パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

METライブ・ビューイング「ドン・ジョバンニ」

2016年12月04日 08時19分22秒 | 見てきた、聴いてきた(展示会・映画と音楽)

昨日、電車は多少の遅れはあったものの時間には充分間にあった
チケットを前もって購入して、時間前にハプニングで会場に行けない
前回の反省を踏まえて今回は当日券を求めた 

METライブ・ビューイングの二作目は「ドン・ジョバンニ」

この地区では名古屋のミッドランドシネマしかやっていない
 昨日はこの映画の初日ということもあってなかなかの売れ行き
自分が手にいれたのは結構前目の右側の席
もう少し後ろの真ん中寄りが良かったけれど、仕方ない

ドン・ジョバンニは実演で一度見たことがある
それはどんなだったか情けないことにあまりよく覚えていない
しかし覚えていることもある
それはプレイボーイ・悪人、ひどい人物であるドン・ジョバンニだが
何故か彼を応援したくなっている自分がいたということ
多分反省しなさいという部分だと思うが、
「今更 反省の言葉を言うべきじゃない、そのまま突っ切れ!」
と感じたことだけは覚えている

しかし、昨日あらためて劇を見ていくと
ドン・ジョバンニは本当にひどい人物だ
やりたい放題、モラルなんてなし、口から出まかせ
その態度は「おいおいやりすぎだろう!」とツッコミを入れたくなるほど

しかし、この男の生命力、バイタリティはなんだろう
それを感じさせるのが多分音楽の力
モーツァルトの性格描写がすごいということなのだろうか
ドン・ジョバンニは確かにひどい人物だが
(こんな風に採りあげると文句が出そうだが)
彼だけが悪いわけじゃない
ドンナ・アンナは別としてドンナ・エルヴィーラやツェルリーナは
彼に騙されたり騙されそうになっている
それはドン・ジョバンニが言葉巧みだったというよりは
彼女らにそういう一面があるということではないのか
ものごとは男一人だけでは進まない
その微妙なところをダ・ポンテの台本をモーツァルトは
イタリア語のどこか騒がしい早口のセリフと音楽で描写している

多分、昨日は音楽というより劇の方に関心は行ったようだ
でも劇中に「もう飛ぶまいぞこの蝶々」が出て来るあたりは
作曲家自身もサービス精神というよりは
ノッて作曲しているような気がした

音楽は、指揮がファビオ・ルイージ
最近レコード芸術とか音楽の本を読んでいないので
この人がどんな人かよくわからないが
記憶をたどるとどこかで聞いたことのある名前のようだ
昔、ブルックナーの7番を名古屋で指揮した人のような記憶が、、
違ってるかもしれない
ただ、そのときは感心しなかったな
で映画の中の指揮ぶりは、、、
特に驚くほどのことはなかった
序曲冒頭の音も、もう少し緊張感のある音があっても良かった

歌手陣は演技も含めて見慣れていないので(聴き慣れていないので)
それがうまいのかどうなのかはわからない
ただドン・ジョバンニとツェルリーナ、それとレポレッロ のキャラクターは
感情移入が容易に出来るほどだった

しかし、この歌劇は悲劇なのか喜劇なのか
悪人は地獄に落ちるという教訓じみた物語なのか
といえば、必ずしもそうでないような気がしてならない
あまりにもドン・ジョバンニの性格を示す音楽が雄弁過ぎる
多分、人には矛盾した様々な感情をもっていて
一面的に正義を言うのはどこか胡散臭いということを
それとなく語っているような、、、
いやこれは考えすぎか

ところで、昨晩家に帰ったあとYoutubeで「魔笛」の一部を見た
ドイツ語の響き、民謡的なメロディ、屈託のない無邪気な音楽
やっぱり、自分は魔笛が好きだと再確認 
子どもたちにも人気があるのがわかる気がする

ところでMETライブビューイングの入場券の半券があれば
次回は300円安くなるということだ
次があるかどうかは今のところ分からないが
大事にとっておかねば、、
 

 


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