ストレス解消にお気楽な話題を!
久しぶりにレコードでポール・マッカートニーの「ラム」を聴いた
CDも持っているが、レコードの方が断然良い
人の耳は高い音、低い音は聴き取れないので物理的にはレコードもCDも違いはないはずだ
と言う人がいるが、実際に聞いてみると、音の厚みとか雰囲気とか熱量は全く違う
レコードはライブを聴いているみたいで、CDは録音スタジオのモニタースピーカーを聴いているみたい
あるいは、レコードは演奏場所の近くに寄って聴いて、CDはオーディオの音量を上げているような
そんな気持ちにさせられる
さて「ラム」について
音楽アルバムはその評価が時を経ると変わってくる
評価は売れた数だけでなく、音楽的な意味とか世界に与えた影響とかでも評価される
そしてそれはどうしても時代の雰囲気に左右される
この「ラム」が発売された当時、ポール・マッカートニーの評価は(音楽的というより人としての)
真面目なジョン・レノンと比べて散々だっった
お気楽な音楽バカ、ビートルズを解散させた張本人、、そんな人の作る音楽は思想もなく散漫で
聴くに耐えない、、そんな雰囲気に満ちていた
でも自分がこのアルバムを聴いたときは、素直に感動した
あの「アビーロード」を聴いたときのような、声を上げて歌いそうな夢中になる瞬間がいくつもあった
そしてこれは傑作アルバムだ!と確信した
しかし、世間はそうではなかった
ところが時が経つとこれは少しづつ変化している
この「ラム」のアルバムをそっくりそのまま演奏しているデンマークのグループのアルバムもある
桑田佳祐の大好きなのは「ラム」といった発言も表に出るようになっている
つまりは「ラム」の評価は今では随分アップしている
やはり自分の感覚は間違っていなかった(先見の明があったのはこちらだ!)と思ったりする
このアルバムは本当にバラエティに富んでいる
冒頭の「トゥ・メニー・ピープル」はポール・マッカートニーのギタープレイがしっかり聴ける
アビーロードのジ・エンドのギターの掛け合いみたいなところが垣間見られる
「3本足」はポールの歌声の音色が面白い、少し黒人風な音色で、曲は後半からリズムがヘンテコに変わって
それだけ聴いていいても面白い
「ラム・オン」は短い曲で歌詞は大した意味はなさそうだが、ひたすら美しい
この曲はB面で再度登場する(サージェント・ペパーズの回帰のように)
「ディア・ボーイ」は結構好きな曲で、音楽の素人?のリンダが必死に手伝っている
この曲は主旋律と対旋律の掛け合いがとても美しい
それを聴いてるだけでうっとりしてまう
「アンクルアルバート マルセイ提督」は声を上げて歌いたくなる曲で、アビーロードの
「キャリー・ザット・ウェイト」を彷彿とさせる
音楽以外の生活の音、ものをフライパンで焼いている音とかがはいって実験的だし
効果的だし、ひたすらすごいという印象
「スマイル・アウェイ」はシンプルなロックでこれは普通の感じ
B目に移ると先程の余韻を変えるように、気分転換をはかる「故郷のこころ」
こうした鼻歌のような曲は結構好きだ
「モンクベリー・ムーン・デライト」この曲は一転して激しい曲で喉を潰したような
「オー・ダーリン」の絶叫のようなシャウトが聴ける
でも一番のお気にいりは曲の後半の声によるアドリブの部分で、ポールがジャズの即興のように
その場にふさわしいフレーズを展開していく
そしてその効果的で美しいこと、、
「イート・アット・ホーム」はシングルカットされた曲で、親しみやすいが自分には物足りず
「ロング・ヘアード・レディー」はリンダの声が活躍して、これも対旋律の掛け合いが面白い
ポールは音楽が回帰すると、曲の印象がぐっと締まることを確信しているようだ
「サージェント・ペパーズ」でも「バンド・オン・ザ・ラン」でも「マッカートニー1」でも
前に出てきたフレーズとか曲の再現が果たされて、それが本当に効果的だ
二度目の「ラム・オン」のあとは「バック・シート」
この曲は変化に飛んだ盛り上がる曲で、オーケストラが効果的でこの熱量はすごい
(人件費不意に井上陽水のセンチメンタルの中の「夜のバス」を思い出したが、この曲の影響を受けてると思う)
ということで、久しぶりに通して聴いたが、やっぱりすごいな!との思いを強くした
(あのバンド・オン・ザ・ランよりも良い)
それはもしかししたら、自分が若かった時聴いたことが影響しているのかもしれない
「ラム」は今の人には全く知られていないアルバムで、彼らには大した印象を与るものではないのかもしれない
でも、でも、ポール・マッカートニーが大好きな人間としては、このアルバムは最高だと思う
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