開催国日本が空中分解状態の今回陸上世界選手権、エリトリア選手団5人が、組織委員会の用意した部屋に泊まることができず、ホテルの床に毛布を敷いて寝るという、非常事態が発生した。さらにその後も部屋が割り当てられず、ジブチの選手団が見るに見かねて一緒の部屋で寝ることを申し出、3日間にわたって両国が相部屋となった。世界陸上: 手配ミスで部屋ない エリトリア選手、床で一夜(毎日新聞)(記事1)
それも、この事態は偶発的に起きたのではなく、起きるべくして起きたもののようだ。gigazine.netの記事で、現場は想像を絶する混乱であることが暴露された。まずボランティアのシフトを管理するシステムの故障が諸悪の根元。その上に、一般から募集されたボランティアと、強制的にかり出された大阪市などの職員とで、連携がとれていないようだ。
当然のごとく、IAAFからはクレームが出たようだ。ボランティアの質が悪すぎ、スタジアム内の学連の学生も最低だと。
今大会では、ボランティアが、観客席からカメラ付き携帯電話で競技中の選手を撮影していたとして、大会組織委員会が国際陸上競技連盟(IAAF)から抗議を受けるという不祥事も発覚している。世陸ボランティア、マナー違反!競技中に写真撮影(記事2)
まだ大会は終わっていないけれども、開催国日本の想像を絶する不出来、運営の大混乱・不祥事と、今大会はすでに
「黒歴史」
確定である。
現場で大会の運営に当たっている方々には、何とか無事に最後まで終わらせていただきたいと祈るような気持ちだ。
それにしても、これは、世界的なイベント開催において日本の評判を確実に大きく落とす。今東京が五輪招致を目指しているが、きわめて大きなマイナスになることは間違いない。
(参考)記事1全文
世界陸上: 手配ミスで部屋ない エリトリア選手、床で一夜
開催中の世界陸上大阪大会で、エリトリア選手団の選手ら5人が開幕2日前の23日、指定先のホテルに宿泊しようとしたが部屋が確保されず、1階ラウンジの床に毛布を敷いて夜を明かしたことが分かった。マラソンと一万メートルでそれぞれ4位となった男子選手2人もいた。その後も宿泊を巡る混乱は続き、ベイエネ・ルサム団長(54)は「いいコンディションで競技に臨みたかった」と大会運営に強い不満を訴えている。【石川隆宣、渋江千春、花岡洋二】
滞在先は大阪市などで作る大会組織委員会が市内6カ所のホテルを選手村として用意し、滞在先の割り当ても担当していた。同選手団は、団長が20日に来日、23日夜に男女選手とコーチの5人が大阪市内の指定先ホテルに到着した。事前に申告した人数だった。
同選手団によると、ホテルにいた組織委の担当者に「部屋がない」と言われた。担当者は待機を指示。だが、結局部屋は用意されず、選手らは24日未明になって、1階ロビーから続くラウンジの隅に椅子を動かして場所をあけ、フロントで借りた毛布12枚を敷いて夜を明かしたという。
24日早朝、見かねた同国の隣国であるジブチ選手団が、自室の空きベッドを提供し3人が休んだ。同日夜、3人は別のホテルに用意された部屋に泊まったが、2人は部屋がなかったため、ジブチ側の好意により相部屋で3泊したという。ジブチ選手団関係者も「組織委が大混乱していた。相部屋ではリラックスできない」と話した。
マラソンに出場したヤレド・アスメロン選手(27)は24日以降、ジブチ選手団と相部屋。同日夜、コーチと別々の場所に泊まることになったため、朝早く始まったマラソンに向け、十分な打ち合わせをすることができなかったという。団長は「肉体的にも精神的にも、大きな影響があった。今更、謝罪されても、どうしようもない」と嘆いた。
◇足りないのは事実
▽大会組織委の内山泰博広報室長の話 全体に選手・関係者の来日が多く、指定のホテルの部屋が足りなくなったのは事実だ。だが、別のホテルを用意していた。エリトリアの選手が床で寝たことは報告も受けていないし、確認していない。
毎日新聞 2007年8月29日 7時15分
(参考)記事2全文
世陸ボランティア、マナー違反!競技中に写真撮影
08/31 18:39
■業務の妨げ、指導を徹底へ
