雑記帳(新居)

移転完了しました

(無題)

2011-05-31 23:59:00 | テニス
今大会のシャラポワは、「このままではだめだ、負ける」と思われたまさにその瞬間に、プレーのレベルが一気に上がる。
シャラポワはそういう強さをなぜか持っている。これは経験を積んで得たものではなく、衝撃的なウィンブルドン初優勝の頃からそうだったと記憶している。

2回戦、地元の17歳のワイルドカード選手Garcia相手に、3-6 1-4(*)のビハインドとなった場面もそうだった。(その後実に11ゲーム連取の逆転勝ちだった)
(注)試合途中のスコアを表記する場合、ゲームカウントの*または(*)は、そのゲームでのサーバーを表す。(ゲーム完了時点のスコアの場合は、その次のゲームでのサーバー)

そして4回戦、順当にラドワンスカとの対戦となったが、この試合も、序盤はラドワンスカの守備力と、前後左右への揺さぶりのために、シャラポワは全く持ち味を出せなかった。ミスを連発し、1(*)-4 15-40で、セットポイントにほぼ等しいブレークポイント2本のピンチを迎えていた。
その場面で突然シャラポワが「目を覚ました」。これまでミスばかりだったストロークがぎりぎりに入るようになり、弾丸のようなウィナーも次々と決まった。

15-40から4ポイント連取、シャラポワが逆転で第6ゲームをキープ。次の第7ゲーム、5回のデュースにもつれたが、シャラポワがブレークに成功。このセットはタイブレークに突入したが、シャラポワが強打でタイブレーク7-4と押し切った。
第2セットは序盤はシャラポワが先行していた。ところが、このセットの中盤以降は、ラドワンスカも本来のプレーを取り戻す。多彩な展開とねばり強さが戻ってきて、逆転しセットポイントを迎えた。第2セットの第9ゲームでは、3(*)-5 15-40、第10ゲームには4-5(*) 0-40の場面があった。ところが、シャラポワはそのセットポイントをとらせない。第9,10ゲームでラドワンスカに合計5回のセットポイントがあったが、それを全て跳ね返した。試合の流れは一気にシャラポワに傾いた。シャラポワが4ゲーム連取、試合最後の14ポイントのうち13ポイントがシャラポワという一気呵成の逆転。7-6(4) 7-5のスコアでシャラポワが勝った。

シャラポワ対ラドワンスカという対戦は、互いに相手の持ち味を引き出す組み合わせになっており、面白い試合になる可能性が高い。今回の対戦もそれを裏切らないものになった。往年のダベンポート対ヒンギスを思い出させるものがある。この試合、2セットで、シャラポワのはWinner 47, Unforced Error 44、いずれもラドワンスカの4倍近くという派手さだった。(Winner 13, Unforced Error 12)

00年代は遠い昔に

2011-05-29 17:59:00 | テニス
パティ・シュナイダーが正式に引退表明。
いつ引退が発表されてもおかしくはない雰囲気だったのだが。とにかく長い間お疲れ様。

デメとエナンも引退してしまったし、ウィリアムス姉妹も故障でずっと出てこない、今大会はキムも早々と敗退。過去の10年くらいツアーで活躍した選手が急速に姿を消しており、00年代は遠い昔になってしまったように思える。
そうなれば新しいスターが入れ替わって出てくるのは必然だ。

全仏オープン(3回戦まで)

2011-05-29 17:42:00 | テニス
やはり番狂わせはいろいろ起きるものだ。予想もさっぱり当たらない。
ウォズニアキとクライシュテルス、第1シード第2シードの両方が3回戦以前で敗退とは、オープン化以降の四大大会で初めてという非常事態だ。
さらに予想外だったのは、

ストーサーとゲルゲスの両方が3回戦で敗退したこと。バルトリ対ゲルゲスという対戦については、ランクは確かにバルトリが上なのだが、バルトリはクレーを苦手としており今季の前哨戦でもストラスブール以外は全て2回戦までに敗退、ゲルゲスのほうが有利と思っていた。(バルトリの得意は芝とか米国ハードコードなどの速いコート)

キャロにはそれほど期待をしていなかったのだが、いくら何でもハンチュコバに敗退とは予想の斜め上だ。ランク下位でも波乱を起こしそうな気配のする選手はいるのだが、ハンチュコバは全く逆で、上位との対戦では最も番狂わせをしそうにない。
そのまたさらに斜め上なのはキムなのだが…予選上がりのRusとの対戦で、6-3, 5-2のリードでマッチポイントまで握り、無難に勝ちと思われたところから逆転負け。試合後半はとにかく1ゲームが遠く、ゲームポイントやブレークポイントを何度も握りながらそれを逃し続けた。後半の12ゲームのうち11ゲームをRusに奪われた。

