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安田由久が驚くべき聖書の世界をご案内します

新約聖書の世界 49 新約聖書時代背景 09 新約時代の幕開け 09 ユダヤ教の成立 02 世界では類がない神殿礼拝から経典中心の礼拝に移行したユダヤ教  

2024-06-05 04:00:00 | 聖書入門 新約聖書
碑文ではシナゴーグはローマ市内に12か所もあったといいます。

イエスもナザレなどシナゴーグで

律法を教えられたことを福音書で伝えています。

礼拝は聖書の朗読と解釈にもとづく奨励で、アロンの祝祷もあり、

原則はヘブライ語ですが、アラム語、ギリシヤ語でも行われました。

このように古代世界ではこのような礼拝はユダヤ教しかなく、

それをキリスト教は引継いで、聖典中心の礼拝形式が誕生しました。

つまりエルサレムの神殿が崩壊し、

神殿に頼らない聖書中心の礼拝となったのです。

シナゴーグは水辺に建てられていますので、きよめの儀式もともない、

キリスト教では洗礼として継承されました。

ルターはシナゴーグのことを学校というドイツ語に訳したのですが、

シナゴーグは教育機関でもありました。

また他にも「書物の家」ともいわれ図書館つき教育機関の場でした。

また食事会、年中の決められた祭日、安息日の礼拝、

祈りの場としても用いられました。

シナゴーグだけではなく、家庭もそのような機能を果たし、

その中核は律法であり、ユダヤ教の本質はこの解釈と実践にありました。

それもキリスト教の礼拝に引き継がれていきました。

そして新約時代の世界では、ユダヤ人はパレスチナだけではなく、

散在(ディアスポラ)していた国々で礼拝が守られ、

地中海沿岸を中心に展開されていきました。

紀元前6世紀にバビロニア帝国のネブカドネザル王がエルサレムを攻略し、

バビロニアに強制連行されましたが、後に解放されて故国、

帝国内に留まる人も多く、エジプトから地中海沿岸、

キュプロスなど地中海の大きな島々、ギリシヤ、ローマ帝国内の至ところに

ユダヤ民族は散在したのです。

ヨセフスは古代史に

「ユダヤ人はローマ帝国内のいたるところに住んでおり、

ほぼユダヤ人の住んでいない都市はない」とまで明記しています。

新約聖書・使徒言行録には

「15:21 モーセの律法は、昔からどの町にも告げ知らせる人がいて、

安息日ごとに会堂で読まれているからです。」


とあり、使徒パウロもそのようなシナゴーグにまず行って、

メシアの預言が、ついにナザレのイエスにおいて実現したのだ」

というキリストの福音を伝えました。

パウロ書簡の挨拶に出てくる名前も

そのようなシナゴーグに集っていたユダヤ人の名が多くでてきます。

ではなぜデイアスポラとなったユダヤ人社会は当時の全世界で活躍し、

成長していったのかを次回に語ります。



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