パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

カント「永遠平和のために」(100分de名著)

2016年08月02日 19時52分09秒 | 徒然なるままに

NHKはなかなか興味深い番組を放送することがある
対象とする人が圧倒的に少なくても、その人達を見捨てることなく
流してくれる

偶然知った「100分de名著」もそのひとつ 
親鸞の歎異抄(書いたのは唯円)、坂口安吾の堕落論に続いて8月は
カントの「永遠平和のために」

この本は今の自分の気分にピッタリで共時性というか、必然性を持った流れのなかの書物
本放送は眠たい時間なので録画で 見ることにした

やっぱりなかなか面白い
一見理想主義に見えそうだが必ずしも理想論ではないところがいい 

今回のガイド役の津田塾大学教授の萱野稔人氏が同じ愛知県人というのが拍車をかける

カントは挑戦してもあっという間に挫折した「純粋理性批判」がある
そして再挑戦しようとしても絶対読み終えられない自信があるので
これはパスすることにする

放送の第一日目の気になる部分は
「人間性とは邪悪なものである」というカントの人間理解と
それをベースとした現実的な項目(国家間に永遠の平和をもたらすための6項目の予備条項)
の中のひとつ
4.国家は対外的な紛争を理由に、国債を発行してはならない
これはかなり現実的な指摘だ そして大いに共感納得できる
本当にこの様にブレーキをかけないと心配でしょうがない

国債の発行によって戦争の遂行が容易になる場合には、権力者が戦争を好む
傾向とあいまって(これは人間に生まれつきそなわっている特性の様に思える〉
永遠平和の実現のための大きな障害となるのである。

そしてカントは
戦争そのものはいかなる特別な動因も必要ではない
戦争はあたかも人間の本姓に接ぎ木されたかのようである

これは悲観的な考え方に見えても、現実に人間たちが残してきた歴史をみると
簡単に否定出来ない面もある

この講座(放送)ははじまったばかり、じっくり見ることにしよう
しかしこの番組の視聴率は何%だろう
こういう番組をつくるNHKは信用できても、紅白や終わり方に疑問の残る
政治関連の番組を作るNHKは信用出来ない
(STAP細胞絡みの番組もひどかった BPOの結果はどうなったんだろう)
 

コメント
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