バイブルランドin福井

安田由久が驚くべき聖書の世界をご案内します

ロシアのウクライナ進攻の真相は

2022-03-31 04:00:00 | 聖書入門 新約聖書
ロシア軍のウクライナ進攻は大ニュースとして連日、報道され、

「ウクライナが善、ロシアが悪」という白黒の善悪という報道やニュース解説が大半です。

しかし、果たしてそれは正しいことなのか私は疑問に思っていました。

ロシア問題に詳しいのは、作家の佐藤優(注・01)さんでしょう。

私も何度も雑誌や本で佐藤さんの本を読んでいますし、

クリスチャンとしての発言をされていますので、この進攻の真偽を今回、

「週刊新潮」(3/10)に寄稿された文章から紐解いていきます。


・・・まず今回のウクライナ大統領ゼレンスキーにも問題が大ありという指摘です。

彼は、コメディアン出身で2015年に主演ドラマ「国民のしもべ」が大ヒットし、

19年4月の大統領選で初当選しました。

ところが、当初は70%以上あった支持率も、政界に蔓延(はびこ)る腐敗を正せずに急降下、

1年後には30%ほどに落ち込み、現在はさらに低迷しています。

そこで支持率上昇のために、反ロシア感情を高め、領土の回復を試みようと動き始めました。  

14年に親ロシア勢力が

一方的に独立を宣言した東部の「ドネツク」「ルガンスク」両“人民共和国”の人たちは、

多くがロシア語を話し、ロシア正教を信仰し、自らをロシア人だと認識しています。

すでに70万人がロシア国籍を取得しているともいわれ、

この地を取り戻そうとするゼレンスキーに対し、

プーチンがそれを許せば国民を見捨てることとなり、政権が瓦解する可能性もある。

そこで軍事介入というオプションを選んだのです。  

ロシアの行為は全く是認できるものではありません。

国際法では、国連加盟国の紛争は武力で解決してはいけないことになっています。

ただし、プーチンが完全な無法行為を働いているとも言い切れません。

国際法を無視ではなく、巧みに「濫用」しているのです。

プーチンは今回「特別軍事作戦」が国連憲章51条に該当すると主張しています。

これは集団的自衛権を認める条項です。

さらにプーチンは武力行使を正当化するために“ウクライナの「ネオナチ」政権から守るため”

という屈を持ち出したのですが、ウクライナ政府には、ナチスドイツと一時期協力した

ステパーン・バンデーラを民族の英雄として尊敬する人たちがいるので、

こちらもこじつけることができます。  

侵攻のタイミングも実に合理的でした。

前日の2月23日は、1918年にソ連がドイツに勝利した

「祖国防衛の日」であり、愛国感情が最も高まる日。

無名戦士の墓にプーチンが献花し、盛大な軍事パレードが行われる。

国民全体で戦いに思いをはせ、翌日に「ネオナチ」との戦闘に踏み切ったというわけです。

国境を「面」で捉えるプーチン自身は狂人でもなければ、

郷愁にとらわれたナショナリストでもありません。

24時間、国のために働くことができる国益主義者であり、

典型的なケース・オフィサー(工作担当者)です。

今回は国際社会からさまざまな経済制裁を受けるでしょうが、

その反面、NATOがすでに機能していないことを白日の下に晒したともいえます。

これ以上、NATOに加盟しようとする国が出てこなければ、ロシアの安全保障上、

きわめて大きなメリットとなります。

彼がもくろんできたのは非共産主義的なソ連の復活です。

 無神論を掲げたソ連のKGBに勤めたプーチンは、今ではロシア正教の信仰を受け入れています。

彼にとって正教は、ロシアに不可欠なアイデンティティーの一つであり、

これを擁護することを義務だと捉えている。

そのためには軍事力を持ち出してでも「悪」の出現を食い止めなければ、

という立場にあるのです。

今回の軍事行動は、ロシアと事を構えない融和政権がウクライナで樹立されるまで続くでしょう。

現在ウクライナの軍事施設は壊滅的な被害を受けており、これを再建できないようにした上で、

マッカーサーが戦後日本で行ったように、自衛のための軍隊だけを認める。

それらが達成されたのち、ロシアは手を引くのではないかと思われます。

実効支配していた「ドネツク」「ルガンスク」の両人民共和国は、

それぞれが位置する州全体を支配することになるでしょうが、

ロシアが占領するとしてもこの2州にとどまり、全土には及びません。

あくまでロシアに迎合した政権が「自発的」に誕生するのを待つのではないでしょうか。・・・


佐藤さんの見解は私は正しいと思います。

アメリカのかつて日本やベトナム戦争などと同じ構えでウクライナに対応している背景には

プーチンのロシア正教会の思想を紐解いていかないと何も分からないということです。

日本のキリスト教を知らない浅はかな思考では対応できないのです。


(注・01)佐藤 優(さとう まさる、1960年1月18日 - )
日本の作家、外交官。同志社大学神学部客員教授、静岡文化芸術大学招聘客員教授。
学位は神学修士(同志社大学・1985年)。
在ロシア日本国大使館三等書記官、外務省国際情報局分析第一課主任分析官、
外務省大臣官房総務課課長補佐を歴任。

