今までの本の読み方は最後まで読んでから次の本に向かうことが多かった
読み終えられないことが情けなくて、とにかく終えることが優先事項になって
最後は雑な読み方になった
それが今は同時進行で何冊かの本を読んでいる
辻邦生の「ある生涯の7つの場所」
リサ・ランドールさんの「ワープする宇宙」
そして富永京子さんの「みんな「わがまま」入門」
辻邦生の作品は全部で100個のエピソードの連作で
今は半分くらいまで行っているが、そろそろ彼のパターンがわかってきて
今は少し飽きが来ている感じで、気分転換に読み始めたのが
以前挑戦して途中でやめたリサ・ランドールの現代物理学の本だ
これがなかなか面白い
小説という物語空間から離れて、思考実験的な分野に移って
人が思いつくいろんな仮定を追求しているのが新鮮だ
余剰次元という概念は、重力の調査から少し怪しいとの見解もあるようだが
リサ氏は自分の仮定が絶対正しいとは言っておらず
極めて客観的な態度で書き進めている
彼女の試行錯誤的な多様な思いつきが面白い
と言っても、わからないことが圧倒的に多いが
そして来たばっかりで一気に読みしたのが
これは中高生向けの本らしく、「わがまま」という言葉で代表されるのは
いわゆる自分勝手なわがままというよりは、社会との関係で実感される意識のこと
つまりは、どのように無理せずに社会と関係していくか、、を表している
対象が中高生としても、内容は生活実感とかぶるところが多い
ある調査によれば、外国と比べて日本人はデモに対する抵抗感が高く
陳情・請願についてはそれほどではないらしい
このデモに対する抵抗感はシュプレヒコールの過激な言葉の可能性もある
実際のところ、自分がデモに参加したときも、極端にシンプルで
過激な言葉には違和感を覚えて、歩きながら声を挙げずにいたこともある
ところが、その過激な言葉を使わざるを得ない背景を考えてみることも大事
とこの本では緩やかに訴えている
なるほど、そうかも知れない
その視点は少し欠けていた
わがままが西欧の思考の根本である個の確立とか孤立では無いところが
いかにも日本的らしいが、こうした緩やかな、徹底的に厳密な思考でな無いところは
却って一般人的で、むしろ実態を表しているような気がする
ということで、同時進行を続けているが、分野の違う本を読むのは
意外と気分転換になって良いかもしれない