一方、プラスの意味で最も読みを誤ったのはクズネツォワ。前哨戦の成績は、マドリード・ローマとも1回戦敗退と惨憺たるものだったが、全仏1回全米1回の優勝経験者を軽視すべきではなかった。トップハーフでは最も充実した内容で勝ち上がっており、ビッグタイトルの経験という観点でも最も優位である。


全仏オープンスタート

2011-05-22 18:32:00 | テニス
久しぶりにやりますか。
以前と同じように、第1シードを最も上、第2シードを最も下になるように並べ、8分割してみていく。
全体としてはボトムハーフが激戦区でトップハーフはやや緩いという印象。ベスト8までは番狂わせが起きにくそうな組み合わせに見える。

あと、開幕戦を見たが、噂通り、今年の全仏のコートは速い。(コートというより、晴天続きと使用球のせいらしい)

1/8
ベスト8まではよほどのことがない限りキャロが勝ち上がるだろうが、キャロの悲願の初の四大大会優勝に向けて、準々決勝以降は至難の道のりだ。この後で触れるが、準々決勝はたぶんストーサーかゲルゲス、それに勝ったとして準決勝はズボナレワが最も可能性が高い(?)、決勝はクライシュテルス・シャラポワ・アザレンカ・クビトバの誰が来ても至難。

それにしても、クルム伊達の上位シードを当てる引きは凄い。復帰以降四大大会出場8回で7回がシード、3回が1桁シードとは。(抽選でシードを当てる確率は3分の1、四大大会の1桁シードなど10分の1くらいのはずだが)今回はついにNo.1を当ててしまった。

2/8
前哨戦の結果から判断する限り、4回戦でストーサー対ゲルゲスの対戦となる可能性が高い。その対戦で勝ったほうが決勝まで勝ち抜ける可能性も十分にある。

3/8
ズボナレワはクレーを得手とする印象ではないが、今回は明らかにラッキードロー。2回戦でリシキとの対戦が予想され、ここが要注意だが、これさえクリアすればベスト4までも道が開ける。4回戦までは問題になりそうな対戦はない。準々決勝はヤンコビッチかスキアボーネのどちらかと対戦と思われるが、ヤンコビッチにも現在5連勝中、スキアボーネなら10戦全勝と得意にしている相手だ。

4/8
ヤンコビッチとスキアボーネと、クレー巧者が2人入った区画で、順当ならこの2人が4回戦に進出する。しかし、今季はこの2人が肝心のクレーシーズンでさえない。コンディションさえ十分に回復していれば、Shuai Pengが番狂わせを起こすかもしれない。(Shuai Pengは直前のブリュッセルで決勝進出、キャロと2時間半の激戦を演じ、試合終盤は足が動かない感じだった)

5/8
番狂わせが起きる可能性も高い激戦区。
クビトバは、前哨戦のマドリードで優勝し注目されているが、1回戦はArn(ローマでベスト8)、3回戦はクレー巧者のチブルコワの予想と、序盤から厳しい対戦が続き早期敗退の可能性が大きい。このようなハードヒッターの場合、逆に、第1週を切り抜けたら一気に突っ走る可能性が高くなる。
Na Liは、4回戦までは進める可能性が高いがそれ以上勝ち進むのは容易ではない。

6/8
アザレンカが順当にベスト8まで勝ち進む可能性が高い。準々決勝も、クビトバが勢いに乗ってきた場合は押し切られる恐れが大きくなるが、それ以外ならアザレンカ有利だろう。ただ、アザレンカの場合、アクシデントが怖い。

7/8
シャラポワの生涯グランドスラム達成も至難だ。2回戦まではともかく、3回戦のザコパロバ、4回戦ラドワンスカとの対戦が予想され、いずれもしつこく簡単には勝てない。そして準々決勝まで進出すればほぼ確実にクライシュテルスと対戦。キムに勝てたとしても、準決勝ではクレーシーズンで躍進のアザレンカかクビトバとの対戦が予想され、これも非常に厳しい対戦。

8/8
クライシュテルスはけがのためクレーの前哨戦を完全に欠場。試合勘がどれくらい戻るか気がかりだが、クライシュテルスを脅かすような爆発力のある選手は見あたらない。準々決勝までは無難に進出だろう。順当に大会が進んだ場合、シャラポワとの準々決勝が事実上の決勝かもしれない。