美 going on

長野県下の小中学校の図工美術教師による,毎日の「図画工作」「美術」の授業の様子を紹介します 

鑑賞を使って・・・

2014年07月03日 23時01分27秒 | 鑑賞学習のすすめ
安茂里小坂井です。
長崎先生が、子どもたちの「上手な絵」について考察しておられたので、すこし絡めての話題です。

美術の授業を「苦手」な理由を尋ねると、やはり「上手く描けないから」と多くの子どもたちが答えます。特に「リアルに描けない」からと口をそろえてよく言います。この場合のリアルは写実的、本物そっくり、写真みたいを意味しています。
そこでこの鑑賞を行います。

題材名「絵の役割について

準備するもの
写実的な作品(写真はドミニク・アングルの作品)
ゴッホの作品
※いずれも資料集や作品集から撮りました。プロジェクターで拡大して提示します。パソコンのプレビューだけで十分です。拡大もできます。

展開
1 まずは2つの作品をじっくり見せます。タッチの違いもしっかりと。
2 次に書かれた年代を提示します。
3 質問「技術が高まって、写真みたいに描けるようになるならわかるけれど、時代が進むとゴッホのような絵になっていったのはなぜ?

 子どもたちは困ります。
 「リアルに描くのに飽きてしまったから」等など。あまり時間をとっても困るだけなので、見計らってヒントをだします。

4 実はこの40年の間に今ではどこにでもある「ある物」が発明されました。そのせいで絵は変わっていくのですが・・・それはなんでしょう?

5 答えは・・・カメラ
  カメラの登場は、絵の役割を大きく変えました。まったくその通りに自分の姿を残せるのですから。
  必然的に、絵は写実的であることから、離れていくことになりました。そこで自分の感じた印象が大事になってきました。

6 美術の授業で学んでほしいことは、リアルに描くことよりも、自分の思いを色や形でどう伝えるか。
  写実的にしたいなら写真を撮ればいい。写真では足りない部分「私にはこう見えた」「感じられた」を大事にしたい。

 と結びます。

私はこれを中学校2年生の最初の授業にしていました。ともすると、写実一辺倒になりがちな子どもたちの気持ちを、すこしでも和らげることができるといいのですが・・・。
  、

スーパーかざぐるま 小学校1年生の参観日の授業にどうぞ

2014年07月03日 21時47分53秒 | 過去の題材
長崎です。

今日は,私のテッパンの題材をご紹介。

小学校1年生の1学期に最適。
参観日の授業としてもおすすめです。

題材名は『スーパーかざぐるま』
なぜ「スーパー」なのかは,後ほど。


画用紙に,大きな円を描いた物を配ります。
まずは,好きな色を使って。好きな模様,好きなものをたくさん描いてみよう!

できたら,円を切り取ります。
そして,中心まで切り込みを入れ,花笠のような形にのりで貼ります。

クレヨン,はさみ,のり,と一通りの道具の使い方が指導できる上に,それぞれの子どもたちの幼稚園や保育園でこれまでやってきた,道具の扱い方の様子もわかるので,その後の題材の選定に役立ちます。

その花笠状のものの周りに切り込みを入れて,一方向に折り返します。

すると,こんな感じになります。

これで「スーパーかざぐるま」のできあがり!

えっ!?これだけ?と思いますよね。

「スーパー」なところは,これの回し方。
人差し指の上に乗せて,風上に向かって走る!!

すると,指の上でくるくると回るのです!
が,残念ながら画像が見つかりませんでした…。

簡単に作れるので,ぜひご自分でやってみてくださいね。


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