雑記帳(新居)

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陸上世界選手権大阪大会は黒歴史

2007-08-31 01:52:25 | スポーツ
開催国日本が空中分解状態の今回陸上世界選手権、エリトリア選手団5人が、組織委員会の用意した部屋に泊まることができず、ホテルの床に毛布を敷いて寝るという、非常事態が発生した。さらにその後も部屋が割り当てられず、ジブチの選手団が見るに見かねて一緒の部屋で寝ることを申し出、3日間にわたって両国が相部屋となった。世界陸上: 手配ミスで部屋ない エリトリア選手、床で一夜(毎日新聞)(記事1)
それも、この事態は偶発的に起きたのではなく、起きるべくして起きたもののようだ。gigazine.netの記事で、現場は想像を絶する混乱であることが暴露された。まずボランティアのシフトを管理するシステムの故障が諸悪の根元。その上に、一般から募集されたボランティアと、強制的にかり出された大阪市などの職員とで、連携がとれていないようだ。

当然のごとく、IAAFからはクレームが出たようだ。ボランティアの質が悪すぎ、スタジアム内の学連の学生も最低だと。
今大会では、ボランティアが、観客席からカメラ付き携帯電話で競技中の選手を撮影していたとして、大会組織委員会が国際陸上競技連盟(IAAF)から抗議を受けるという不祥事も発覚している。世陸ボランティア、マナー違反!競技中に写真撮影(記事2)

まだ大会は終わっていないけれども、開催国日本の想像を絶する不出来、運営の大混乱・不祥事と、今大会はすでに
「黒歴史」
確定である。

現場で大会の運営に当たっている方々には、何とか無事に最後まで終わらせていただきたいと祈るような気持ちだ。
それにしても、これは、世界的なイベント開催において日本の評判を確実に大きく落とす。今東京が五輪招致を目指しているが、きわめて大きなマイナスになることは間違いない。

(参考)記事1全文
世界陸上: 手配ミスで部屋ない エリトリア選手、床で一夜

 開催中の世界陸上大阪大会で、エリトリア選手団の選手ら5人が開幕2日前の23日、指定先のホテルに宿泊しようとしたが部屋が確保されず、1階ラウンジの床に毛布を敷いて夜を明かしたことが分かった。マラソンと一万メートルでそれぞれ4位となった男子選手2人もいた。その後も宿泊を巡る混乱は続き、ベイエネ・ルサム団長(54)は「いいコンディションで競技に臨みたかった」と大会運営に強い不満を訴えている。【石川隆宣、渋江千春、花岡洋二】

 滞在先は大阪市などで作る大会組織委員会が市内6カ所のホテルを選手村として用意し、滞在先の割り当ても担当していた。同選手団は、団長が20日に来日、23日夜に男女選手とコーチの5人が大阪市内の指定先ホテルに到着した。事前に申告した人数だった。

 同選手団によると、ホテルにいた組織委の担当者に「部屋がない」と言われた。担当者は待機を指示。だが、結局部屋は用意されず、選手らは24日未明になって、1階ロビーから続くラウンジの隅に椅子を動かして場所をあけ、フロントで借りた毛布12枚を敷いて夜を明かしたという。

 24日早朝、見かねた同国の隣国であるジブチ選手団が、自室の空きベッドを提供し3人が休んだ。同日夜、3人は別のホテルに用意された部屋に泊まったが、2人は部屋がなかったため、ジブチ側の好意により相部屋で3泊したという。ジブチ選手団関係者も「組織委が大混乱していた。相部屋ではリラックスできない」と話した。

 マラソンに出場したヤレド・アスメロン選手(27)は24日以降、ジブチ選手団と相部屋。同日夜、コーチと別々の場所に泊まることになったため、朝早く始まったマラソンに向け、十分な打ち合わせをすることができなかったという。団長は「肉体的にも精神的にも、大きな影響があった。今更、謝罪されても、どうしようもない」と嘆いた。

