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トリオフォー&素人の乱シランプリそして場所っプ山下陽光の日記bashop77@yahoo.co.jp

【小説依頼がきた】Part7

2009年03月20日 23時15分50秒 | 場所っプ
前回までのあらすじ。
福田和也氏に小説書いてみませんかと言われ、エンタクシーで小説を書く事になったヤバオ。いろんな不義理とアドバイスを頂きながら、頑張って書き始めたがすぐにズルしてあっさりばれて、原稿を「赤入れ」というレイプされまくりでへこんでしまう。〆切りまで時間がないヤバオ。果たして間に合うのか?



もう、書く以外に方法はないなぁ、とか言いつつ、どうにか逃げ切る作戦を考えるが、なかなか思いつかない。家と店がジャマだ。この頃やたらと店辞めたい宣言をして、近所のクレヨンボーイズ達に「店あげるよ」と言いいまくる。

しょうがない。深夜1時に店を閉めていつものネットカフェに行こうかと思ったが、前回行った時店員に「お客様、ただ今和室の席が満席でして、空き次第ご案内させていただきますが、よろしいですか」
という顔覚え→客の嗜好理解→完璧な対応にびっくりしたので、今回は少し奮発して、個室ビデオスターリンに行こう!
ネットカフェは、天井がやたらと低く、オナラも出来ないし、周りが気になって仕方ない。個室ビデオスターリンならオナラもできる。宝島という名前のJICC出版みたいな名前も気に入ってる。
俺はビデオなんか観ませんよ、PCで原稿を書きに来たんだからねという気持ちで入店するなり「PCが使える部屋は空いてますか」
「2部屋あります」
よしよし、じゃぁ5時間パックのチケットを買って、ちょっと待てよ、最近のスターリンはお笑いの銀皿も置いてんのか、ふーん、この裏の棚は
肌色か、横は肌色、あーレイアウト思い出してきたぞ、このあたりに昔あった肌色は、あるねあるねちょっと抜き出してみるか、結局2本チョイスして、「ホテルがライバル」と宣言する部屋にペットボトルのお茶を買って入り、あー、銀皿借りなきゃよかったなぁ、どっかに隠そうと思い狭い個室を探すが、
どこにも隠し場所が見つからず、両手を真横に伸ばして伸びを
したら、隠し扉が
開いたので、「チャンス」と思い、そこに銀皿を隠したら、肌色と金キラシールが見事に融合した絵画の連続に興奮してしまい、毎度のことながら、ここにくると故郷長崎を思い出す。

皿うどんを知ってるかい?出前で皿うどんを頼むと、使い捨てのビニールサイズの赤キャップの容器にソースが付いてくる。大皿の皿うどんにそれをかけて食べると、んんまいのだが、そのビニール使い捨て容器(寿司のときは魚の形になってるやつ)が、たぶん俺が長崎出身だという事をJICCの宝島の奴は知ってて、
気を使って、
その容器に涙と同じ透明度と、都会の温さとまろやかさを封印した物と、「当店はホテルがライバルですから、食器等の洗い物はこちらのスポンジをご利用ください」
まったく用途のわからない長丸いスポンジと長崎を思い出す為の使い捨てしょうゆ入れをくれて、
さらに、中学の時の物理の先生が近藤だったんだけど、そいつのあだ名が「ムー」だったんですが、ほんとうに意味わかんない三点セットをくれて、銀皿の収納具合と、目の前にあるものをいかに代用していくか、がチョロズムの醍醐味だから、ペットボトルの蓋にお茶を注ぎ、スポンジの蓋を開けて、「何か部屋暑いな」でズボンを脱ぎ、間違えて透明醤油をコカンクスにこぼしてしまい、いけねぇ、何か拭くもの、そうだスポンジ、銀皿回って肌色、手はベトベト、ペットボトルの蓋もこぼして、ぬるぬる、銀皿チカチカ、もういいですか?

そんな愚行をしたあとの中学以来程の背徳感が遊びにきて、落ち込む前に、「あっ原稿原稿」と焦って書き始めたはいいが、手に汗握るスピードで
どんどん進む。そのうちなんだかわかんないけど汗とジュラッシックパークのコラボで、水を得た魚のごとく、手がヌルヌルしてきてそのうちキーボードまでヌルヌルになった時に、死んでやろうかこのやろー気分になって、窓はないけれどウインドウズ右下みたらもう朝だ。4時間40分経ってた。
途中でやめて、外に出て散歩。
店主が店員をむちゃくちゃ叱り飛ばす、環七の立ち食いうどん屋で、朝のトラック野郎ラッシュと肩を突きながら麺をつつく


