フィリピンのショッピングセンターへ行けばシャネルやヴィトンのバッグが山積みして売られている。勿論、それらはすべてバチ物(コピー商品)だ。日本人が多く利用する両替店の近くを歩けば「シャチョ、シャチョ」と物売りから声を掛けられてバチ物のロレックスを見せられる。ブランド品ばかりではない。家電製品や食品に至るまでナンだってバチ物がある。昨年、妻と出会って彼女が最初に欲しいと言ったのは滞在していたホテルの一角にあるサリサリ(雑貨店)で売っていたシャネルのバチ物バッグだった。見れば笑えるような粗悪品で値段は日本円で500円位だったように記憶している。バチ物バッグの売れ残りだろうから「ヤメタホウガイイ」と言っても妻は聞き分けがない。仕方なくそれをプレゼントしたところ妻は喜々(キキ)として愛用した。しかし、考えてみればバチ物天国のフィリピンだ。仮にフィリピーナがホンモノのシャネルのバックを身につけていたところで、それはバチ物に思われるから、まあ、バチ物でよかったのだ。さて、来日した妻は当初そのシャネルのバチ物バッグを使っていた。ところが暫くすると身につけて外出しなくなった。日本ではバチ物バッグで見栄を張ることがとても恥ずかしいつーことを学習したようだ。そこで結婚1周年を忘れたワビにTAKEO-KIKUCHIのバッグをプレゼントした。ただし、妻は一つのバッグを選ぶのにイオンで半日掛った。買い物地獄、イヤー疲れた、ホント疲れた。