バイブルランドin福井

安田由久が驚くべき聖書の世界をご案内します

山上説教  66 富をどう処理するか 03 神のビジネスは無代価だ

2023-10-31 04:00:00 | イエス・キリストの生涯  マタイによる福音書
マタイによる福音書
◆天に富を積みなさい
 6:19 「あなたがたは地上に富を積んではならない。そこでは、虫が食ったり、さび付いたりするし、また、盗人が忍び込んで盗み出したりする。
 6:20 富は、天に積みなさい。そこでは、虫が食うことも、さび付くこともなく、また、盗人が忍び込むことも盗み出すこともない。
 6:21 あなたの富のあるところに、あなたの心もあるのだ。」
◆体のともし火は目
 6:22 「体のともし火は目である。目が澄んでいれば、あなたの全身が明るいが、
 6:23 濁っていれば、全身が暗い。だから、あなたの中にある光が消えれば、その暗さはどれほどであろう。」
◆神と富
 6:24 「だれも、二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を軽んじるか、どちらかである。あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。」



20節は大いに誤解されている個所の一つです。

ユダヤ教の教えでは、貧しいものに施しておくと

天で(利息)が戻って来るというミシュナーの教えがありました。

ユダヤ流ジョーク集にもありますが、

ここでイエスが言われたのは全く違います。

地上での施しなど一切、関係なしです。

それは善行を積むことも同じです。

報いは一切なく、天に宝を積むというのは、

一切、無代価で神への捧げものをすべきだということになります。

韓国の伝道者が言いました。

「捧げものに代価を求めるミストリーは最初から腐っている」と。

その通りです。

ただし礼拝献金や什一返金は、神に捧げるものですから、

この献金を受けた者は、1円の誤魔化しも神の前にゆるされません。

私はかつて断食祈祷院を始めた時に宿泊料金は自由献金にしました。

これは当然で断食をもって神の前に出るのに

お金を取るべきではないからです。

しかし、10年間で赤字になったことは一度もなく、

必要な経費は神が与えてくださいました。

キリスト教の天の働き、天国への働きは、徹底した聖別、清さであり、

無代価なのです。

そして牧師はそこで品性が問われます。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

倒れた。大バビロンが倒れた。

2023-10-30 04:00:00 | 時代を切り開いた預言者たち イザヤ書
イザヤ書
21:1 海の荒野に対する宣告。ネゲブに吹きまくるつむじ風のように、

それは、荒野から、恐ろしい地からやって来る。

 21:2 きびしい幻が、私に示された。裏切る者は裏切り、荒らす者は荒らす。

エラムよ、上れ。メディヤよ、囲め。すべての嘆きを、私は終わらせる。

 21:3 それゆえ、私の腰は苦痛で満ちた。

女の産みの苦しみのような苦しみが私を捕らえた。

私は、心乱れて聞くにたえない。恐ろしさのあまり、見るにたえない。

 21:4 私の心は迷い、恐怖が私を震え上がらせた。

私が恋い慕っていたたそがれも、私にとっては恐れとなった。

 21:5 彼らは食卓を整え、座席を並べて、飲み食いしている。

「立ち上がれ、首長たち。盾に油を塗れ。」

 21:6 主は私にこう仰せられた。

「さあ、見張りを立たせ、見たことを告げさせよ。

 21:7 戦車や、二列に並んだ騎兵、ろばに乗った者や、

らくだに乗った者を見たなら、よくよく注意を払わせよ。」

 21:8 すると獅子が叫んだ。

「主よ。私は昼間はずっと物見の塔の上に立ち、

夜はいつも私の見張り所についています。

 21:9 ああ、今、戦車や兵士、二列に並んだ騎兵がやって来ます。

彼らは互いに言っています。

倒れた。バビロンは倒れた。その神々のすべての刻んだ像も地に打ち砕かれた』と。」

 21:10 踏みにじられた私の民、打ち場の私の子らよ。

私はイスラエルの神、万軍の【主】から聞いた事を、

あなたがたに告げたのだ。


さて、6節から9節までは、バビロンに

メディヤとペルシャが侵入する時の様子が預言されています。

今年の10月7日、難攻不落といわれていたイスラエルの壁が、

ハマスによって破られ、

近年のイスラエル戦争ではあり得なかったイスラエル人の死者数は驚きです。

イスラエルは本格的は報復攻撃を開始しようとしていますが、

世界中が心配する大規模戦争に発展すれば大変なことになります。

私はあれだけの近代最新鋭のもつ軍備と兵器を持つイスラエル軍が

どうしてハマスの侵入を未然に防げなかったのか不思議です。

人間の築くものに絶対はあり得ません。