今日は夕方から、新宿にて宮沢章夫、松本哉、ヤバオのイベントだ。
今日仕上げないと、イカン崎。朝からいつものネットカフェに入る。
どうにか書き始めるが、どうにも進まないので、暇つぶしにネットやってたらあっと言う間に2時間経過。2時間延長して書くが、書けない。
つうか眠い。

帰宅。少し寝て新宿へ。ネイキッドロフト楽屋に案内されて、
申し訳なさ程度に続きを携帯で打ち込んでたら、宮沢章夫登場!
緊張する。色々と話をしたいが、何を話せばいいのやら、というよりも話したい内容は本番で話すべきであって、今は話すべきではない。
キャパシティー博之こと松本哉は来る予感すらない。
二人。
あっ、そうだ、小説の事聞いてみよう!これ大正解でしょ。
書き方教わるのがいいんじゃない?
小説を書いてみませんか?と言われて、まさかのエンタクシーと聞いて
ビビリまくりながら、小説の意味がわからんどころか、「小説の書き方」というホームページを観ながら小説書いてるどうしようもなさだし、しかもそのページを信用しまくったせいで、わけのわからん「神の目線での声」みたいな、何の事だ
かさっぱりわかんない事書いてたから調度いい。

「宮沢さん、実は今、小説をかいてまして、、、、書き方がまったくわからないんですが、小説ってどうやって書けばいいんでしょうか」

「へぇ、どこかから依頼されて?」

「はい、エンタクシーです」

「あっ、エンタクシー、今日中田さん来ようかなぁーって言っ
てたよ」

聞かなきゃよかった。このプレッシャー、どうすんだ、おい、眠り二回の不義理以降中田さんには謝罪すらできてないじゃないか、もし来たら、今日は松ちゃん宮沢さんの頷き&相槌披露だけしようと思ってたのに、動かぬ証拠&プレッシャーの縛り地蔵で何も出来ねぇよ。
「でも、来れなくなったって連絡あったよ」

POW!
よかったぁ。

「締め切りはいつなの?」

「今日です」

「なんとか、なるよ、とにかく書いて、書いてみることだね」

この頃は本当に小説書かないといけないという膜がどこに行っても、何をやっても、それに支配されていて落ち着かない日々で、ヤバオの店で日
曜日にバイトをしてくれているチョンペこと井手実いわく「ヤバオ君が悩んでる時は、ただでさえ散らかってるレジ周り
がさらに汚くなってるから、よくわかる」と言われた。

翌日のお昼までに原稿を送りますいませんメールを、生田さんに送って、
どうにか翌日、気の聞いた店員がいるネットカフェで、書いて、書いてみる原稿を送信した。


つづく


●●●●

本日祝日でズルして飲みたかったんですが、門前仲町の魚三も大坂屋も休みで、しかも門前仲町の交差点にある旨いタコ焼きも休みでしたよ。祝日はどこも休みなんでしょうか?
4月4日の掲載記念イベントのチライヤーが出来ました。シランプリ&素人の乱に置いてるので踏んで下さい。

【小説依頼がきた】Part6

2009年03月20日 04時07分32秒 | 場所っプ
前回までのあらすじ。
JFKに小説を書いてみないかと依頼されたヤバオ。ネットカフェに篭って仮仮
誌に原稿を送ったが、まったく連絡がない。と思ってたら着信アリ。


●●●●●
着信に対応できる場所ではなかった。

かつて「だんご三兄弟」を生み出した佐藤雅彦は毎日新聞で連載していた「毎月
新聞」にて携帯電話の恐ろしさを1999年5月19日の毎日新聞で「新しい心
配」と言い表した。クラッシックコンサートに出かけた著者がやたらと盛り上が
ってる会場に、なんだろうと回りを見渡したら、2階席に皇太子夫妻が着席して
いた。「ここで誰かの携帯が鳴ったらどうしよう」数年前であれば心配する必要
のなかった種類の心配で、これを「新しい心配」と名付けた。
と。それから10年たっている。友人と居酒屋で飲んでて実家の親から電話が掛
かってくるという違和感にも慣れた。モーニング娘。という言葉の違和感どころ
か、携帯で「モーニング」を入力するだけの変換予測で「。」もきちんと入った
モーニング娘。が候補として出てくる。新しい心配すら古くなっている。そんな時代だ。
そんな最先端の過去をぶら下げながら、仮仮誌からの着信。場所が悪すぎた。

