パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

ジーニアスに合わせる?それともジーニスがあわせる?

2021年05月19日 11時23分26秒 | サッカー

イチローは、自分が何故打てているか説明ができるから自分は天才ではない
と説明したことがあった
ミスターと呼ばれる長嶋さんは、バーっと来たボールをバーンと打つ、、
と表現したが何となく感覚的にわかっても、本当は何のことかわからない
王さんは練習によって効果的なボールを捉える位置を身につけて
それができたかどうかで、自分のバッティングを説明できる
イチローは王さんと似た境地で、自らの立ち位置を説明したのだろう

天才という言葉が必要以上に使われることの多いサッカー界
最近ではジーニアスと横文字を使われることもあるが
ドリブルの上手い選手とか、トラップでの交わし方の上手い選手を言うことが多い
ドリブルはある程度練習の賜物だが、トラップとか判断の選択はひらめきで
これらは感覚的で理屈を超えたもので、みんな感じるようなプレーではないので
プレーの説明ができずに天才というこう言葉で説明しようとする

小野伸二は天才と言われた
そのトラップは何故そんなことができるのか?と不思議に思えるものもある
(手元のボールを下に投げてそのボールをピッタっと止めるなど)
その他には考えられないコースにパスをするなどがある
普通ならパスコースがないところに高い技術で人と人の間を通すとか、
(キックのタイミングもコースも守る側は読みにくい)
空間的に上を使うとか(普通ならその選択は浮かばない)
出されてみて初めて良いパスだったと気がつくことになる

問題は、この手のひらめきの多い選手のプレーがチームに有効かという点で
努力型の人のプレーは味方も予想がつくし、期待を裏切らずにパスもくるので次に備えやすいが
ひらめき勝負の選手はチームとして対応しにくいのではないかと思ってしまう

今季のグランパスにはジーニアスと称される柿谷曜一朗がいる
ひ弱さを感じることはあるが、時にやはり天才的な瞬間芸を見せる
少し前のセレッソ戦でのミドルのシュートは入らなかったが軌道がとてもきれいだった
それはボールの芯をきちんと捉えているからで、強いボールを蹴ることのできる選手みんなが
あのような軌道のボールを蹴れる訳ではない

柿谷は一回で済むことは一回で次のプレーに移ろうとする傾向がある
一回止めて、次にボールを左右どちらかに動かして進みたい方向に行くのではなく
一気に進みたい方向にトラップして進もうとする
これは早いプレーなので時々失敗する
それを見て、もう少し一つ一つ丁寧にしていけばいいのに、、
と感じる人が出てくるのは自然なことで(自分も時々そう思う)
このあたりはプレースタイルが好きか嫌いかで評価は分かれそうだ

先日ゲームの解説者が柿谷を評して「指導者泣かせの選手」とこぼしたことがあった
あのボールタッチの柔らかさとか、鬼ごっこをすれば絶対捕まらないようなすばしっこさ
そして時には本人でさえ、どうやってそのプレーをしたのかわからないようなプレーをする選手は
理屈で指導したい立場には困る存在だ

ただプロの世界は結果が全てだ
瞬間的にどんなプレーが出ようがそれが結果に結びつかないと価値はない
柿谷はJリーグの中でも際立って特徴的な選手で、できるだけ見てみたいと思わせる選手だが
周りの個人事業主の選手の間では(いい意味で自己主張とか自己の成績にこだわる選手の中で)
彼の発想についていける選手がどれだけいるかが問題となる
チームとして選手の癖とかプレースタイルを共有できるようになれば面白いと思うが
このチームとしての共有感覚は、柿谷がみんなにわかりやすいプレーをするように歩みよるか
それとも周りが彼に意図を感じるようになるか

いずれにしてもプロの世界は結果が全てのようだ

ケラケラ笑いながら、こんなことをしてしまう柿谷曜一朗
サッカーテニス対決⚽️



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