの対戦となる。
直近のトロント決勝では勝ったとはいえ、もともとエレーナから見て非常に相性の悪い(3勝8敗)対決であり、トロントの決勝ではマリアに疲労の色もかなり見えた。トロントの決勝並みの内容では、今度は勝てないと思っている。
またかりにここでマリアを倒したとしても、また同じことの繰り返しになりかねない。マリアのランキングが上がらないため、シードがつかないかついても今大会のように下位シードになり、そうするとまた早いラウンドでトップ選手と対戦する可能性が高くなる。
何ともばかばかしい、ドローに細工しろと言いたくなるが、それよりも、ウィンブルドンのときと同様に、シャラポワのシードを繰り上げて早いラウンドで上位と対戦しないようにすればいい。なぜそうしなかったのか?ついでにキムもそうしておいて、マリアが23シードでキムが24でよいのではないか。

例によって全体を8区分、最初が第1シード、最後が第2シードという順番で見ていく。
今回は、上位シード選手でも直近の前哨戦で調子が上がっていないために、予想が難しい区画がかなり多い。

1/8
サフィナにとって準々決勝までは問題なく進出できそう。準々決勝で順当ならヤンコビッチとの対戦、そこを勝ち抜けば準決勝はディメンティエワかシャラポワのどちらかの可能性が高く、急激に難易度が増してくる。

2/8
ヤンコビッチの復調度合いが今ひとつ読み切れない。もちろん前哨戦のシンシナティで優勝しているけれども、その次のトロントでは格下のクレイバノワによもやの逆転負けを喫している。(それもヤンコビッチにマッチポイントが1本あった)ベスト16までは問題なく進めそうだが、そこでイバノビッチかリシキが好調で上がってくると、番狂わせの連続もあり得る。攪乱要因が多すぎで見当がつかない。

3/8
言うまでもなく、ディメンティエワ対シャラポワが焦点となる。他の選手が割って入ることはまず考えられない。となりの4/8区の組み合わせから考えても、この対戦で勝ったほうが準決勝まで進む可能性が高い。特にディメンティエワが勝ち上がりの場合は、準決勝まで電車道の可能性もある。(シャラポワが勝った場合は、その先そこまで楽には勝ち上がれないだろう)

4/8
クズネツォワは全仏優勝を最後に長い眠りに入ってしまったかのよう、キャロもニューヘブンで優勝したもののそれまでは苦戦続き。かといって、この2人を脅かす選手がいるかと言えば、それも疑問符が付きまくりだ。あえて名前を挙げれば、シルステアはひょっとするとひょっとするかもしれない。悪い意味でひどいカオス。

5/8
本来ならアザレンカから見て準々決勝までは楽ドローなのだが、ウィンブルドンまでは順調だったアザレンカが、ここに来て極端にペースダウンしている。ラドワンスカ姉も前哨戦では目立った成績を上げていない。4/8区と並び最悪の意味でカオス。スキアボーネがグランドスラムで2大会連続ベスト8とか…まさかね…さすがにそれは考えたくない…

6/8
ここの最大の注目ポイントは復活のキム・クライシュテルス。2回戦で対バルトリという最初の大注目カードが実現する可能性が高い。ここの勝者がおそらく4回戦のヴィーナス戦まで進めるが、さすがにヴィーナスを倒すのは極めて難しいだろう。

7/8
ズボナレワは依然として故障から力が戻っておらず、シードを守ることは望み薄。この区画にはモーレズモとペネッタが入っており、実は相当に激戦区。前哨戦の成績から言えば断然なのはペネッタ(US Open seriesの成績はデメに次ぐ第2位)だが、逆に前哨戦で力を使いすぎてへたれるかもしれない。

8/8
4回戦でセレナ対ストーサーという対戦が実現すれば面白い。実際、前哨戦のスタンフォードではこの対戦でストーサーが勝っている。さすがにグランドスラム本番では食らわないと思うが。


トロント大会

2009-08-27 03:07:00 | テニス
Toronto SF: (4) Elena Dementieva def. (2) Serena Williams 7-6(2) 6-1
Toronto Final: (4) Elena Dementieva def. Maria Sharapova 6-4 6-3

まずは、優勝おめでとうございます!!と言っておく。
デメにとっては全豪オープン直前のシドニー以来約7ヶ月ぶりの優勝(今季3勝目)、ティア1相当(*)の優勝は最も大きなタイトルの一つになる。(2006年東レPPO、2007年クレムリンカップに続き、3つ目)

