OpenOffice.org(以下OOOと略す)日本語のバージョン2が登場したのにあわせて試してみた。
筆者はプライベートではMicrosoft Office(以下MSO)のうちExcel以外はほとんど使わない。そのため今回試したのはCalcである。
結論は、Excelからの移行には予想以上に障害が多そうだというものである。
OOOがむしろ便利な部分もあり(複数文書を開いたときに完全に別ウィンドウで開いてくれるなど)、大いに期待はしている。これ以降に挙げる問題が、今後のバージョンで改善されるよう期待している。
筆者が一番困ったのは、「切り取ったセルを挿入」機能がないことである。星取表を作成する際には行・列の並び替えを何回も繰り返す。その際に必須の操作である。この操作があるからこそ、星取表のマスターをExcel上での作成に移行し、簡単に作れるようになった。(昔はHTMLソースを直接操作していたから、時間もかかり誤りも多かった)一応代替方法はあるけれども、
「切り取り→切り取ったセルを挿入」ですんだところが、
「コピー→形式を選択して貼り付け→(その際「セルの移動」で右に移動または下に移動を選択)→コピー元を削除」
の倍の操作手数になる。特に、コピーが終わってからコピー元がどこか探すのが面倒である。
そのほかに困ったこと
・バレーボールリーグ集計用のExcelシートを開いたところ、セルの幅・高さがExcelで設定したのと微妙に違う。しかも、その幅・高さが同じいくつかの文書を開いてみて、再現され方が異なる。Excel 2000で作成したものとExcel 2003で作成したもので差があるようだ。とすれば、もとを正せばExcel 2000と2003の仕様の違いに原因がありそうだが。
これは印刷を考えれば極めて困る事態である。筆者の場合、印刷はしないけれども、セルの幅・高さはぎりぎりに設定している。スクロールを極力避けて画面を最大限に使うためである。それが正しく再現されない場合、本来は1画面内で一覧できるはずの内容を見るのにスクロールの必要が生じて、集計に非常に不便することがあり得る。
・複数のシートに同一の編集をする「作業グループ」機能がない。同等の機能があるかもしれないが、ヘルプを検索してそれを見つけられなかった。「全てのシートを選択」機能はあるけれども、そこから一部のシートだけ選択を外すことはできないようだ。
・シートタブに表示されるシート名のフォント設定が適切でなく、シート名が読めない。標準の画面デザインにすればこのような問題は起こらないかもしれないが。(筆者の画面デザインは標準から大幅に変更している)
MSOから他のソフトへの移行の観点で最大の難関とされるのは、VBマクロなのだが、筆者のプライベートではもちろん使っていない。集計計算も四則演算レベルである。それでも、戸惑う場面にこれだけ出くわしてしまった。
また、互換性の観点以外でもう一つ大きな問題が出ている。メモリの消費量がExcel 2000に比べて極端に多い。大きなExcelシートを何度か開いたり閉じたりするとすぐに100MBを超えた。Excel 2000では、かなり大きなシートを複数同時に開いてやっと20MBである。その差100MB近く、1世代前のマシン(アネリアやリリア)にとってはこれは大きな打撃である。それもオフィススイートのうち1種類だけでこの差なので、もしワープロとかプレゼンテーションも同じ状況だとしたら、現行のエースマシン(ビアンカ・マリナ)にとってさえ余裕をかましてはいられない。
互換性だけならこの機に全部OOOに移行してしまえば気にしなくてよいけれども、メモリ消費の話が絡むとそうはいかない。メモリの少ない古いマシンでの作業を考慮すれば、OOOとMSOの両方の形式で保存しなければならず、そうなれば次に互換性が障害になる。
とはいえ、マシンを買うごとにオフィススイートに万単位の金を払い続けるという選択もあり得ない。MSOへの依存をどこかで断ち切らなければならないのも確かだ。そのためには、OOOがメジャーバージョンアップされた今は絶好の機会である。MSOのドキュメントが増えれば増えるほど、移行は絶望的に困難になる。(実は、大昔のMS Works表計算ドキュメントの移行すら終わっていない)
