DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

生きる(89)

2015-09-16 12:20:23 | ButsuButsu


一人でほくそ笑んでいる。
アマゾンの書籍欄に今度出版する本が登場したからだ。
2015年9月30日発行となっている。
予約可とあったので、早速自分で予約した。
2013年に原稿を書いてから、出版まで2年間もかかってしまった。
ところで、「ほくそ笑む」を辞書で調べたら次のように書いてあった。

*****

物事が思い通りの結果になったことに満足して,一人ひそかに笑う。

「ほくそ」は「ほくそう(北叟)」の転で、「塞翁が馬」の達観した北叟(=塞翁)が喜憂いずれに対しても少し笑ったという故事によるともいわれ,「ほくそ」に「北叟」の字も当てられる〕

*****

「北叟」は「北方の老人」を意味し、「塞翁」は「老人」のことである。
語源はどうであれ、今ではマイナスのニュアンスで使われることが多いらしい。

そう言えば、安倍晋三さんは今頃ほくそ笑んでいるのかもしれない。
長いあいだ仕込みをしてきた「安全保障関連法案」がいよいよ日の目を見るからだ。
このために、ジャブジャブの金融緩和をしてきたし、女性登用もし、アメリカ詣でもしてきたのだ。

嬉しさに、垂れた頬も緩みがちだろう。

一方で、NHKスペシャルに出ていた高村正彦さんは憔悴しきった顔つきだ。

彼は弁護士だから、本音ではこの法案が憲法違反だということを知っているし、長続きしないことも予感しているのだろう。

支えは「砂川事件」しかない法論理に対する批判に耐え切れないからだ。

仮に今国会で可決されたとしても、憲法違反の法律が施行できるわけがない。

ほとんどメンツの世界に過ぎない。

別の見方をしてみよう。

安倍晋三(山口県4区)
高村正彦(山口県1区)
麻生太郎(福岡県8区)
岸田文雄(広島県1区)
中谷元 (高知県1区)

安倍内閣を支える主な面々の選挙区を見ると、明治維新での勝ち組であることがわかる。

江戸幕府を崩壊させ、明治維新を成し遂げ、明治・大正・昭和にわたって国益を独占してきた人々の子孫であり、日清戦争から太平洋戦争にかけて日本国民を戦争に巻き込んできた人々の末裔だ。だからこそ、我が国が行ってきた戦争が是認されなければならないし、その延長線上に今後の政治も行われる必要があるのだ。

しかし、今の日本国の政治には、江戸幕府からの流れもある。
それが田中角栄であり小沢一郎だったのだろう。
ところが、彼らは上手くはめられてきた。

しかも、東北大震災というおまけまでついてしまった。

我が国の底辺で繰り広がられてきた二元論的抗争、平家と源氏、朝廷と幕府、という長い争いの延長線上に今の政治があり、集団的自衛権の行使容認があると考えるのならば、安倍晋三さんがほくそ笑むのも宜なるかな、だろう。

彼にとって米国という後ろ盾がとても重要であり、そのための貢ぎ物が集団的自衛権の行使なのだ。

しかし、人間万事塞翁が馬とも言える。

平家が源氏に打ち負かされる事態もありうるのかもしれない。

それがいつかは分からないが、言えることは、

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響あり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす
驕れる者久しからず ただ春の夜の夢の如し
猛き人もついには滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ

ということなのだろう。

今が頂点、やがて坂道を転げ落ちるように勝ち組は衰退する気がする。

その時に、私たちの子孫を道連れにはして欲しくないものだ。