これで、先週までさんざん書いた全米オープンのシード順(トロントの後のランキングで決定)で、ほぼ不可能と思われた第4シードを確保した。トロントでデメが優勝かつヤンコビッチが決勝進出しないことが条件だったが、今大会の結果はその通りになった。
また、全米オープン前哨戦である夏の北米ハードコートの大会の成績を合計するUS Open seriesの成績でも、ディメンティエワがトップに立った。ディメンティエワはUS Open series最後の大会になるニューヘブンには出場せず、唯一逆転の可能性を残しニューヘブンに出場するペネッタの結果を待つことになる。(ペネッタがニューヘブンで優勝しない限りディメンティエワがUS Open series1位という状況で、結果、ペネッタはニューヘブンでベスト4止まりだったため、ディメンティエワのUS Open series1位が確定した。これで、エレーナが全米オープンで獲得する賞金にボーナスが加算され、およそ1.6~1.8倍になる。果たして喜んでいいものか、余計なプレッシャーがさらにかかるのか。)

さて、テニスとは関係がないが、この週はとてつもなく疲れた。
バレーボールワールドグランプリ・陸上世界選手権・テニスの全米前哨戦と、三重ブッキングが1週間にわたって続くのは、夏季五輪を除けばトップクラスにきつい。
この次の週は、やっとのんびりできるかと思ったのだが…

準決勝のセレナとの対戦は、いろいろな意味でディメンティエワらしい試合だった。第1セットはかなり好ゲームになったけれども、第1セットのタイブレークからセレナが急激にミスばかりになってしまい、第2セットはデメが終始リードの展開となった。
エレーナは、セレナとの対戦では、結果はともかくとしていつも思い切った攻撃ができておりらしい試合ができるようだ。もちろん実力的には上の相手だから肝心の大会では負けることのほうが多いけれども、むしろ対戦しやすいという印象である。ストロークの打ち合いでも思い切ってできているし、リターンでも2ndになれば思い切り前に入ってきて返球を試みている。だからこそ第1セットのタイブレークでセレナにダブルフォルトさせることができた。なぜそれがシャラポワとか相手ではできないのか…
グランドスラム以外ではいつものことだが、セレナはまた「戦略的撤退?」だ。特に今回の場合、デメが全米オープンで第5シードとすると、準々決勝でセレナと対戦の可能性が出てくる。セレナにとってはデメはおそらく姉の次くらいに怖い相手であり、それがデコターフ(全米オープン・北京五輪などのコート)であればなおさらのこと。それはセレナにとっても避けたい事態だったはずであり、デメが優勝したことにより、撤退のもう一つの狙い通り???全米オープンで準決勝まで対戦はあり得なくなった。

決勝戦は内容としてはいまいち、エレーナもマリアも苦労していたという印象だった。特に試合序盤は互いにサーブが入らず苦しんだ。試合中時折強烈な突風が吹いて、高く浮いたボールが異様な曲がり方をする場面も何度か見た。それも両選手が苦しんだ大きな要因のようだ。そして、エレーナは肝心の場面特にServing for the Championshipのゲームではプレーが萎縮していたし、一方のマリアもミスが多くよいプレーが長続きしない。その中で、相手の攻撃を拾いながら一度のチャンスで形勢を逆転、あるいは相手にミスさせるという、エレーナのプレーがわずかに優ったようだ。
シャラポワは現時点で10位程度まで力が戻っていると見てよさそうだ。多少出来が悪いといっても現在の4強(今回のデメ)、あるいは10位程度でも絶好調の相手(ロスのペネッタ)には勝てない。復帰前と比べて一番のネックはやはりサーブなのだが、長期負傷欠場の原因が肩の故障だったのだから、これについて高望みはできない。サーブが弱くても何とか活路を見いだすようにしたい。

(*)今季からプレミア・インターナショナル大会というグレード分けに変更されているけれども、これは最悪にわかりにくい。そこで、わかりやすさのため「ティアいくつ相当」という表現を使うことがある(特に前年までとの通算あるいは比較の場合)。今季の大会グレードでは次のように対応する。
ティア1相当: 必須プレミアおよびプレミア5
ティア2相当: プレミア(無印)
ティア3相当: インターナショナル
極めてわかりにくい理由の一つは、プレミア大会という呼び方が、必須プレミア・プレミア5まで含む総称か、プレミア(無印)大会のみを指すのかわからないこと。もう一つは、必須プレミア・プレミア5・プレミア(無印)のうち、どれが上位なのか直感的に全くわからないことである。
このようなわかりにくい名称に変更する場合、だいたい、内容はろくなものではない。