OOOの「癖」を探りながら、まず新規ドキュメントにはMSOを極力使わない方針で考えている。
筆者はプライベートではMicrosoft Office(以下MSO)のうちExcel以外はほとんど使わない。そのため今回試したのはCalcである。
結論は、Excelからの移行には予想以上に障害が多そうだというものである。
OOOがむしろ便利な部分もあり(複数文書を開いたときに完全に別ウィンドウで開いてくれるなど)、大いに期待はしている。これ以降に挙げる問題が、今後のバージョンで改善されるよう期待している。
筆者が一番困ったのは、「切り取ったセルを挿入」機能がないことである。星取表を作成する際には行・列の並び替えを何回も繰り返す。その際に必須の操作である。この操作があるからこそ、星取表のマスターをExcel上での作成に移行し、簡単に作れるようになった。(昔はHTMLソースを直接操作していたから、時間もかかり誤りも多かった)一応代替方法はあるけれども、
「切り取り→切り取ったセルを挿入」ですんだところが、
「コピー→形式を選択して貼り付け→(その際「セルの移動」で右に移動または下に移動を選択)→コピー元を削除」
の倍の操作手数になる。特に、コピーが終わってからコピー元がどこか探すのが面倒である。
そのほかに困ったこと
・バレーボールリーグ集計用のExcelシートを開いたところ、セルの幅・高さがExcelで設定したのと微妙に違う。しかも、その幅・高さが同じいくつかの文書を開いてみて、再現され方が異なる。Excel 2000で作成したものとExcel 2003で作成したもので差があるようだ。とすれば、もとを正せばExcel 2000と2003の仕様の違いに原因がありそうだが。
これは印刷を考えれば極めて困る事態である。筆者の場合、印刷はしないけれども、セルの幅・高さはぎりぎりに設定している。スクロールを極力避けて画面を最大限に使うためである。それが正しく再現されない場合、本来は1画面内で一覧できるはずの内容を見るのにスクロールの必要が生じて、集計に非常に不便することがあり得る。
・複数のシートに同一の編集をする「作業グループ」機能がない。同等の機能があるかもしれないが、ヘルプを検索してそれを見つけられなかった。「全てのシートを選択」機能はあるけれども、そこから一部のシートだけ選択を外すことはできないようだ。
・シートタブに表示されるシート名のフォント設定が適切でなく、シート名が読めない。標準の画面デザインにすればこのような問題は起こらないかもしれないが。(筆者の画面デザインは標準から大幅に変更している)
MSOから他のソフトへの移行の観点で最大の難関とされるのは、VBマクロなのだが、筆者のプライベートではもちろん使っていない。集計計算も四則演算レベルである。それでも、戸惑う場面にこれだけ出くわしてしまった。
また、互換性の観点以外でもう一つ大きな問題が出ている。メモリの消費量がExcel 2000に比べて極端に多い。大きなExcelシートを何度か開いたり閉じたりするとすぐに100MBを超えた。Excel 2000では、かなり大きなシートを複数同時に開いてやっと20MBである。その差100MB近く、1世代前のマシン(アネリアやリリア)にとってはこれは大きな打撃である。それもオフィススイートのうち1種類だけでこの差なので、もしワープロとかプレゼンテーションも同じ状況だとしたら、現行のエースマシン(ビアンカ・マリナ)にとってさえ余裕をかましてはいられない。
互換性だけならこの機に全部OOOに移行してしまえば気にしなくてよいけれども、メモリ消費の話が絡むとそうはいかない。メモリの少ない古いマシンでの作業を考慮すれば、OOOとMSOの両方の形式で保存しなければならず、そうなれば次に互換性が障害になる。
とはいえ、マシンを買うごとにオフィススイートに万単位の金を払い続けるという選択もあり得ない。MSOへの依存をどこかで断ち切らなければならないのも確かだ。そのためには、OOOがメジャーバージョンアップされた今は絶好の機会である。MSOのドキュメントが増えれば増えるほど、移行は絶望的に困難になる。(実は、大昔のMS Works表計算ドキュメントの移行すら終わっていない)
OOOの「癖」を探りながら、まず新規ドキュメントにはMSOを極力使わない方針で考えている。