近所のDramaという銀皿を貸し出して肌色と目がチカチカする画が動き出すブツを
貸してくれるコーナーにいた。

「はい」

「仮仮誌の田生ですが、今お時間大丈夫ですか?」

まったく大丈夫じゃないよ。僕は天使じゃないよ。
「はぁい」

「今お店ですか?」

「いえ、違うんですよ」

「近日中に赤入れしたいんですが、時間ありますか」

「はい、大丈夫ですよ」

「いつ頃がいいですか?」

「いつでも大丈夫ですよ」

ヤバオのやり取りをおさらいしてほしい。ヤバオの声は受話器の向こうの田生さ
んには発していない。アダルトコーナーの他の客に対して言ってるようなものだ。
こんな場所でまともに会話出来る方がおかしい。

New心配ofNew心配のおかげで借りたいブツも借りずに帰宅。
とにかく縛り地蔵憧れで今は小説を書かないといけない。

毎回やり取りしている友人が「こんな感じにまとめたらいいんじゃない」という
サンプルという名のゴーストライティングして頂いた原稿によく似たサンプルを
送ってくれた。

個性だの、俺だけのだの、いろいろとあるかも知れん。ただ、面倒臭いし、この
サンプルでいいんじゃねぇ?

誰だ?誰か今悪魔っぽい囁きしたな!

俺でーす。

ゴースト文章をチョロ変えしたのを仮仮誌の田生さんに送った。

これはまとまってるでしょ。おそらく。

本日赤入れ。いつものように店を開けるが、近頃めっきり友人知人から「小説進
んでる?」と聞かれる。ブログをみんな読んでくれてるんだなぁと嬉しい&プレ
ッシャー。今夜田生さんがやってくる。「赤入れ」って何だろう?二色刷りって
事じゃないでしょ。昭和35年に発行された俺の宝物「印刷ユーザーガイド」を
めくる。この本は当時の様々な印刷技術サンプルの本で活版印刷やオフセット、
グラビア、投票券、小切手、クリスマスカード等のサンプルが入りこんだ意図し
ないコラージュ本だ。この本の付録10ページに「校正記号表」というのがある。

「文字、記号などを取り去って、あとを詰める」これを「トル」というらしい。
その他にも「トルツメ」「イキ」「ミン」
「ポ」「倍」「アンチ」「小キャップ」などまったく意味がわからない事だらけ
だが、この文字だけが手書きの「赤」で書かれているから、おそらく今日はこれ
をやるんだろう。とにかく知ったかぶりをするに限るな。直ぐさま付録10を切
り抜いて練習。「トルツメ、アキでアンチ入れてポで」いいねぇ、「倍で分をミ
ンにした部分をオモテにしてイキにしたとこトルエンで」いけるっしょ。中笑い
はとれるんじゃないの?たまたま店にきていたまくち書房の口井さんに披露した
ら「絶対ウケる」という太鼓判と校正表が古すぎるから「アンチ」や「小キャッ
プ」は通用しないと思うから要注意と。

田生さんは深夜にやってくるが、ここで忘れちゃいけないのが酒を飲んだら終わ
り。ということ。飲みまくって眠って不義理してしまったのだから、待ち合わせ
場所をどうにかノンアルスポットにしておきたい。
「ファミレスにしませんか」というヤバオの提案に田生さんは「高円寺にファミ
レスありましたっけ」というまともな返しに対して「ありません」と答えて中華
居酒屋へ入る。

酒だけはまずい。飲んだら終わり。限界破滅ギグの蓋が開く。セーブしようと素
人の乱セピアのマスターNORANEROが最も嫌がる空気を読まない行為「飲
み屋に入って定食を注文する奴」になって定食を注文しようとしたら「一杯くら
いいいじゃないですか」という田生天使の声が!
甘えていいのか?寝ないのか?いや、駄目だ。ここで飲んだら一杯が二杯になっ
てしまう。止まるわけがない。相手は中華だぞ、甘くみるな。ここは冷静になろう。

「すいません生二つ」

やっちゃったよ。乾杯。

うまいねぇ。ダメだよ危険だよ。
また田生さんがピータン、麻婆豆腐、から揚げ、豚足スープとかギャンギャンに
頼むんだよ。ビールなんてあっという間にオケラ節よ。オカワリもらおうかな。
いや、ちょっと待てよ、まだ原稿すら見てないよ。とりあえず「ウーロン茶下さ
い」いいねぇ、きっと店員もこの感じを読み取ってるでしょ。こんだけの相性のいい
つまみに対してウーロン茶頼むナンセンス=チョロット焼酎入れておきますよ。と
いうサインでしょ。ビール→ウーロン茶。こんなナンセンスはないわけだから店
員の気遣いに期待。
「オマタセシマシタウーロンチャデス」