世界陸上選手権大会で活動するボランティアが、メーン会場の長居陸上競技場(大阪市東住吉区)の観客席からカメラ付き携帯電話で競技中の選手を撮影していたとして、大会組織委員会が国際陸上競技連盟(IAAF)から抗議を受けていたことが31日、分かった。本来の業務に差し支える上、「見ていて気持ちのいいものではない」というのがその理由。組織委は「協力はありがたいがマナーは守って」と、撮影を確認した場合は「携帯電話没収」を掲げ再発防止に取り組んでいる。
組織委によると、大会2日目の今月26日、大阪市内で開かれた打ち合わせ会議で、IAAFの担当者から「ボランティア活動員が競技中、客席などでところ構わず携帯電話で写真を撮っているのが見受けられる。やめさせてほしい」との抗議を受けた。
肖像権上の問題などはないものの、客席での観客誘導や立ち入り可能エリアの指示をはじめ、報道関係者への競技結果の資料配布などの業務中にこうした行為があると、本来の業務の妨げになるためだ。
大会ボランティアは公募で集まった10~80代の学生、主婦、会社員ら6273人で、約3割が20代。連日2000~3000人が、活動している。
観客の誘導を担当する20代の女子大生は「マナーの悪いボランティアを見かけることはある。ハンマー投げの選手の姿を携帯電話で撮り、メールで友達に送ったと話す女の子もいた」。
IAAFの抗議は翌日、ボランティアが活動する部署などに電子メールで伝えられ、各部署のミーティングで注意を促したり、ボランティアの集合場所に「撮影行為があった場合はカメラ・携帯電話を没収されます」と書いたビラを張り出したりして、マナー徹底を呼びかけた。
実際に撮影したボランティアは特定されていないが、その後、IAAFからの抗議はないという。組織委は「ボランティアの方々の協力は非常にありがたい。だが、大会運営の妨げになりかねない行為は厳しく対処していく」と話す。
これまで国体などでのボランティア活動に参加し、今回は記者やカメラマンの誘導に当たっている男性ボランティア(70)は「大規模なスポーツ大会での活動に慣れていない若い人を大量に受け入れ、きっちり教育が行き届いていないからだと思う。ボランティアに許されているのは、競技後、健闘をたたえて拍手を送ることでしょう」。
それも、この事態は偶発的に起きたのではなく、起きるべくして起きたもののようだ。gigazine.netの記事で、現場は想像を絶する混乱であることが暴露された。まずボランティアのシフトを管理するシステムの故障が諸悪の根元。その上に、一般から募集されたボランティアと、強制的にかり出された大阪市などの職員とで、連携がとれていないようだ。
当然のごとく、IAAFからはクレームが出たようだ。ボランティアの質が悪すぎ、スタジアム内の学連の学生も最低だと。
今大会では、ボランティアが、観客席からカメラ付き携帯電話で競技中の選手を撮影していたとして、大会組織委員会が国際陸上競技連盟(IAAF)から抗議を受けるという不祥事も発覚している。世陸ボランティア、マナー違反!競技中に写真撮影(記事2)
まだ大会は終わっていないけれども、開催国日本の想像を絶する不出来、運営の大混乱・不祥事と、今大会はすでに
「黒歴史」
確定である。
現場で大会の運営に当たっている方々には、何とか無事に最後まで終わらせていただきたいと祈るような気持ちだ。
それにしても、これは、世界的なイベント開催において日本の評判を確実に大きく落とす。今東京が五輪招致を目指しているが、きわめて大きなマイナスになることは間違いない。
(参考)記事1全文
世界陸上: 手配ミスで部屋ない エリトリア選手、床で一夜
開催中の世界陸上大阪大会で、エリトリア選手団の選手ら5人が開幕2日前の23日、指定先のホテルに宿泊しようとしたが部屋が確保されず、1階ラウンジの床に毛布を敷いて夜を明かしたことが分かった。マラソンと一万メートルでそれぞれ4位となった男子選手2人もいた。その後も宿泊を巡る混乱は続き、ベイエネ・ルサム団長(54)は「いいコンディションで競技に臨みたかった」と大会運営に強い不満を訴えている。【石川隆宣、渋江千春、花岡洋二】
