DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

生きる(86)

2015-09-04 15:38:25 | ButsuButsu


プロとはなんと素晴らしいイラストを描くのだろうか。

思わず感動してしまった。

2015年8月14日発行のScienceという科学雑誌の記事だ。

Watching water: From sky or stream?

とタイトルがついた論争だ。

人工衛星から延ばされた巨大な望遠鏡の先に、虫眼鏡を覗く女性がいる。

Satellites provide the big picture.

人工衛星は大きな視野を与えてくれる。

Time for in situ renaissance.

現場監視へ戻る時だ。

ひょんなことから私は後者の陣営に巻き込まれた。

つまり、現地モニタリングを擁護する役目だ。

ただ原稿を作るうちに、何だか違和感を感じ始めていた。

私は、もう30年間も琵琶湖の現地観測を行ってきた。

その間、人工衛星や航空機を用いた遠隔監視(リモートセンシング)の活用もしてきた。

どちらの手法も長所があるし、欠点もある。

ただそのことより、時代の変化を感じるのだ。

ドローンやAUV(淡探のような自律型水中ロボット)は、定義から言えば遠隔監視に近い。

でも、近い将来には、対象物に接触して標本を取ったりできるのではないか。

つまり、現地と遠隔を結びつけることが可能なのだ。

だとすると、対峙する議論ではなくなる。

科学技術の進歩は、かつて対峙していた手法を、ひとつにすることができる。

宇宙船ハヤブサは、小惑星に行き観察するだけでなく、サンプルを持って帰る。

そのことが飛躍的に学術レベルを押し上げる。

恐ろしいことだが、楽しみでもある。

そういう意味で、ロボット技術の発達は、新たな倫理観を求め始めている。

心して、新しい時代の到来を迎えたいものだ。