こばなし

日々のよしなしごと

いつまでも注視し続けなければならないものがあると知らせることが、私の写真家としての使命だ。

2008年11月27日 | アート
昔のDAYS JAPANを読んでいて
グリフィス氏のベトナム戦争の写真に
涙した

音楽も写真も絵も
わたしは技術的なことなんて
てんでわからない
ただ好きか嫌いか
いいか悪いか
それだけ

いいものを見たら
自然と涙はでる

この男の子の顔を見ていると
本当になんと言ったらいいのか
わからなくなる

いつもいつも
戦争に傷つけられて
たくさん失って
死んでいくのは
何も悪くない人たち



こういう写真を撮る人は
真実を知っている人だ
嘘の匂いを嫌う人








写真はまだまだ人々の心を動かす力を持っているし、人類の悪行に人々の視線を向けさせることができる。

大きな賞というのは、必ず欧米の大きな出版社やフォトエージェンシーが後ろについていて手を回す。それが嫌だ。その点、DAYSは自由だ。

一人の人間、一つの大きな企業によって写真が集められてしまうと、20世紀の歴史がその手にゆだねられてしまうことになりかねない。

現在、マスメディアの大半は権力者によって操作されている。彼らは過剰な情報で人々を混乱させ、知的レベルの低下を招いている。

写真とは、権力者の側から見れば、最終的に自分たちでコントロールすることのできない何かなのだ。

デジタル・カメラが出回るようになってから誰もがどこでも気軽に写真を撮れるようになった。これは権力者にとって脅威だ。


フィリップ・ジョーンズ=グリフィス
Philip Jones GRIFFITHS


戦争と人間と写真
マグナムの精神的支柱・グリフィスの軌跡
構成/野口みどり
DAYS JAPAN 2008年4月