DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

夢(79)

2014-03-31 17:04:12 | ButsuButsu


人の一生というのは、旅人のようなものだ。

生まれ、

育ち、

自立し、

そして死ぬ。

その時の流れの中で、多くの経験を通して、自分の人生を反芻する。

理論物理学者、湯川秀樹の人生もそうだった。

このことを、彼は次のように述懐している。

***

中学を出て十年余りののち、私は、私の研究を発表した。

私はその研究の正しいことを、世界の学者に認めてほしかった。

それが正しいのなら、世界の人びとが容認してしかるべきだと思った。

が、―

私の理論が認められるということが、現在私の上に襲いかかって来ているように、こんなにも大量の、大小さまざまの負担というのか、雑用というか、―

とにかく学問の研究には最も大きな障害となるものを、もたらそうとは、全く予想していなかったことである。

学問というものが、広く深い意味で、常に人間のためにあることは認められねばならない。

思いがけない社会的関連も、生じるであろう。

しかし、学問を尊重する気持ちが国民の間にあるのなら、学者はなるべく研究室に置いて、ことさら繁雑な世界に引き出さないようにしてほしいと思う。

これは、私一人の注文ではないだろう。

多分、多くの学者たちの切ない望みだと思って、代弁しているのである。

***

現在のように、様々なメディアやネットワークによって多くの情報が行き交う時代では、静かな環境で研究に勤しむことが困難となってきている。

それでもなお、良識ある研究者は、静謐であることを好む。

研究の結果というのは、1%程度の確率で、世の役に立つものだ。

その中でも、学問や社会の根底を揺るがすような研究は、さらに1%以下の確率となるのだろう。

つまり、10000分の1の確率でしかない。

とすれば、10000÷365日、つまり30年くらいの猶予があってもよいのではないか。

それこそ生涯をかけた研究ということになる。

そのことを多くの人に理解してほしいと思う。
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3月30日(日)のつぶやき

2014-03-31 05:25:54 | 物語
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