 ◇足りないのは事実

 ▽大会組織委の内山泰博広報室長の話 全体に選手・関係者の来日が多く、指定のホテルの部屋が足りなくなったのは事実だ。だが、別のホテルを用意していた。エリトリアの選手が床で寝たことは報告も受けていないし、確認していない。

毎日新聞 2007年8月29日 7時15分


(参考)記事2全文
世陸ボランティア、マナー違反!競技中に写真撮影
08/31 18:39

■業務の妨げ、指導を徹底へ
 世界陸上選手権大会で活動するボランティアが、メーン会場の長居陸上競技場(大阪市東住吉区)の観客席からカメラ付き携帯電話で競技中の選手を撮影していたとして、大会組織委員会が国際陸上競技連盟(IAAF)から抗議を受けていたことが31日、分かった。本来の業務に差し支える上、「見ていて気持ちのいいものではない」というのがその理由。組織委は「協力はありがたいがマナーは守って」と、撮影を確認した場合は「携帯電話没収」を掲げ再発防止に取り組んでいる。
 組織委によると、大会2日目の今月26日、大阪市内で開かれた打ち合わせ会議で、IAAFの担当者から「ボランティア活動員が競技中、客席などでところ構わず携帯電話で写真を撮っているのが見受けられる。やめさせてほしい」との抗議を受けた。
 肖像権上の問題などはないものの、客席での観客誘導や立ち入り可能エリアの指示をはじめ、報道関係者への競技結果の資料配布などの業務中にこうした行為があると、本来の業務の妨げになるためだ。
 大会ボランティアは公募で集まった10~80代の学生、主婦、会社員ら6273人で、約3割が20代。連日2000~3000人が、活動している。
 観客の誘導を担当する20代の女子大生は「マナーの悪いボランティアを見かけることはある。ハンマー投げの選手の姿を携帯電話で撮り、メールで友達に送ったと話す女の子もいた」。
 IAAFの抗議は翌日、ボランティアが活動する部署などに電子メールで伝えられ、各部署のミーティングで注意を促したり、ボランティアの集合場所に「撮影行為があった場合はカメラ・携帯電話を没収されます」と書いたビラを張り出したりして、マナー徹底を呼びかけた。
 実際に撮影したボランティアは特定されていないが、その後、IAAFからの抗議はないという。組織委は「ボランティアの方々の協力は非常にありがたい。だが、大会運営の妨げになりかねない行為は厳しく対処していく」と話す。
 これまで国体などでのボランティア活動に参加し、今回は記者やカメラマンの誘導に当たっている男性ボランティア(70)は「大規模なスポーツ大会での活動に慣れていない若い人を大量に受け入れ、きっちり教育が行き届いていないからだと思う。ボランティアに許されているのは、競技後、健闘をたたえて拍手を送ることでしょう」。


(無題)

2007-08-28 01:06:30 | バレーボール
さて、だいぶ前に、男子バレーの歴史は女子バレーの予言というネタを書いたことがある。もっと具体的に言えば、およそ12年の時差がある。
1995年ワールドカップで2位、1996年アトランタ五輪で優勝と、短い期間であったがオランダ男子の絶頂期はあった。まさに12年前のことである。ところがその記事を書いたときは、オランダ女子が世界大会で優勝するほど強くなることはあり得ないとして、その部分を考慮しないことにした。しかしながら、今のオランダ女子はかつてのオランダ男子の栄光に急速に近づきつつある。

いったい、男子バレーの歴史はここまで預言書なのか!?

そうだとすれば、なおさらのこと、日本女子はまともな方向へ軌道修正するのは待ったなしのはずなのだが。


オランダグランプリ初優勝

2007-08-27 02:22:05 | バレーボール
オランダグランプリ優勝!!おめでとうございます!!!

