こばなし

日々のよしなしごと

アバウト・シュミット

2006年07月16日 | 映画
保険会社を定年退職したシュミットは、ひまな毎日に嫌気がさし、チャリティ団体に応募。援助するアフリカの少年に手紙を書く。ところが簡単な自己紹介のつもりが、妻への不満など、グチばかりつづることに。そんなとき妻が急死。愛娘が帰郷するが、彼女が連れてきた婚約者はとんでもないアホだった…。
平凡な男シュミットの老後の日々をシニカルなユーモアを散りばめて描いた人間ドラマの傑作。主演のニコルソンが、口数は少ないけれど、心の中ではグチってばかりの怒れる老人をチャーミングに演じている。ユーモアの中に孤独を垣間見せる絶妙の演技は、オスカーノミネートも納得の素晴らしさだ。また娘の婚約者の母親を演じるキャシー・ベイツの豪快な老ババぶりも必見。監督&脚本は『ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ』で脚光をあびたアレクサンダー・ペイン。(斎藤 香)
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埼玉の友だちの部屋にお泊まりさせてもらって、
その夜に観た映画。
井筒監督が『虎の門』で絶賛していたことだけ覚えていた。
物語は淡々と進む。
ドキドキしたり、ハラハラしたりはしない。
あぁ…あぁ…という感じで進んでいく。
昼間運動をして疲れた体の友だちは、途中で眠ってしまった。
でも最後、最後にこの映画のすべてが集約されていた。
もう本当に、たくさん散々なことがあって、
いいことなんてひとつもなくて、
でもただひとつの、幸福が、希望があった。
えも言われぬ気持ちとはこのことだと思う。
本当に、やられた感満載。
溢れ出す涙。
やっぱり人間に必要なのは、差し伸べられる手なのだ。
ラストにこんな衝撃を受けた映画は久しぶり。
すごい。
どうしようもなくなったとき、また観たい。