滞在先は大阪市などで作る大会組織委員会が市内6カ所のホテルを選手村として用意し、滞在先の割り当ても担当していた。同選手団は、団長が20日に来日、23日夜に男女選手とコーチの5人が大阪市内の指定先ホテルに到着した。事前に申告した人数だった。
同選手団によると、ホテルにいた組織委の担当者に「部屋がない」と言われた。担当者は待機を指示。だが、結局部屋は用意されず、選手らは24日未明になって、1階ロビーから続くラウンジの隅に椅子を動かして場所をあけ、フロントで借りた毛布12枚を敷いて夜を明かしたという。
24日早朝、見かねた同国の隣国であるジブチ選手団が、自室の空きベッドを提供し3人が休んだ。同日夜、3人は別のホテルに用意された部屋に泊まったが、2人は部屋がなかったため、ジブチ側の好意により相部屋で3泊したという。ジブチ選手団関係者も「組織委が大混乱していた。相部屋ではリラックスできない」と話した。
マラソンに出場したヤレド・アスメロン選手(27)は24日以降、ジブチ選手団と相部屋。同日夜、コーチと別々の場所に泊まることになったため、朝早く始まったマラソンに向け、十分な打ち合わせをすることができなかったという。団長は「肉体的にも精神的にも、大きな影響があった。今更、謝罪されても、どうしようもない」と嘆いた。
◇足りないのは事実
▽大会組織委の内山泰博広報室長の話 全体に選手・関係者の来日が多く、指定のホテルの部屋が足りなくなったのは事実だ。だが、別のホテルを用意していた。エリトリアの選手が床で寝たことは報告も受けていないし、確認していない。
毎日新聞 2007年8月29日 7時15分
(参考)記事2全文
世陸ボランティア、マナー違反!競技中に写真撮影
08/31 18:39
■業務の妨げ、指導を徹底へ
世界陸上選手権大会で活動するボランティアが、メーン会場の長居陸上競技場(大阪市東住吉区)の観客席からカメラ付き携帯電話で競技中の選手を撮影していたとして、大会組織委員会が国際陸上競技連盟(IAAF)から抗議を受けていたことが31日、分かった。本来の業務に差し支える上、「見ていて気持ちのいいものではない」というのがその理由。組織委は「協力はありがたいがマナーは守って」と、撮影を確認した場合は「携帯電話没収」を掲げ再発防止に取り組んでいる。
組織委によると、大会2日目の今月26日、大阪市内で開かれた打ち合わせ会議で、IAAFの担当者から「ボランティア活動員が競技中、客席などでところ構わず携帯電話で写真を撮っているのが見受けられる。やめさせてほしい」との抗議を受けた。
肖像権上の問題などはないものの、客席での観客誘導や立ち入り可能エリアの指示をはじめ、報道関係者への競技結果の資料配布などの業務中にこうした行為があると、本来の業務の妨げになるためだ。
大会ボランティアは公募で集まった10~80代の学生、主婦、会社員ら6273人で、約3割が20代。連日2000~3000人が、活動している。
観客の誘導を担当する20代の女子大生は「マナーの悪いボランティアを見かけることはある。ハンマー投げの選手の姿を携帯電話で撮り、メールで友達に送ったと話す女の子もいた」。
IAAFの抗議は翌日、ボランティアが活動する部署などに電子メールで伝えられ、各部署のミーティングで注意を促したり、ボランティアの集合場所に「撮影行為があった場合はカメラ・携帯電話を没収されます」と書いたビラを張り出したりして、マナー徹底を呼びかけた。
実際に撮影したボランティアは特定されていないが、その後、IAAFからの抗議はないという。組織委は「ボランティアの方々の協力は非常にありがたい。だが、大会運営の妨げになりかねない行為は厳しく対処していく」と話す。
これまで国体などでのボランティア活動に参加し、今回は記者やカメラマンの誘導に当たっている男性ボランティア(70)は「大規模なスポーツ大会での活動に慣れていない若い人を大量に受け入れ、きっちり教育が行き届いていないからだと思う。ボランティアに許されているのは、競技後、健闘をたたえて拍手を送ることでしょう」。