いくら近代最新鋭の武器も油断には勝てません。

今回のバビロンのように隙をつかれたらこうなるのです。

イスラエル軍はイザヤ書を読んでいるのですから

事前に察知できたはずですが非常に残念です。

さて、イザヤは語ります。

ああ、今、戦車や兵士、二列に並んだ騎兵がやって来ます。

彼らは互いに言っています。『倒れた。バビロンは倒れた

その神々のすべての刻んだ像も地に打ち砕かれた』と。

メディヤとペルシャ連合軍は、戦車や騎兵だけでなく、ろばとらくだを使い、

裏をかいて侵入してきたのです。

見張っていた見張り人は叫びます・・・倒れた。バビロンは倒れた・・

そうです。

絶対に滅びることがないと思われていたバビロンが

滅びたことに対する驚きが、ここに書かれています。

世界の誰もが決して滅びないと言われたバビロンは、

かくも無残に滅びました。

これらはイザヤの時代から200年後に起こったことですが、

同時に、この世の終わりも同じ出来事だということを示しています。

ヨハネ黙示録の預言です。

18:2 天使は力強い声で叫んだ。

倒れた。大バビロンが倒れた

そして、そこは悪霊どもの住みか、/あらゆる汚れた霊の巣窟、/

あらゆる汚れた鳥の巣窟、/あらゆる汚れた忌まわしい獣の巣窟ととなった。

 18:3 すべての国の民は、/怒りを招く彼女のみだらな行いのぶどう酒を飲み、/

地上の王たちは、彼女とみだらなことをし、/地上の商人たちは、/

彼女の豪勢なぜいたくによって/富を築いたからである。」


ここでいう大バビロンは神に敵対する勢力、

悪魔の支配のことです。

この世の終わりには、必ず悪魔は裁かれ、追放されます。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい

2023-10-29 04:00:00 | 聖書の中なかの聖書 申命記
申命記
6:4 聞け、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である。

 6:5 あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、

あなたの神、主を愛しなさい。

 6:6 今日わたしが命じるこれらの言葉を心に留め、

 6:7 子供たちに繰り返し教え、家に座っているときも道を歩くときも、

寝ているときも起きているときも、これを語り聞かせなさい。

 6:8 更に、これをしるしとして自分の手に結び、覚えとして額に付け、

 6:9 あなたの家の戸口の柱にも門にも書き記しなさい。


申命記では徹底して神を愛することを教えていますが、

自分自身が神を愛することを具体的にどのようにしているのかを問われると

何もできない自分を発見します。

そしてそれを学ぶ場所はキリスト教会でしかあり得ません。

愛するという反意語は憎むこと、または無関心ではないでしょうか。

ゆえにキリスト教会の礼拝共同体に参加するというのは、

そうではない愛の共同体に参加するということを通して、

神の具体的な愛を学ぶことができます。

ルターは人間の本質は

「心の奥底で神を憎んでいるし、神を呪うのだ」といいます。

ルターは更にそのような人間の本質には神への不信実があるからだ

と指摘していますが、それはルターの指摘した通りですが、

ではその人間の本質を超えて、神を愛することができるには、

肉の力では到底不可能なのです。

では人間の本質にある罪をどうのよう暴かれて、

神の前に出るかといいますと神の前に問われるのは

「あなたは清いか」なのです。

それを常に十字架の前に出して、

毎日の日常生活で清さを追い求めつづけていかないと

真の悔い改めには到達できません。

そこに至ってこそ神を愛することができるように導かれていきます。

ゆえに十字架への道を歩まれたイエスは、

律法学者の問いかけに対して


マタイによる福音書
22:35 そのうちの一人、律法の専門家が、イエスを試そうとして尋ねた。

 22:36 「先生、律法の中で、どの掟が最も重要でしょうか。」

 22:37 イエスは言われた。

「『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』

 22:38 これが最も重要な第一の掟である。

 22:39 第二も、これと同じように重要である。

『隣人を自分のように愛しなさい。』

 22:40 律法全体と預言者は、この二つの掟に基づいている。」


と答えられましたようにこれは5節の引用でありますが、

愛するというのは神の前に清くあろうとする意思の問題なのです。



コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カインとアベル 28 カインにつけられたしるしとは 01 

