雑記帳(新居)

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(無題)

2011-07-14 23:30:00 | テニス
もう少しクビトバの話題で引っ張ってみる。
ウィンブルドン優勝以降、いろいろとクビトバに関するニュースが報道されている。いくつかの情報からすると、どうもものが違うらしいのだ。
(あまり書くと本当にほめ殺しになりそうなので書きすぎたくはないが)

  • プロを目指し、本格的なテニスのレッスンを始めて、わずか5年でウィンブルドン優勝

  • テニス界のQueen Motherが、クビトバが女子テニスの未来だと信じている


まず一つ目。英国Independent紙の記事。
http://www.independent.co.uk/sport/tennis/skodadriver-kvitova-makes-fast-progress-to-conquer-sharapova-2306313.html
クビトバが、プロのテニス選手を目指し、本格的なクラブ・コーチの元で練習を始めたのは、16~17歳のときだという。それまでは、毎日、学校の授業が終わった後に1時間の練習で、練習環境も質素なものだったらしい。そこからウィンブルドン優勝まで、わずか5年ということだ。だから、年齢ではなくテニスの経験で言えば、ウォズニアッキやアザレンカに比べればもちろん、年少のパブリュチェンコワあたりとよりも短いはずである。

二つ目は、Oracene Williams(ウィリアムズ姉妹の母)のツィッターで、本年の1/29に次のようなツイートがある。
http://twitter.com/#!/Oracene


(これは、現役で姉妹以外で偉大な選手は、というような質問への回答らしいが、レスの元記事が消えているので、文脈は今となってははっきりとわからない。)
ウォズニアッキとかアザレンカの名前を出さず、"she (Kvitova) is the future if she stay healthy"と言い切っている。
1月末なので、クビトバがベスト8だった全豪オープンの直後である。この時点で、これを真に受けるファンはほとんどいなかった。しかし、クビトバは、この直後から、パリインドア、マドリード優勝と急速にステップアップし、得意とは思えないレッドクレーでも優勝のリーナからセットを奪い、そしてウィンブルドンで圧巻の優勝。(注: マドリードでの優勝はあるが、マドリードのレッドクレーはやたらと速く、他のレッドクレーと同じには考えにくい)
改めて慧眼に感服させられたという話である。グランドスラムシングルスだけで20冠の姉妹の母親だ。選手の素質を見抜く眼はそれだけ確かなはずだ。

ところで、クビトバを最初に見たときは、ピエルスに近いと思っていたけれども、力みがなく、強打しているように見えなくてとんでもない強打を放つのは、むしろダベンポートを思い起こさせる。(tennisforumではしばしばダベンポートと比較されている)芝やインドアの高速コートを得意とする点でも、ピエルスよりはダベンポートに近いようだ。

ウィンブルドン後のランキング

2011-07-10 23:51:00 | テニス
ウィンブルドン終了時点で、年末ツアー選手権出場に向けた、レースランキングは次の通りである。上位5人まで当選確実と言える。6位のバルトリもかなり有利だが、残り2枠は全くわからない。現時点でかなり下位の選手が一気に躍進することもあり得る。

Race Singles (As of July 4, 2011)

item11. Caroline Wozniacki 5776 (14)
item12. Petra Kvitova 5037 (12)
item13. Li Na 4947 (12)
item14. Maria Sharapova 4840 (8)
item15. Victoria Azarenka 4502 (13)
6. Marion Bartoli 3816 (17)
7. Vera Zvonareva 3176 (13)
8. Kim Clijsters 3160 (9)
------------------------------------------------------
9. Francesca Schiavone 3094 (14)
10. Andrea Petkovic 2631 (13)
------------------------------------------------------
11. Peng Shuai 2337 (16)
12. Jelena Jankovic 2196 (14)
13. Samantha Stosur 2080 (13)
14. Svetlana Kuznetsova 2002 (13)
15. Agnieszka Radwanska 1897 (11)
16. Yanina Wickmayer 1881 (14)
17. Anastasia Pavlyuchenkova 1857 (13)
18. Julia Goerges 1827 (14)
19. Daniela Hantuchova 1787 (16)
20. Sabine Lisicki 1766 (13)

()内は今季の出場大会数

今年度末のランク1位も微妙になってきた。ウォズニアッキ、クビトバ、リーナ、シャラポワで激しい争いになる可能性がある。

確かにキャロが依然としてリードを保ってはいる。しかしながら、ランキングポイントの計算は、必ずカウントされる大会(グランドスラム、必須プレミア、年末ツアー選手権)と、それ以外でポイントの高い方から7大会の合計になる。キャロは大会に出すぎかつ必須以外の大会で稼ぎすぎのため、必須以外では、プレミア5で優勝でもしない限りポイントをそれほど増やせない。一方、クビトバ、リーナ、シャラポワには、「空きの大会の枠」がまだ十分にある。3選手の今後のスケジュールと照らし合わせると、事実上、この先出場した全大会がカウントされると考えて問題ない。
また、クビトバ、リーナ、シャラポワについては、この先守るポイントが少ないのも目立つ。特にクビトバは事実上皆無、リーナについても、北京の準決勝進出が唯一の大きなポイントである。一方、ズボナレワ、キムは、この後シーズン後半に守るポイントが極端に多い。そもそもキムはいつ復帰できるのかよくわからないが。(キャロは、ここまで獲得したポイント・この先守るポイントとも最も多いが)


ウィンブルドン決勝

2011-07-03 21:18:00 | テニス
クビトバすごい!よくやった!!!!!