100m 9秒58

2009-08-18 02:17:00 | スポーツ
あまりにもありきたりな表現だが、ボルトの登場により、もはや男子短距離は完全に別の次元に突入してしまったようだ。電子計測になってから一度に0.11秒などという大幅な記録更新は初めてという。

北京五輪以降、ボルトがベストコンディションで本気で走りきったらどれくらいのタイムになるのかずっと議論されてきたが、今回あっさりと答えを出してしまった。言い方を変えれば、北京五輪で出るべきだったものがようやく出たと言うことでもあるのだが。

少し前まで、世界大会でも100m9秒9くらいで優勝、9秒8台だとかなり速いという印象だった。
幻の9秒7台に再び突入したのもかなり最近のはずだ。幻といったのは、1988年のソウル五輪で、ベン・ジョンソンが9秒79で走りながらドーピングで失格になったことを鮮明に覚えているからだ。
それが、北京五輪でボルトがいきなり9秒6台に突入した。それも、最後は両側を確認して流したくせに9.69である。
そして今回ベルリンで9.58。

9秒6台ですらボルト以前には想像できなかったし、まして9秒5台など、自分の生きている間に見られるとは全く考えられなかった。一体どこまでこの先記録が伸びるのか、想像もつかなくなってきた。ひょっとしたら9秒台前半などもあり得るのか。

シンシナティ大会

2009-08-17 02:04:00 | テニス
Jelena Jankovic edges Elena Dementieva 7-6(2) 0-6 7-6(6)

ディメンティエワ、ここまできてベスト4の壁を破れないものか。
正直ヤンコビッチとの対戦でいい予感は全くしないのけれども、今回の負け方はショックが大きすぎる。ダブルベーグル食らうのとどちらが深刻かというくらい深刻だ。
タイブレークでマッチポイントを握ってからのプレーはあまりにも消極的すぎた。明らかにメンタルの問題だと思う。ここまでくると。

さて、今回の準決勝は、内容もそうだし、最も負けてはならない相手に負けたという意味でも最悪の結果である。それは、ここでヤンコビッチに負ければ全米のシード順で第5シードに落ちることがほぼ確実になるからだ。もちろんそれは本人も十分にわかっていたのだろうし、それがさらに大きなプレッシャーになったのかもしれない。
このあたりでさんざん書いたのだが、上位4シードなら準々決勝で5~8位との対戦になる。現状、準々決勝で(順当に進んだ場合)ベラ子ならチャンスドローだし、クズネツォワも今ひとつ安定感がない。アザレンカは正直よくわからないが、サフィナや姉妹との対戦に比べればはるかにチャンスは大きいはずだ。それに対し、5位に落ちたら準々決勝で1~4位との対戦だ。サフィナ、姉妹、ヤンコビッチのうちの誰かとの対戦で、このうちの誰と当たっても準々決勝でほぼ確実に終了である。
この世界はいったん落ちるとそこから上がるのは実に至難だ。

それにしても、デメとヤンコビッチは並び立つことが絶対にできない位置関係になってしまっているようだ。

さて今大会の前半のトピックは、
キム・クライシュテルスの復帰である。復帰最初の大会で、バルトリとクズネツォワを倒し準々決勝まで進出した。(準々決勝でサフィナに敗れた。)バルトリも2週間前のスタンフォードでヴィーナスを倒して優勝しているし、クズネツォワは言うまでもなく全仏の覇者。それが、いったん引退して2年以上のブランクから復帰した直後の選手に敗れるとは。いくらかつてのクライシュテルスが強かったといっても。(それでも、グランドスラムでなかなか優勝できないのでさんざんへたれと揶揄されていたのだが。ティア1の女王などとも言われた。)
ことあるごとにエナン・キムクリ・ヒンギスあたりの懐古ネタで無限ループに陥るけれども、この結果を見ると、それもむべなるかなである。全くもって、今の選手は何をやっているのか。

もう一つの話題として、ペネッタがイタリア悲願のランキングトップ10入りを達成した。イタリアの女子では、過去に最高11位に到達した選手が3人いながら、トップ10には一人も到達できていなかった。ファリーナ、スキアボーネと、そして今回のペネッタである。
ペネッタは昨年の夏のロサンゼルス大会で準優勝、全米でベスト8と好成績だったが、すなわち今年の夏に守るポイントが多く、今回夏のハードコートシーズンの前でトップ10に入れなかった時点でチャンスは潰えたかと思われた。しかし、パレルモの優勝に続き、昨年準優勝だったロスで何と優勝。続く今大会でベスト4に進出したことでついにランキング10位に上昇、イタリア女子テニスの新たな歴史を作った。