ウーロン茶だった。気遣いゼロだった。

飲みたいのみたい気分を抑えながら食べる。
飲むはウーロン茶。中華とウーロン茶がまた相性いいんだ。
でもようぅ!呑みてぇ、飲みてぇ。

「いろいろあるんですが、まずは見てください」
プリントアウトされた原稿を渡される。
レイプに次ぐレイプ。
赤、赤、赤。
パイロット、ぺんてる、パーカー、ボールペン会社すべて集まっても
こんな赤は出せないんじゃないかって位、赤い。
かなりの大枠で囲んで「トル」と書かれてる。
「トル」!!ワァオ!メジャー!と思ったのは最初だけで、出てくる出てくる
「トル」ラッシュ。そしてたくさんの赤字で書かれた「?」マーク。
落ち込んで下を向いてもテーブルの角しか見えないので、
手首を当てて、スッーとスライドさせて見せる自殺を考えるが、却下。

「ここの描写はまったく意味がわからないんですけど」

あっ、これはまず鍵持って開けますよね、そんでバーンってやって、
そんで、シカトしながら、入ってバンってやってブーンってなるんすよ、

「なるほど、でもこれじゃぁまったくわからないですね」

と、の、ほの、とほほでやんす。

その後も何度も身体を使って説明して、「言われないとわからない」
と言われ、レイプされまくりで、逃げ出したい&諦めたいスイッチが入る。

校正記号が書かれた紙を取り出して、どうにか、
「イキ」ですかね?「小キャップでポにしましょうか?」などという愚の骨頂ギグ
をやるが、
「何を見てるんですか?」
と言われ、待ってましたといわんばかりに、紙を渡すが中笑いどころか、
小、5笑いの薄瞬き笑い程度に終わる。
レイプされて自殺もなしじゃないな、その後も、
「このあたりだけ文体がちがいますよね」
という鋭い指摘をされて、
「そりゃぁー、そうっすよ俺じゃない人間がそこ書いてますからねぇ」
とは言えず、どうしようかなぁー、と思ってたら、
やっぱレイプされた後っておかしくなるんすかね、言ちゃったんすよ、
「実はチョロっと書いてもらったんすよ」
「やっぱり」
バレるんですね。
3月6日の宮沢章夫さんとのトークイベントのチラシを渡して、店を出る。
「じゃぁ、明後日までに原稿の直しよろしくお願いします」
と言って帰り始めたので、サラリーマン文筆家の精神が分泌してきたので、
同じ方向に歩く。
「どうしたんですか?帰る方向逆じゃないですか? 」

「何言ってんすか、舎弟じゃないですか、見送ります」

「いや、いいですよ、じゃぁ飲みにいきますか」

もう午前三時を回ってる、飲みたい、、、いや、試されてる。

「いや、今日は、、やめておきます」

明後日は新宿で宮沢章夫、松本哉、ヤバオ、三人トークイベント。
呑まないわけがない。明日までに原稿を書き直さなければ。

つづく


●●●●


いよいよ3月26日に仮仮誌ことen-TAXI(エンタクシー)が発売されます。
福田和也氏に「小説書いてみませんか」と言われビビりまくって書いた超短編
小説がどうやら掲載される模様です。
それを記念してものチョロいイベントを開催します。

●4月4日(土曜)
素人の乱12号店(高円寺、シランプリの斜め前)
18時から20時くらいまで。
入場料は未定ですが500円以下なのは保証します。
無料の可能性アリ。

エンタクシーを調子に乗って50冊買い取ったので、そこで販売いたします。
980円
ここで売ってるエンタクシーは本屋に売ってるのとは違うバージョンで、
表紙と裏表紙に仕掛けがあって、
表紙を変えて違うものにして、そこにマジックテープが貼ってあり、
その上には「小説依頼が来た」VOL9までの完全版と
裏表紙のエンタクシーにも同じくマジックテープが貼ってあり、
「ネタバレ完全自供ガイド」が付いてきます。
「小説依頼が来た」を読んで本編の小説を読んだ後にさらに
「ネタバレガイド」でそういうことだったのかー。が味わえるブツに
なっておりまして、完全特殊パッケージになっております。
そんなこと言われても遠くて行けないよ!
という方には郵送するので、メールにてお知らせ下さい。
「小説依頼が来た」完全版はどなた様にも無料で郵送するのでお知らせ下さい。

近所でエンタクシー買うから「ネタバレガイド送ってくれ」という方に朗報です。
「ネタバレガイドは非常にデリケートな材質で出来ておりまして、リンク不可の無断掲載すんません、という
内容になっておりますので、「エンタクシーを持った自分」の写メをメール貼り付けて、
名前&住所と小説を読んだ感想を書いて送って下されば、こっそりと飛脚憧れの民営化に送らせます。
なお、いただいた写メは個人情報のルールに従わずネットに大公開するので、顔バレNGの方はエンタクで
顔を隠すなどの方法で写メを送っていただければ幸いでございます。

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山下陽光

では、皿バイ