大会の最初から最後まで、攻撃力で相手を圧倒し、グランドスラムを勝ちきれる、
このような選手が新しく出てくるのを一体どれくらい待ったことか…
もう、うれしくてうれしくてしょうがないわけで。(もちろん、シャラポワが完全復活優勝でも、うれしくて走り回るくらいだったのだが)
願わくば、今後もっともっと多くのグランドスラム、ビッグタイトルをとってほしい。イバノビッチのようなone tournament wonderにはならないように。

この決勝戦、二人とも固さが目立ったように思え、決してベストの試合ではなかったように思えた。

しかし間違いなく言えることは、今大会一貫して優勝に最もふさわしい試合をしていた選手が、そのまま優勝したということだ。準決勝まで苦戦していたが決勝で突然開眼、といったことではない。
今大会、ライブストリームを駆使して、クビトバの試合は初戦を除く合計6試合を見ている。この決勝戦を含め、その全ての試合で、フォア・バック両方からの破壊力で相手を圧倒する横綱相撲を続けた。
ストロークが続けばシャラポワ有利かと思っていたが、それですらクビトバが攻める場面のほうが多かった。というか、シャラポワですら、思い切り打ち込む場面はそれほど多くなく、打球の速度を落として慎重にコントロールしているように見えた。見方を変えれば、そうさせるほど、クビトバの攻撃力が尋常でない。そしてクビトバは、チャンスボールのミスとかダブルフォルトとか、自滅といえるようなミスでゲームを失っても(特に第2セット)、決してひるむことなく強打で押し続けた。
シャラポワは、ここまで素晴らしい形で勝ち上がってきたが、もう少し、サーブの球種・緩急・角度を増やさないと、今大会のクビトバの勢いを止めるのは難しかった。第1セットの第6ゲームなど、不安に思っていたダブルフォルトがブレークに直結してしまった。

クビトバは、フォア・バック両方からのすさまじい強打が目立つけれども、その一方で、初めてのグランドスラム決勝とは思えない冷静さも持ち合わせていた。
シャラポワは、リターンゲームで、ワイドのサーブ(特にアドコートで左利き特有の外に逃げていくサーブ)を予期して上手く対応していた。それに対し、第2セット中盤以降、クビトバはボディのサーブ多用に変更し、それが効果的だった。そして、最後の最後で、センターにサービスエース。この決勝戦、最初で最後の1本が優勝を決める1本。この場面はしびれた。

クビトバは3回戦までも猛攻で簡単に勝ち上がっていたが、これは次元が違うと感じたのは、その次の4回戦。Wickmayerとの対戦(トップ20選手であり、過去の対戦ではもつれた試合が多かった)で、6-0 6-2の45分で完勝。ありとあらゆる角度に驚異的なウィナーを打ち込み続ける、破格のスケールの試合だった。しかも、ほとんどラリーをせずにウィナーを決めるから、相手としては、ただコートに立っているだけだった。
ハイライト動画:
(2R) http://www.youtube.com/watch?v=X_A94no-VkE
(3R) http://www.youtube.com/watch?v=Ow6v_Gt082U
(4R) http://www.youtube.com/watch?v=7lrDyLDGWnQ
(QF) http://www.youtube.com/watch?v=NI_rW0VdeVI

普通のハードヒッターは赤く燃え上がる炎のイメージだが、クビトバの場合は青白い炎で燃やされる感じだ。前者のほうが派手に見えるが、実際は後者のほうが高温で、きれいに燃やされて何も残らない。

ウィンブルドン決勝前

2011-07-02 14:31:00 | テニス
[5] Maria Sharapova def. [WC] Sabine Lisicki 6-4 6-3
[8] Petra Kvitova def. [4] Victoria Azarenka 6-1 3-6 6-2

Hell YEEEEEEEESS!!!!!
今大会何度そうやって叫んだかな。
シャラポワ対クビトバ、ローランギャロスからこの対決が実現するのを待っていた。

この決勝、サーブさえ安定すればシャラポワに有利と思う。
今大会のシャラポワのストロークとリターンは、他の選手とはちょっと次元が違う。クビトバに対しては、小細工は使わず、単純に速い打球で押し込んでいけばよいと思う。今のシャラポワのストロークの力なら、クビトバとてそうそうウィナーは奪えず、また、守備力のある選手ではないから、厳しい打球を続けて打てば切り替えされることはまずはないだろう。(念のため: これは「ほめ殺し」を意図していない)
いずれにせよ、長いラリーになる場面は少なく、少しでも相手の打球が甘くなれば直ちに思い切り強打をたたき込む、そのような展開が続くだろう。

アザレンカに関するジンクス

2011-07-01 23:59:00 | テニス
アザレンカについてすごい話がある。
3月前半のインディアンウェルズ以降、出場した全ての大会において、「アザレンカに勝った選手が優勝」か「アザレンカ本人が優勝」かのどちらかである。
インディアンウェルズ: キャロ相手に途中棄権(QF)->キャロ優勝
マイアミ: アザレンカ優勝
Marbella: アザレンカ優勝
シュツットガルト: ゲルゲス相手に途中棄権(2R)->ゲルゲス優勝
マドリード: クビトバに敗戦(F)==クビトバ優勝
ローマ: シャラポワ相手に途中棄権(QF)->シャラポワ優勝
ローランギャロス: リーナに敗戦(QF)->リーナ優勝
イーストボーン: バルトリ相手に途中棄権(QF)->バルトリ優勝
ウィンブルドン: クビトバに敗戦(SF)->クビトバ優勝

さてこれは今後も続くのだろうか。