土曜日のポーランド戦も勝って王手をかけていたオランダ、結局決勝ラウンド全勝で自力で優勝を決めた。最終日のロシア戦、オランダが勝てば開催国中国に優勝の可能性がなくなる。当然ながら、会場はまともにアウェーの雰囲気だ。それも跳ね返した。このロシア戦は、ミスが多く出たチームがそのセットを失うというやはりぐたぐたした感じの展開だったけれども、フルセットで振り切った。
オランダ女子は主要な国際大会は初優勝、1995年の欧州選手権優勝以来のビッグタイトル獲得となる。

そして、マノンちゃん(フリール)MVP獲得である。
予選ラウンド後半から決勝ラウンドにかけて、優勝の原動力となった活躍を考えれば、当たり前といえば当たり前である。それでも、開催国の選手から無理矢理MVPを出すなんてばかげたことはしない。それも、中国は決勝R初日にオランダに惜敗した後4連勝で2位、予選Rに比べれば立て直している。
ことバレーボールに限って言えば、日本は、よその国に対して「民度が低い」などと言えるものではない。逆にそのように非難されても仕方がない。

チームがもっとも好調だったのは決勝ラウンド前半の中国戦からブラジル戦にかけてのようだ。
それに比べると、ポーランド戦からはチームの調子は下り坂になっていたように思える。ポーランド戦は、3セットすべて、序盤で一気にリードを奪いながら、サーブレシーブやトスが乱れてあっという間に逆転を許すという展開を繰り返した。第2セットに至っては、8-2オランダリードから11-14ポーランドリードになった。そこから、終盤でブロックが出たり、相手のミスに助けられたりもして再度逆転した。TTO直後にあっさりと4,5連続失点を許す、しかもそこでタイムアウトをなかなか取らないことも気がかりである。全体的な印象として、アビタル監督はタイムアウトを取るのは遅めである。
ロシア戦も、オランダ本来の形で戦ったとは言い難い。オランダはセンター攻撃からリズムを作るチーム、セッターがキムの場合はその傾向はさらに強くなる。しかしこのロシア戦は、センター攻撃の回数自体が少なく、サイドアタッカーの打ち合いを余儀なくされた。ふつうに考えれば、ガモワ・ソコロワ・ゴディナのロシア相手にサイド勝負で勝てるチームなどない。それでも勝った。

オランダは、ブロック得点は必ずしも多い方ではない一方、レシーブは他のヨーロッパチーム以上に鍛えられている。イタリアとかポーランドあたりは、ブロックでもっとシャットをねらいにきているように見える。コーチが日本人で監督アビタル・セリンジャー氏も日本のVリーグでの監督経験があることから、守備面については、日本のバレーとヨーロッパのバレーが融合した部分もあるように見える。

このグランプリ序盤、オランダは正セッターのフレデルスが怪我してしまい、キム・スターレンスが代わりに出場した。しかし結果としては間違いなくそれは幸いした。ここまでできるのなら、なぜもっと早く、もっと多くチャンスを与えなかったのかと思われる。アビタル監督は、選手の起用にしてもタイムアウトの取り方をとっても、ほかの欧州代表チームの監督に比べると「慎重」という印象を受ける。交代できる選手の数が少ないチーム事情もあるのだろうが、このあたりもむしろ日本チームの監督に近いと感じられる。

ワールドグランプリオランダ優勝(2)

2007-08-27 01:01:36 | バレーボール
(注)記事が長くなりすぎたため後で2分割しました。

ワールドグランプリのオランダの全成績を振り返る。
--- 予選ラウンド
X NED[0-3]BRA (20-25, 12-25, 12-25)
X NED[0-3]ITA (22-25, 18-25, 16-25)
O NED[3-0]TPE (25-16, 25-19, 25-13)
X NED[0-3]BRA (23-25, 23-25, 24-26)
O NED[3-2]JPN (25-18, 26-28, 25-20, 25-27, 15-11)
O NED[3-0]TPE (25-15, 25-19, 25-13)
O NED[3-1]CUB (27-25, 25-27, 25-18, 25-20)
O NED[3-2]CHN (25-23, 19-25, 23-25, 25-14, 15-12)
O NED[3-1]USA (25-18, 25-23, 11-25, 25-20)
予選ラウンド5位(6勝3敗)