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「ハビヤン版平家物語」の正確な書名 

2022-03-30 04:00:00 | 日本教から脱出するにはどうするのか
今、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を毎週、楽しみに見ているのですが、

平安末から鎌倉前期を舞台にしていますし、

源平合戦と鎌倉幕府が誕生する過程で繰り広げられる権力の座を巡る駆け引き、

その勝利者で北条得宗家の祖となった北条義時を主人公に描いた大河ドラマです。

このドラマの解説などネットで調べていくと「平家物語」が実に面白いのですが、

1のハビヤン版平家物語は実に興味のあるものとなってきました。

また2・妙貞問答、3・破提宇子も全く真逆の著作家と思っていましたが、

実は同じだったのは驚きです。

それは「自然の教え」が基本的な思想であり、宗教(=日本教)なのです。

つまり

2の妙貞問答

この教えに日本の従来の神道、儒教、仏教があり、キリスタンこそ最善としています。


3の破提宇子では、キリシタンこそ害悪だと説くものです。


つまり、神道、儒教、仏教、キリシタンいずれもある種の方法論にすぎないのです。

それを論破していくプロセスこそ、かなり論理的、科学的であり、

この時代の当代一流の知識人であるハビヤンは、「自然の教え」が

基本的な思想から神道、儒教、仏教、キリシタンを破すことになったのです。

そして不思議なのは、相手の思想、宗教を破るのであれば、自分の思想は何かです。

それを語ったのが「ハビヤン版平家物語」です。

そしてこれが日本学、日本教学となっています。

自らにある思想を「ハビヤン版平家物語」を通して語っているのです。

そこを正しく理解すれば、日本の根底に流れる日本教を知ることになるのです。

では「ハビヤン版平家物語」の正確な書名は何か。

「日本のことばとHistoriaを習い知らんと欲する人のために

世話にやわらげた平家の物語」であり、読む者はすべて外人です。

つまり日本の故事(平家物語)を主題にした日本語の教科書、日本学入門書だということです。

その意味では日本人が書いた最古の教科書なのです。

もちろん生徒はパードレであり、生徒の意見でかなり変化していきます。

また平家物語の語り手を右馬之丞という架空の名前になっています。

しかも、パードレに平家物語を伝道用(キリスト教専門用語)にしており、

ハビヤンは日本を自らの中に取り込んで語り、パードレたちが理解できるように書いていきます。




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代価を支払う教会共同体

2022-03-29 04:00:00 | 使徒言行録に書かれた聖霊の働き
使徒言行録
4:31 祈りが終わると、一同の集まっていた場所が揺れ動き、

皆、聖霊に満たされて、大胆に神の言葉を語りだした。

4:32 信じた人々の群れは心も思いも一つにし、

一人として持ち物を自分のものだと言う者はなく、すべてを共有していた。

4:33 使徒たちは、大いなる力をもって主イエスの復活を証しし、

皆、人々から非常に好意を持たれていた。

4:34 信者の中には、一人も貧しい人がいなかった。土地や家を持っている人が皆、

それを売っては代金を持ち寄り、

4:35 使徒たちの足もとに置き、その金は必要に応じて、おのおのに分配されたからである。

4:36 たとえば、レビ族の人で、

使徒たちからバルナバ――「慰めの子」という意味――と呼ばれていた、

キプロス島生まれのヨセフも、

4:37 持っていた畑を売り、その代金を持って来て使徒たちの足もとに置いた。


ペンテコステの聖霊降臨は何度も起こっています。

それは今回のような迫害の中で心を一つにして声をあげて祈ったからにほかなりません。

日本ではこのような教会での祈りをみたことがありません。

また23年間の牧会でもお恥ずかしい限りですが、このような祈りに導いたことがありません。

また、現在、移住したこの地の教会でも全くありません。

つまりこのような初代教会の一致した祈りは皆無というのは日本のキリスト教会だといえます。

これでは霊的復興など微塵も起こりません。

そのために私も含めて代価を払っていません。

高校時代にクリスチャンになってから、ずっと私を捉えていたのは、

4:32のような教会であり、代価を支払う教会共同体でした。

1995年から断食祈祷院開設もそれを実現するために始めたのですが、

現実とはあまりにも違い過ぎました。

私も日本のキリスト教会では到底、無理だと諦めていましたが、

この高島市で実現できるのであれば、上からの力を浴びるしかないので、

この5年間、何度もだ断食祈祷をして、毎日、歩行祈祷を重ねています。

必ず、それが実現すると信じています。


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自分の信仰を誇るな

2022-03-28 04:00:00 | ローマ人への手紙を読み解く
◆ユダヤ人と律法
2:17 ところで、あなたはユダヤ人と名乗り、律法に頼り、神を誇りとし、