2023-10-28 04:00:00 | 世界の初めを知ろう 創世記
創世記
4:9 主はカインに言われた。「お前の弟アベルは、どこにいるのか。」

カインは答えた。「知りません。わたしは弟の番人でしょうか。」

 4:10 主は言われた。「何ということをしたのか。

お前の弟の血が土の中からわたしに向かって叫んでいる。

 4:11 今、お前は呪われる者となった。お前が流した弟の血を、

口を開けて飲み込んだ土よりもなお、呪われる。

 4:12 土を耕しても、土はもはやお前のために作物を産み出すことはない。

お前は地上をさまよい、さすらう者となる。」

 4:13 カインは主に言った。「わたしのは重すぎて負いきれません。

 4:14 今日、あなたがわたしをこの土地から追放なさり、

わたしが御顔から隠されて、地上をさまよい、さすらう者となってしまえば、

わたしに出会う者はだれであれ、わたしを殺すでしょう。」

 4:15 主はカインに言われた。「いや、それゆえカインを殺す者は、

だれであれ七倍の復讐を受けるであろう。」

主はカインに出会う者がだれも彼を撃つことのないように、

カインにしるしを付けられた

4:16 カインは主の前を去り、エデンの東、ノド(さすらい)の地に住んだ。


13節に「罪」という言葉が出てきますが、

旧約聖書の言語でありますヘブライ語は罪の用い方が

多様性に満ちしていますので、ここでは罪の重さ、罪によって心が暗くなる、

苦しんでいるという状況をさす言葉となっています。

客観的な罪ではなく、自分自身の罪の自覚があり、

詩編ではその罪の自覚を歌ったものがたくさんあり、

詩編51のようにダビデの罪の赦しを求める詩を

キリスト教会で唱和するところもあります。

しかし、カインはそのよう罪の自覚ではないのです。

それは神の怒りを感じる、罪の重さを感じて、絶望している状況です。

それに対して神はカインに

「いや、それゆえカインを殺す者は、だれであれ七倍の復讐を受けるであろう。」(15節)

と語られ、法的な罪に受け取られるヘブライ語の意味となっています。

そして15節にありますようにカインに「しるしを付けられた」のです。

ではこのしるしとはどのようなものなのでしょうか。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新約聖書の世界 38 新約聖書の地理の基礎知識 23 地中海 04 地中海に栄えた文明 02 文明の開花していた2つに重要な島   

2023-10-27 04:00:00 | 聖書入門 新約聖書
フェニキヤと共に重要な地中海で有名なのは、キュプロス島(注・01)です。

紀元前9世紀からフェニキヤ人が移住し、

アッシリヤ、エジプト、ペルシャなどによる棹脱の歴史が続き、

ギリシヤ、フェニキヤ的な文化の融合で高度の文明となっています。

現在でも地中海の交通の要所です。

使徒バルナバの聖地であり、パウロもこの島を訪ねています。

使徒言行録
4:36 たとえば、レビ族の人で、使徒たちからバルナバ――「慰めの子」という意味――と呼ばれていた、キプロス島生まれのヨセフ

13:4 聖霊によって送り出されたバルナバとサウロは、セレウキアに下り、そこからキプロス島に向け船出し、 13:5 サラミスに着くと、ユダヤ人の諸会堂で神の言葉を告げ知らせた。二人は、ヨハネを助手として連れていた。


また他にもクレタ島(注・02)があります。

エーゲ海文明発祥の地であり、パウロの旅行記に出て来きます「良い港」は

この地であり、重要な交通路だったのです。

使徒言行録
27:8 ようやく島の岸に沿って進み、ラサヤの町に近い「良い港」と呼ばれる所に着いた。
 27:9 かなりの時がたって、既に断食日も過ぎていたので、航海はもう危険であった。


キュプロス島(注・01)
東地中海のシリア・アナトリア半島の沿岸にある島。地中海ではシチリア島、サルデーニャ島に次いで3番目に大きな島。面積: 9,250 km2、日本の四国(18,296.37 km2)の約半分の面積。キプロス島には先史時代から文明があったと考えられている。地中海貿易の中継点として栄え、ペルシャ、ギリシア、ローマなど、時代ごとの強大な国家の支配下に置かれた。東西ローマ帝国分裂後は東ローマ帝国に属したが、1191年には第3回十字軍に参加したイングランドのリチャード獅子心王に占領され、その後テンプル騎士団に譲渡されている。(ウィキ)

クレタ島(注・02)
ギリシャ共和国南方の地中海に浮かぶ同国最大の島。古代ミノア文明が栄えた土地で、クノッソス宮殿をはじめとする多くの遺跡を持つ。また、温暖な気候や自然景観から地中海の代表的な観光地でもある。クレタ島の面積は8,336平方キロでこれは日本の広島県の面積(8,479平方キロ)に相当する。島の形状は東西の長さが260kmであるのに対して、南北の幅は広いところで60km、狭いところ(イエラペトラ付近)で12kmほどという、東西に細長い島である。海岸線の長さは1,046kmに及ぶ。ギリシャ共和国最大の島であるとともに、地中海ではシチリア島、サルデーニャ島、キプロス島、コルシカ島についで5番目に大きな島である。クレタ島はヨーロッパにおける最初の文明のひとつであるミノア文明が栄えた。当時の社会については、伝えられるべき文字が遺されなかったため、遺構から類推するよりほかないが、平和で開放的であったと考えられている。ミノア期の遺跡には、壮麗な石の建築物や複数階の宮殿があり、排水設備や、女王のための浴場、水洗式のトイレがあった。水力を動力とする仕組みに関する技術者の知識はとても高度なものであった。エジプトなどとの交易によってもたらされた遺物から、ミノア文明は、紀元前3000年頃からクノッソスが衰退した紀元前1400年頃ごろまで栄えたと考えられている。(ウィキ)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする