朝
なぜか蜂蜜を髪の毛につけてしまって
1日髪がぺとぺとしていた
朝っぱらから高速教習
最初に運転だったから
自分の番が終わった後
眠くて眠くて大変だった
東名高速じゃなくて
西湘バイパスだったから
楽だったらしいけど
やっぱり怖かった
お昼食べてるとき
テレビにしょこたんが出ていた
やっぱりしょこたんかわいいなぁ
しょこたんのあのヲタっぷりが好き
わたしもヲタだからなぁ~(笑)
熱く語ってるしょこたんがかわいい
しょこたんは父親のせいで
男性不信らしい
気持ちがわかりすぎて
ますますしょこたん好きになった
お昼食べてから学科だったけれど
一番前の席で
睡魔と必死に戦った
最近ブックオフに寄ると
ホラー漫画ばかり読んでしまう
よしもとばななの小説
いろいろ買った
フラカンのワンマン
行かないつもりだったけど
やっぱり行きたくなって
チケット買ってしまった
すぐ帰れば大丈夫なはず
それにしてもさむい
さむいとさみしくなるからいやだ
父さんは岩にあがり、腹をふくらませた。そのポーズが父親として、一番りっぱに見えるはずだった。
「ハテ、わたしを見なさい。父さんみたいなりっぱなカエルになりたくないのか」
ハテはいわれたとおりに父さんを見た。見たとたん、あんな姿には絶対ならないと自分に誓った。
「父さん。ぼくに見えているものと父さんに見えているものと、違っているような気がするよ」
「じゃあ、おまえのかわいい平たいしっぽが、おまえにはとがって見えるっていうのかい?」
「うん。そうかもしれない」
「おまえのしっぽは矢みたいで、どこにだってささりそうだって、そういうんだな」
「そうかもしれないよ。父さんの頭がりっぱな火山で、体がピンクの三日月で、足が千本もあるっていわれても、ウソなんて思わないよ。ぼくにはそう見えないだけなんだ」
「だれがピンクの三日月だって?」
「自分の目でしか見えないんだよ。なにがホントかなんて、だれにもわかりっこないじゃないか。でもわかっているのは、ぼくの世界ではぼくが王様ってこと。ほら、その証拠に……」
ハテは目をぎゅっとつむった。
「ぼくが目をつむりさえすれば、世界はなくなる」
ハテは、父さんに背を向けて泳ぎはじめた。
「ぼくは出かけるよ」
自由なたましいに縄がかけられないことを父さんは知っていた。それ以上ハテを追いかけようとはせず、無理やりさみしさをのみこんだ。そして、「ゲーロ」と大きなゲップをひとつして、小さく小さくしぼんでしまった。
池の中の王様/安東みきえ
なぜか蜂蜜を髪の毛につけてしまって
1日髪がぺとぺとしていた
朝っぱらから高速教習
最初に運転だったから
自分の番が終わった後
眠くて眠くて大変だった
東名高速じゃなくて
西湘バイパスだったから
楽だったらしいけど
やっぱり怖かった
お昼食べてるとき
テレビにしょこたんが出ていた
やっぱりしょこたんかわいいなぁ
しょこたんのあのヲタっぷりが好き
わたしもヲタだからなぁ~(笑)
熱く語ってるしょこたんがかわいい
しょこたんは父親のせいで
男性不信らしい
気持ちがわかりすぎて
ますますしょこたん好きになった
お昼食べてから学科だったけれど
一番前の席で
睡魔と必死に戦った
最近ブックオフに寄ると
ホラー漫画ばかり読んでしまう
よしもとばななの小説
いろいろ買った
フラカンのワンマン
行かないつもりだったけど
やっぱり行きたくなって
チケット買ってしまった
すぐ帰れば大丈夫なはず
それにしてもさむい
さむいとさみしくなるからいやだ
父さんは岩にあがり、腹をふくらませた。そのポーズが父親として、一番りっぱに見えるはずだった。
「ハテ、わたしを見なさい。父さんみたいなりっぱなカエルになりたくないのか」
ハテはいわれたとおりに父さんを見た。見たとたん、あんな姿には絶対ならないと自分に誓った。
「父さん。ぼくに見えているものと父さんに見えているものと、違っているような気がするよ」
「じゃあ、おまえのかわいい平たいしっぽが、おまえにはとがって見えるっていうのかい?」
「うん。そうかもしれない」
「おまえのしっぽは矢みたいで、どこにだってささりそうだって、そういうんだな」
「そうかもしれないよ。父さんの頭がりっぱな火山で、体がピンクの三日月で、足が千本もあるっていわれても、ウソなんて思わないよ。ぼくにはそう見えないだけなんだ」
「だれがピンクの三日月だって?」
「自分の目でしか見えないんだよ。なにがホントかなんて、だれにもわかりっこないじゃないか。でもわかっているのは、ぼくの世界ではぼくが王様ってこと。ほら、その証拠に……」
ハテは目をぎゅっとつむった。
「ぼくが目をつむりさえすれば、世界はなくなる」
ハテは、父さんに背を向けて泳ぎはじめた。
「ぼくは出かけるよ」
自由なたましいに縄がかけられないことを父さんは知っていた。それ以上ハテを追いかけようとはせず、無理やりさみしさをのみこんだ。そして、「ゲーロ」と大きなゲップをひとつして、小さく小さくしぼんでしまった。
池の中の王様/安東みきえ