2:18 その御心を知り、律法によって教えられて何をなすべきかをわきまえています。

2:19 -20また、律法の中に、知識と真理が具体的に示されていると考え、

盲人の案内者、闇の中にいる者の光、無知な者の導き手、未熟な者の教師であると自負しています。

2:21 それならば、あなたは他人には教えながら、自分には教えないのですか。

「盗むな」と説きながら、盗むのですか。

2:22 「姦淫するな」と言いながら、姦淫を行うのですか。

偶像を忌み嫌いながら、神殿を荒らすのですか。

2:23 あなたは律法を誇りとしながら、律法を破って神を侮っている。

2:24 「あなたたちのせいで、神の名は異邦人の中で汚されている」と書いてあるとおりです。


17節以降で問われるのは、十字架によって義とされることなのです。

ですから先回、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「義認」の解説を長く引用しました。

信仰を明確に確認する神の恩恵をリアルに受け止められるか否かです。

そして神を聖なるものとして聖化されていくことは、神を体験する以外にはあり得ません。

しかし、神を体験したことを誇ることはしてはならないことなのです。

すべてはキリストのためであり、自分の義を立てることではありません。

パウロはイエス・キリストにある確かな救いの根拠を与えられていましたので、

ユダヤ人のような信仰の誇りなど微塵もないのです。

ゆえにユダヤ教徒の律法の誇りを2章で厳しく追及し、

そればかりかユダヤ教徒以外の異邦人の問題も浮き彫りにしたのです。

私たちはイエスの霊、聖霊を正しく受けることしか、パウロのようなところにはいけません。

これまでパウロはユダヤ教徒の言行不一致を厳しく追及して来ました。

しかし、この追求はユダヤ人、ユダヤ教徒だけではありません。

むしろ私たちに向けられているのです。

私は23年間も牧師を務めていましたが、

この期間を想起するとパウロの指摘のような歩みをいつも問われてきました。


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山上説教  37 敵を愛しなさい 01 聖書に倍返しはない 

2022-03-27 04:00:00 | イエス・キリストの生涯  マタイによる福音書
マタイによる福音書
5:38 『目には目を、歯には歯を』と言われていたことは、あなたがたの聞いているところである。

5:37 あなたがたは、『然り、然り』『否、否』と言いなさい。それ以上のことは、悪い者から出るのである。」

5:38 「あなたがたも聞いているとおり、『目には目を、歯には歯を』と命じられている。

5:39 しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。

だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。

5:40 あなたを訴えて下着を取ろうとする者には、上着をも取らせなさい。

5:41 だれかが、一ミリオン行くように強いるなら、一緒に二ミリオン行きなさい。

5:42 求める者には与えなさい。あなたから借りようとする者に、背を向けてはならない。」

5:43 「あなたがたも聞いているとおり、『隣人を愛し、敵を憎め』と命じられている。

5:44 しかし、わたしは言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。


38節から42節まで読めば、聖書に倍返しはあり得ないことが分かります。

日本では最近、テレビドラマで一躍有名になった言葉が、

ドラマ「半沢直樹」で繰り返しでてきた「倍返し」です。

第1集では、100倍返し、第2集では何と1000倍返しという復讐劇でした。

このドラマは録画をしていましたので何度も見ました。

第1集の2013年度版の最終話は42.2%を記録し、同枠の『ビューティフルライフ』(41.3%)

を抜いて歴代第2位となり、平成の民放テレビドラマ史上第1位の視聴率となっています。

また視聴率調査が現在のミノル・メーター方式となった1977年9月26日以降でも、

『積木くずし』の45.3%、『水戸黄門 第9部』の43.7%に次ぐ

民放テレビドラマ史上第3位の視聴率となったのです。

瞬間最高視聴率は22時17分に記録された46.7%。2013年の年間視聴率ランキングでは、

同年大晦日に第64回NHK紅白歌合戦の後半が44.5%を記録するまで

同年の全テレビ番組の平均視聴率首位だったのです。

この異常な視聴率の高さで、主人公の半沢直樹が多用した

「倍返しだ!」という決め台詞は日本中で話題となり、

メディアでも盛んに引用されるなど流行語にもなっています。

つまり、聖書を読んだことのない日本では、これから学びます38節から、

44節までなど入り込む余地がありません。

聖書でも旧約聖書においても倍返しが肯定されています。

出エジプト記 21 章 23~25 節
「しかし、重大な傷害があれば、いのちにはいのちを、目には目を、

歯には歯を、手には手を、足には足を、火傷には火傷を、傷には傷を、

打ち傷には打ち傷をもって償わなければならない。」

他にもレビ記、申命記にもこの言葉が出て来ます。

しかし、イエスはすべて否なのです。

それはなぜなのでしょうか。

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