パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

ビートルズの「レット・イット・ビー」と、モーツァルト「クラリネット5重奏曲」

2021年12月05日 10時25分44秒 | 音楽

ビートルズの新しいドキュメント「ゲット・バック」は映画館で上演される
と思っていたら、どうもそうではないらしく、今どきのネット配信がメインで
それ以上の方法はないようだ(?)

同じ光景を撮影していても編集でだいぶイメージが違うことは想像がつく
確かに以前のドキュメンタリー「レット・イット・ビー」は映画全体に
寒々とした雰囲気が漂っていて、解散するのは仕方ないだろうな、、
と感じさせるものだった

だが見ていない新しいドキュメンタリーは上手くいっていない雰囲気の中でも
瞬間瞬間は、あの年齢の若者らしい悪ふざけや冗談が見られるようで
音楽界の最高の位置にいたとしても彼らは感情をコントロールできない
十分に若い(若すぎる)男たちだったと感じる

アルバム「レット・イット・ビー」を初めて聞いた時の印象はまだ覚えている
何かすごく透明な、一種の悟りきったような気持ちが伝わってきた
それはモーツァルトの晩年の作品クラリネット五重奏曲、あるいは魔笛、
そして27番のピアノ協奏曲の無駄のない澄んだ世界のような気がしたのだった

それはなにか終わりを自覚した人(たち)が、澄んだ心境で作品作りに
取り組んでいたような、所謂「白鳥の歌」のような気さえした

同じ時期の同じ場所に大変な才能の人間が生まれ、
その人間たちが一緒になって何かを作り出した、、ということは
ありそうなことでも、いざ彼らビートルズの作品の純度を省みると、
それは神様が気まぐれに起こした一種の奇跡のような気さえする

澄んだ心境を経験して生き延びているポールとリンゴは
それはそれなりに大変だと思う
(彼らは過去の自分といつも戦わなければならないから)

コメント
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