何とか無事に大会を終わらせてほしい、そう思っていたところ、あってはならないことが起きてしまった。
これまで発覚したのは、競技中以外のトラブル・不祥事である。(もちろん、ホテルの部屋がなかった件は、選手のパフォーマンスに影響を与えた可能性は大きいが)ついに、競技中の大失態である。50キロ競歩で、日本の山崎選手が、係員の誘導の誤りで1周周回が足りないまま競技場に入ってしまい、失格となった。まさか誘導ミス!山崎、周回不足でゴール 男子50キロ競歩(iza)(記事1)
50キロ競歩はトップ選手でもゴールまで4時間近くかかる、ただでさえ陸上競技では飛び抜けて過酷な種目、しかもこの時期の大阪だからゴールする頃には30度前後になり湿度も高い。このような形で失格になった選手の無念は、どれほどのものなのか。
それでも、これが日本人選手でまだよかったのか。外国の選手だったら、下手をしたら国際問題になりかねない。
(参考)記事1全文
まさか誘導ミス!山崎、周回不足でゴール 男子50キロ競歩
09/01 12:32
陸上の世界選手権第8日は1日、大阪・長居陸上競技場で行われ、男子50キロ競歩で2大会連続の入賞と北京五輪代表入りを目指した山崎勇喜(長谷川体育施設)は同競技場付近で係員が誤って場内に誘導する大失態で、そのままゴールしコース離脱で失格となった。
大会組織委員会は競技終了後に記者会見し、ミスを認めて謝罪、審判員と周回記録員の連携ミスだったと説明した。審判員が最終周だと間違って山崎を場内に呼び込んだとしている。
◇
悲劇としかいいようがない。酷暑のサバイバルレースとなった男子50キロ競歩の48キロ手前だ。4時間近くも死力を尽くし、8位の入賞圏内に踏みとどまっていた山崎が係員の誘導ミスという大失態で競技場へ入っていく。脚の動きはよれ、意識はもうろうとしていた。
観客のどよめきが起こる中、ゴール後は倒れ込んで動けなかった。地元開催で、しかも日本のエースが悲運に泣いた。前回8位に続く日本選手初の連続入賞を視界にとらえ、北京五輪切符も目前にしていた。予想もしないトラブルに巻き込まれコース離脱による失格という結果に、担架で運ばれる表情には無念さがにじんだ。
ゴールした時、山崎はカメラマンに向かって「ぼくはゴールしたんですか」とひと言いって倒れたという。
スタート時の気温27・5度、湿度70%。過酷な条件でも一時は優勝争いを演じ、メダルでも入賞でもなく、勝負にいった。異変が起こったのは35キロすぎ。前半のハイペースがたたり、急激にペースが落ちた。だが限界寸前でも粘り抜いた。驚異のスタミナで競歩仲間から「怪物」と呼ばれる23歳の第一人者はゴールだけを目指していた。
指導を受けてきた元五輪選手の斉藤和夫コーチが昨年他界し、女子マラソン界で浅利純子らを育てたダイハツ陸上部前監督の鈴木従道氏が専任コーチに就任。マラソンと同じ高地合宿を取り入れ、心肺機能を高めた。「月1000キロ歩く」練習量も並大抵ではなかった。その鈴木コーチも競技場で信じられない光景をぼうぜんと眺めるしかなかった。
これまで発覚したのは、競技中以外のトラブル・不祥事である。(もちろん、ホテルの部屋がなかった件は、選手のパフォーマンスに影響を与えた可能性は大きいが)ついに、競技中の大失態である。50キロ競歩で、日本の山崎選手が、係員の誘導の誤りで1周周回が足りないまま競技場に入ってしまい、失格となった。まさか誘導ミス!山崎、周回不足でゴール 男子50キロ競歩(iza)(記事1)
50キロ競歩はトップ選手でもゴールまで4時間近くかかる、ただでさえ陸上競技では飛び抜けて過酷な種目、しかもこの時期の大阪だからゴールする頃には30度前後になり湿度も高い。このような形で失格になった選手の無念は、どれほどのものなのか。
それでも、これが日本人選手でまだよかったのか。外国の選手だったら、下手をしたら国際問題になりかねない。
(参考)記事1全文
まさか誘導ミス!山崎、周回不足でゴール 男子50キロ競歩
09/01 12:32
陸上の世界選手権第8日は1日、大阪・長居陸上競技場で行われ、男子50キロ競歩で2大会連続の入賞と北京五輪代表入りを目指した山崎勇喜(長谷川体育施設)は同競技場付近で係員が誤って場内に誘導する大失態で、そのままゴールしコース離脱で失格となった。
大会組織委員会は競技終了後に記者会見し、ミスを認めて謝罪、審判員と周回記録員の連携ミスだったと説明した。審判員が最終周だと間違って山崎を場内に呼び込んだとしている。
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悲劇としかいいようがない。酷暑のサバイバルレースとなった男子50キロ競歩の48キロ手前だ。4時間近くも死力を尽くし、8位の入賞圏内に踏みとどまっていた山崎が係員の誘導ミスという大失態で競技場へ入っていく。脚の動きはよれ、意識はもうろうとしていた。
観客のどよめきが起こる中、ゴール後は倒れ込んで動けなかった。地元開催で、しかも日本のエースが悲運に泣いた。前回8位に続く日本選手初の連続入賞を視界にとらえ、北京五輪切符も目前にしていた。予想もしないトラブルに巻き込まれコース離脱による失格という結果に、担架で運ばれる表情には無念さがにじんだ。
ゴールした時、山崎はカメラマンに向かって「ぼくはゴールしたんですか」とひと言いって倒れたという。
スタート時の気温27・5度、湿度70%。過酷な条件でも一時は優勝争いを演じ、メダルでも入賞でもなく、勝負にいった。異変が起こったのは35キロすぎ。前半のハイペースがたたり、急激にペースが落ちた。だが限界寸前でも粘り抜いた。驚異のスタミナで競歩仲間から「怪物」と呼ばれる23歳の第一人者はゴールだけを目指していた。
指導を受けてきた元五輪選手の斉藤和夫コーチが昨年他界し、女子マラソン界で浅利純子らを育てたダイハツ陸上部前監督の鈴木従道氏が専任コーチに就任。マラソンと同じ高地合宿を取り入れ、心肺機能を高めた。「月1000キロ歩く」練習量も並大抵ではなかった。その鈴木コーチも競技場で信じられない光景をぼうぜんと眺めるしかなかった。