--- 決勝ラウンド
O NED[3-2]CHN (28-26, 26-24, 23-25, 23-25, 15- 8)
O NED[3-1]ITA (26-24, 22-25, 27-25, 25-16)
O NED[3-2]BRA (19-25, 25-19, 25-23, 23-25, 15- 8)
O NED[3-0]POL (25-22, 25-22, 25-23)
O NED[3-2]RUS (21-25, 25-18, 25-13, 20-25, 15- 8)
最終結果優勝
第1週ははっきり言えば最悪のスタートだったのだ。ブラジルには3セットで44点しかとれずに負け、これまで得意にしていたイタリアにもストレートで負けた。このときは、今年は全くだめなのかと落胆した。予選ラウンド通過さえほぼ絶望だと思った。
それが、第2週の日本戦から決勝ラウンドに至るまでなんと10連勝。
今回グランプリの決勝ラウンドは6チーム1回戦総当たりだから、問答無用で世界トップチームすべてに当たる。この10連勝には、去年の世界選手権の1~7位の全チームに対する勝利(今大会に出場していないセルビアを除く)、同時に歴代の三大大会優勝の全チームに対する勝利を含む。

…これは奇跡という表現でも足りない。
「見たこともないような奇跡は確かに起きた」と、先週の記事で使ってしまった。ポーランドが6連勝で決勝ラウンド進出を確定したときに。それを遙かに超える超特大の快挙が起きるなど、予想もしていなかったから。

Flying Dutch Girls

2007-08-25 14:43:06 | バレーボール
予選ラウンド最大の波乱を巻き起こしたのはポーランドだったが、決勝ラウンドではオランダが台風の目になっている。それどころか優勝さえ狙える状況になっている。

CHN - NED 2-3 (26-28, 24-26, 25-23, 25-23, 8-15)
ITA - NED 1-3 (24-26, 25-22, 25-27, 16-25)
BRA - NED 2-3 (19-25, 25-19, 25-23, 23-25, 8-15)

この躍進の中心選手は、もちろんフリールである。予選ラウンド後半から活躍が飛び抜けて目立っていたが、この決勝ラウンドでさらに加速している。第2戦のイタリア戦では4セットの試合で実に30得点している。フリールのサーブで連続得点につながる場面も多い。また、フィッセルの速攻は依然として驚異的な切れ味があり、アタック決定率では断然の1位である。単純に決定率が高いだけではなく、最近の大会の傾向として、センターの選手はアタック打数が規定に足りず決定率のランクから外れることが多い。フィッセルがアタック決定率1位となっていることは、それだけ速攻を使える場面が多いことも意味する。
競り合った試合をものにして躍進したのは、4年前のグランプリを思い出す。そのときの4位がオランダとしてはグランプリでの最高成績である。今回はそれ以上の成績となることはすでに確定している。
しかし、そのときと比べても内容が違う。4年前は相手に先行される試合が続き、そこから大逆転する試合が多かった。アウェーで14回マッチポイントをしのいだ超絶勝利とか2セットダウンから3セット連取最終セット22-20で勝ちとか、そのような奇跡的試合が何度もあった。今回、予選ラウンドから通算で8連勝の内容を見ていると、ほとんどの試合で先手はオランダがとっている。すなわち「強いチーム」の試合に近づいていると思う。序盤から中盤は先行しながら逆転を許すセットもいくつかあるし、楽にとれそうでも粘られる試合も多いけれども、それでも最後には振り切っている。これで、とるべきセットを確実にとれるようになれば、横綱相撲である。

今朝から陸上だし、来週月曜からはテニス全米オープンも始まる。来週は発狂しそうな日程だ。

しかし、今日明日はグランプリに最大集中!オランダを応援する!!